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momoな毎日

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『わたしを離さないで』(2010) - Never Let Me Go -

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この命は、誰かのために。
この心は、わたしのために。


Never Let Me Go_13

■ わたしを離さないで - Never Let Me Go - ■
2010年/イギリス、アメリカ/105分
監督:マーク・ロマネク
原作:カズオ・イシグロ「わたしを離さないで」
脚本:アレックス・ガーランド
製作:アンドリュー・マクドナルド、アロン・ライヒ
製作総指揮:アレックス・ガーランド、カズオ・イシグロ他
撮影:アダム・キンメル
音楽:レイチェル・ポートマン
出演:
キャリー・マリガン(キャシー)
アンドリュー・ガーフィールド(トミー)
キーラ・ナイトレイ(ルース)
シャーロット・ランプリング(校長先生)
サリー・ホーキンス(ルーシー先生)



解説:
イギリス最高の文学賞、ブッカー賞に輝く日系人作家カズオ・イシグロの小説を映画化。外界と完全に切り離された謎多き寄宿学校で、“ある目的”のため“特別な子供たち”として育てられた主人公たち。SF的なムードが漂う設定の中、物語は彼らの青春のきらめきを静かに見つめる。キーラ・ナイトレイ、キャリー・マリガン、アンドリュー・ガーフィールドら若手実力派俳優が共演し、瑞々しい演技を見せる。
 
(Star Channel)

あらすじ:
1988年、イギリス。緑豊かな自然に囲まれた寄宿学校“ヘールシャム”。
塀の外に出たことのない子供達は幼い頃から厳しい規律の下、ここで一緒に育ち、18才になると“コテージ”と呼ばれる農場の寮に移る。仲の良いキャシー、ルース、トミーにも“コテージ”に移る時がきた。
幼い時よりキャシーと気持ちが通じ合っていたトミーがルースと付き合うようになり、微妙な関係の3人。“コテージ”移動後、いたたまれなくなったキャシーは、皆とは違う道を選び“コテージ”から出て、2人とは別れ別れになってしまうが-





Never Let Me Go_05本作は2005年発表のカズオ・イシグロによる長編小説「わたしを離さないで」を原作としている。
ジャンルはSF小説でありながら、21世紀の現代では過去となる「20世紀」が舞台だ。牧歌的なイギリスの風景と古い寄宿学校の佇まいからは、とてもSFを想像することはできない。

1978年、イギリス。田園地方にある寄宿学校。
校長をはじめとする厳しい先生方の下、規律正しくはあってものびのびと毎日を過ごしている、揃いの制服を着た生徒達。大きい子は小さな子を助け生活している小さな学校。
小さな子達が楽しみにしているのが、時々生徒達に届けられるぎゅうぎゅう詰めの段ボール箱。これには生徒達へのプレゼントが入っており、日々何らかの形で貯めたコインと交換できる。喜ぶ子供達。しかし机に並べられた箱の中の物を見ると、それはとてもプレゼントと呼べる代物ではなく、お古と呼ぶのも躊躇するような壊れた人形や、ゴミのような雑多な物もの。

Never Let Me Go_03自分は予備知識無く観賞したので、この子達は親のない子で、この学校は施設なのかな、と。そしてこの作品は、施設の子供達、そこで起きる幼い恋愛のようなものがメインとなる内容かと考えていた。
それにしては、子供達が建物を移動する度、設置されている小さな機械に腕をかざし行動を記録して管理されている様子。
新しく赴任してきたルーシー先生も生徒達の話に、あまりにも非現実的なものが混じっており、怪訝な様子だ。
そしてある日、唐突にルーシー先生が生徒達に明かす衝撃の真実。
物語の核心は、案外早く種明かしされる。




この後はネタバレが入ります。





思いあまって子供達に話をするルーシー先生。
ふつうの子供達は、大人になってバスの運転手や、お店の店員や、教師になる。
でもあなた達は何にもなれない。
あなた達は大人になるまで生きることが出来ない。
あなた達は死ぬために生きている。
 と-。

1950年代に人類は不治の病を治療することが可能になり、1960年代後半には平均寿命は100才を超えた。長寿になることで痛む臓器。その臓器提供のために、クローンとして生まれ臓器をいくつか提供し、命を落とす。
これがこの子供達の決められた運命なのだと。
しかし、子供達はこれを聞いても驚くでもなく、先生をただ見つめている。

授業の一環として定期的に提出させられる絵などの作品。
これは子供達の魂を探るためではなく、このクローンにも魂があるのかを調べるためだったと言う校長。
ここにきて、ファンタジーでもあるかのようなこの作品はグロテスクになっていく。
観ている者は「ぅわぁー」と感じているが、映像に映し出されるのはあくまでもイギリスの田園風景だ。18才になり“コテージ”に移動した子供達も牧歌的な毎日を過ごし、共同生活の中で恋愛もする。
しかしそんな生活もしばらくの間でしかなく、いずれは「臓器提供者」として、そのための施設に送られるのだ。
普通の人のように短い青春を謳歌する若者達。そんな生活の中で恋人達が交わす、人間の本能の一つである性の描写が妙に生々しい。
しかし全ては管理されている中での、つかの間の事でしか無く、何も生み出すことはない-。

Never Let Me Go_08

臓器提供者となる時期を少し伸ばすことが出来るのが「介護人」の仕事に就くことだ。介護するのは臓器を摘出した提供者。あまりに理不尽だが、キャシーはこの仕事に就くことを選んだ。恋人同士だったトミーとルースも別れてしまい、小さな頃からずっと一緒だった3人は、別々の人生を歩む。短い人生ではあるが。

タイトルの「わたしを離さないで - Never Let Me Go -」
これは、まだ“ヘールシャム”にいた頃、トミーがキャシーに贈った古いテープに入っていた曲。
有名なジャズナンバーで多くの歌手により歌われ、様々なバージョンがある。
まだ子供のキャシーがこの曲を聴いて魂を揺さぶられ、涙を流すシーンがある。
そんな彼女に誰が「お前は死ぬために生まれたクローンだ。魂があるのかは分からない」などと言えようか?

こう書いているうち、一つの作品を思い出した。

  『ブレードランナー(1982)』。
人間の奴隷として働かせるために造られた「レプリカント」(人造人間)。感情が無いはずだったレプリカントがやがて感情を持ち、反乱を起こすまでになる。
このレプリカント達には、自分を人間だと思い込んでいる者もいる。人間の記憶を移植され、その記憶を自分の経験だと信じているのだ。子供の頃の古びた写真を大事に持っている姿が思い出される。信じていた物が実は作られた、そして自身さえも造られた物だと分かる悲劇。

Never Let Me Go_10対して本作は、どうやら子供の頃から自分の素性もその使命も把握しているようだ。
それでも、まだ人間らしい生活を送ることが出来る“ヘールシャム”があった頃は恵まれていたと言える。キャシー達3人が“コテージ”に移った後は、“ヘールシャム”も閉鎖され、手間をかけず養鶏場のようなクローン工場になってしまう。まるで人の形をした臓器生産器だ。そこには、敬意も感謝の念も無い。
しかし、本当に“ヘールシャム”は恵まれていたのか?どちらにせよ結果は同じなのに?

そして印象的だったのは、トミーの描く絵だ。
心の中に溜め込んでいる、怒り、不満、何か黒々と渦巻いている物が爆発して飛び出してきたような絵で、見ているこちらも不安になる。その絵を「すばらしいわ。頂いてもいいかしら」なんて言えるマダムには正直、「他に何か言うことはないのか?」と怒りさえ覚えた。





本作は決して感動作ではない。
しかしSFというのは、大概が理不尽で不幸な物語が多いのはいったいどういう事だろう?
人類の輝かしい未来の話であるはずなのに。

ではまた




 Never Let Me Go Official Trailer


カズオ・イシグロ
長崎県出身のイギリス人作家。
1954年、長崎で生まれ、5才の時にイギリスに移住。1982年、イギリスに帰化する。
日本語はほとんど話すことができないという。
1982年、英国に在住する長崎女性の回想を描いた処女作『女たちの遠い夏』
(日本語版はのち『遠い山なみの光』と改題、原題:A Pale View of Hills) で
王立文学協会賞を受賞し、9か国語に翻訳される。

■主な作品
・遠い山なみの光 A Pale View of Hills (1982年)
・浮世の画家 An Artist of the Floating World (1986年)
・日の名残り The Remains of the Day (1989年)
   アンソニー・ホプキンス主演で映画化
・充たされざる者 The Unconsoled (1995年)
・わたしたちが孤児だったころ When We Were Orphans (2000年)
・わたしを離さないで Never Let Me Go (2005年)
・夜想曲集:音楽と夕暮れをめぐる五つの物語 Nocturnes (2009年)
・上海の伯爵夫人 The White Countess (2005年) 映画脚本

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