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momoな毎日

古いカルト映画から最新アクション、海外ドラマまでいろいろレビューしています。好物はオカルト、サイコ、殺人鬼、吸血鬼、廃病院、エイリアン、人魚、ローマ時代などなど。結果的にホラーものが増殖中。

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『グレイヴ・エンカウンターズ2』(2012) - Grave Encounters2 -

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1作目で精神病院地下に取り残されたランスがあれからどうなったか気になって気になって仕方なかった人は、必ずこれを観ることになるだろう『グレイヴ・エンカウンターズ』の続編。今回はおどろおどろしい幽霊に驚かされるというよりも、すごい形相のモンスターが力の限り暴れまくる!そしてやっぱり登場したあの人のその後も-

Grave Encounters2_00■グレイヴ・エンカウンターズ2 - Grave Encounters2 -■
 2012年/カナダ・アメリカ/99分
 監督   :ジョン・ポリカン
 脚本   :ザ・ヴィシャス・ブラザーズ
 出演   :リチャード・ハーモン(アレックス)
       リアン・ラップ(ジェニファー)
       ディラン・プレイフェア(トレバー)
       ステファニー・ベネット(テッサ)
       ハワード・アイ(ジャレッド)
       ショーン・ロジャーソン(ランス・プレストン)

あらすじ:
若手映像作家のアレックスは、ヤラセ番組として葬り去られたかつての人気TV番組「グレイヴ・エンカウンターズ」が、実は本物だったのではないかとの疑いを抱いていた。そして独自の調査でその思いを強くした彼は、「グレイヴ・エンカウンターズ」の真実を解明するドキュメンタリーの製作を思いつき、仲間と共にかつて番組スタッフが訪れたという廃病院へと足を踏み入れるのだったが-
 (allcinema)




Grave Encounters2_10TV番組「グレイヴ・エンカウンターズ」が6作目を最後に打ち切りになって10年。ヤラセと分かりながらもファンが多くDVD化されたこの番組の6作目“コリンウッド精神科病院編”は、特にその怖さでいまだに大人気の作品だった。
映画学校に通う若手映像作家アレックスもその一人だったが、「グレイヴ・エンカウンターズ」出演のランスをはじめとするスタッフが6作目の後、行方不明のままという事実を知り、情報を集め始める。
そんな時、“死の番人”と名乗る者からメールが届き始める。その情報をもとにかつての番組プロデューサーやランスの母親を探し出して話を聞くうち、“コリンウッド精神科病院編”はヤラセのフィクションではなく、本物のノンフィクションだと確信。“コリンウッド精神科病院(仮名)”の場所を“死の番人”からのメールで知ったアレックスと映画学校の仲間は、謎を解明し、真実のドキュメンタリー作品を作るためあの精神病院跡地へと向かったのだった。 (あ~ぁ

Grave Encounters2_08不法侵入まがいで建物に入り込んだ彼らは、ランス達と同じように定点カメラを設置、中を探検していたが管理している警備員がやって来て追い出される羽目に。入口ホールに集められた彼らだったが、上階での物音に「まだ仲間が隠れているんだな!?」と怒った警備員が一人で上へ。続く発砲音。慌てたアレックスら5人の学生は(逃げればよかったのに)警備員を確認しに上の階へと上がっていく。

そして彼らはこの建物に囚われた-


Grave Encounters2_02一人また一人と消えていく仲間達。次々と形を変えアレックス達を閉じ込めるのに余念の無い建物、襲ってくるのは幽霊というよりもモンスターのような化け物だ。今回は消えていく仲間はきっちりと命を落とし、残る者の恐怖も前回以上。迷路のような建物の中を右往左往するだけでなく、いったん脱出出来たか、と安心させまた閉じ込めるという絶望感も今まで以上。
そして地下で出会うことになるある人物。この人物の力で脱出出来るのかと思いきや、味方になり敵になりで判断できない。どうやらこの建物には後ろで操る、ある大きな黒いものが巣くっているという大風呂敷も広げられる。そのラスボスはかつて実験的殺人を犯していた医者なのか、それとも他の何かなのか、、。

Grave Encounters2_05そのラスボスの命令は、
 -ここで起こったことを世間に広めよ。助かるのはそれが可能な一人のみ。

こうして脱出出来たただ一人の人間は、この死の“コリンウッド精神科病院”を世間に広め、また新たなる犠牲者を増やしていくことに貢献することになる。いつの時代も好奇心に満ち、行動せずにいられない若者はいるからね。

Grave Encounters2_11それにしても、どうせ作り物のホラー映画と思って観始めたけれど、あの病院の中に一歩足を踏み入れた時に感じた「また、あれか、、」という閉塞感と絶望感..。こういった意味では本作シリーズはよく出来たモキュメンタリーだと思われる。が、、

3作目はいらないよ。
ではまた






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『遊星からの物体X ファーストコンタクト』(2011) - The Thing -

Posted by momorex on   4  2

『エイリアン(1979)』と同様、カルト的人気SF作品『遊星からの物体X(1982)』の冒頭から前の3日間を映画化。ノルウェー隊に起こったことが明らかになる。この映画化に関してはかなり前からちらほらと噂されていたが、製作、公開まで結構紆余曲折があったらしい。ともあれ本作は1982年版に出てきたノルウェー基地の様子や事物との整合性がきちんと図られ、1982年版ファンが楽しめる要素もあるが、、

The Thing_2011_00
■遊星からの物体X ファーストコンタクト - The Thing -■
 2011年/アメリカ/104分
 監督 :マシーズ・ヴァン・ヘイニンゲン・Jr.
 脚本 :エリック・ハイセラー
 原作 :ジョン・W・キャンベル「影が行く」
 製作 :エリック・ニューマン、マーク・エイブラハム
 製作総指揮:J・マイルズ・デイル、デビッド・フォスター他
 撮影 :ミシェル・アブラモヴィッチ
 音楽 :マルコ・ベルトラミ
 出演 :メアリー・エリザベス・ウィンステッド(ケイト)
     ジョエル・エドガートン(サム)
     ウルリク・トムセン  (サンダー・ハルヴァーソン博士)
     アドウェール・アキノエ=アグバエ
                (デレク・ジェイムソン)
     エリック・クリスチャン・オルセン(アダム・フィンチ)
     トロンド・エスペン・サイム(エドヴァルド・ウォルナー)
     クリストファー・ヒブュ(ジョナス)
     ヨルゲン・ラングヘラ (ラース)

解説:
ジョン・W・キャンベル・Jrの傑作短編SF『影が行く』の、51年のハワード・ホークス製作版、82年のジョン・カーペンター監督版に続く3度目の映画化にして、ジョン・カーペンター版をベースにその前日譚を描くSFホラー。南極のノルウェー基地で発見された未知の生命体によって隊員たちが次々と犠牲になっていくさまと、誰の体内に侵入したか分からず隊員同士が互いに疑心暗鬼に陥っていく恐怖を、特殊メイクをメインにしたホラー演出で描き出していく。主演は「スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団」のメアリー・エリザベス・ウィンステッド。監督はCMを中心に活躍し、これが長編デビューとなるマシーズ・ヴァン・ヘイニンゲン・Jr。
 (allcinema)

あらすじ:
1982年、南極。ノルウェー南極観測隊が古代の氷層に埋まる巨大宇宙船と地球外生命体の遺体を発見。ことの重大さに緊急調査チームをアメリカからも招集。早速調査が始まったが、死んでいると思われた地球外生命体が蘇生、隊員達を襲い始める-





The Thing_2011_08ノルウェー南極観測隊が未知の信号を受け偶然見つけた古代の氷層に埋まる巨大宇宙船と地球外生命体の遺体。この人類史の革命ともいえる発見の調査は極秘裏に行われ、アメリカの古生物学者ケイトも参加することになった。指揮するノルウェーのハルヴァーソン博士は、殺菌もされていないから危険だと進言するケイトを無視し、氷層から切り出した地球外生命体の組織サンプルを、なんとも危険かつ安直な方法で取り出す。

ほら、発見されたツタンカーメンの墓に踏み込んで、古代のウィルスに感染、次々死亡とか、あったじゃないですか。1980年代ではまだ「呪い」と言われていたのかなー。最近でも南極とかの古代の氷層に仮死状態で眠る未知のウィルスが人類を脅かすとかのニュースもありました。これは温暖化のキャンペーンだったか..


このサンプルを調べた結果、地球上の生物のものでは無いことが判明。チームは世紀の発見に喜ぶ。しかしそれもつかの間、巨大な氷塊に固められていたはずの死んだ地球外生命体=物体Xが蘇生、氷塊を突き破り屋外へ逃走。チームはいくつものグループに分かれて捜索を始めるが、隊員の犬が殺され、見つけた隊員1人が襲われて見るもおぞましい無残な方法で殺される。この物体Xは無事、火炎放射器で焼き殺し、隊員達一同はとりあえず胸をなでおろすが、このとき皆は知らずにいた。物体Xの生物的特徴とそれが一つであって一つではないことを-

The Thing_2011_04
その後、犠牲者となった隊員と一体になった物体Xを調査。物体Xがヒトを取り込み細胞レベルで複製、そのヒトになりすますことが出来ることをケイトは突き止める。しかしあまりにも荒唐無稽な話に信じられない他の博士と隊員達。
The Thing_2011_11細胞レベルで生きていけるということは、血液1滴でも危険だと判断したケイトはこの基地は危機的状況に陥ったとし、皆がこの基地を離れることを阻止するべく動く。これはあまりにも凶暴で危険なウィルスなのだ。

が、すでに時は遅かった。それは落ちた血液から増殖、ヒトを襲いなりすましていた。どの隊員がそれなのかは分からない。皆の血液サンプルを採り調べようとしたが、それに機材を燃やされてしまった。
いったい誰がそれなのか?狭い基地の中で正体の分からない恐るべき敵と一緒にいる極限状態が隊員達を蝕んでいく-




いつも思うのだけれども、1970~80年代のホラーものなどのリメイク、続編等はなぜかあまり怖くない。CGによるVFX(視覚効果)などを使っての「無い物をあるように見せる」技術はすごく進歩しているというのに、だからなのかそこに生々しさが感じられない(CGの見過ぎか、年取ったせいか、性格が曲がったか、そういうせいかもしれませんが..)。

The Thing_1982本作では「アニマトロニクス(生物を模したロボットを使って撮影する技術)や操演、着ぐるみをベースに、それらを補完する形でCGによるVFXが利用されている」ということで、そんなにCGしていないものの、やはり1982年のジョン・カーペンター版の方が恐ろしく感じられ、それはリドリー・スコットの『エイリアン』を初めて観た時と共通するものがある(あのぷらんぷらんとぶら下がっている隊員の頭や、リプリーの横から出てくるエイリアンの口の中の触手怖かったー)。
思うに、ホラーというのは個別の化け物、幽霊、エイリアンやワンショットが怖いというのも大事だが、全編を覆う不気味な背景や色彩、影、音、などから受ける恐怖感も大事なのかな、と。近年、ハイビジョンになってあまりにはっきり見えるから、それが嬉しいのとは逆に、正体不明の怖さというものが犠牲にされている部分があるのかもしれない。
本作でも一番どきどきしたのは、ケイトが物体Xに追い詰められ隠れながらも落ちた手榴弾を拾おうとしているところ。ホラーはやっぱりこれがなくちゃね。
ではまた





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『アウェイクニング』(2011) - The Awakening -

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『アザーズ』好きなので美女と少年の幽霊・ゴシックホラーという内容に思わず飛びついた。観終わっての感想はいろいろな作品の良いところを詰め込んだな、というもの。まぁそれでも主演のレベッカ・ホールの美しさにあっという間に最後まで観終えることが出来たが。

The Awakening_00■アウェイクニング - The Awakening -■
 2011年/イギリス/107分

 監督  :ニック・マーフィ
 脚本  :ニック・マーフィ、スティーヴン・ヴォーク
 製作  :デヴィッド・M・トンプソン他
 撮影  :エドゥアルド・グラウ
 音楽  :ダニエル・ペンバートン
 出演  :レベッカ・ホール    (フローレンス)
      ドミニク・ウェスト   (マロリー)
      イメルダ・スタウントン (モード)
      アイザック・ヘンプステッド・ライト(トム)

解説:
「それでも恋するバルセロナ」「ザ・タウン」のレベッカ・ホール主演のゴシック・ホラー。共演にドミニク・ウェスト、イメルダ・スタウントン。監督は英国BBC出身の俊英ニック・マーフィ。 
 (allcinema)

あらすじ:
1921年、第一次大戦後のイギリス。インチキ降霊会などの詐欺を見破ることで警察の捜査援助を仕事とするフローレンス。全く幽霊の存在を信じていない彼女の元へ、ある日寄宿学校の教師が訪問する。務める学校でたびたび少年の幽霊が目撃されており、生徒達が怯えているので、その真相を解明して欲しいという依頼だった。不承不承ながら引き受けたフローレンスは現地に向かい、さっそく調査を開始するが-





作品冒頭にこのような紹介が入る。
 1914年から1919年にかけて、イギリスだけでも戦争やインフルエンザなどで100万人もの人が死亡。
 人々は幽霊の存在に救いを求めた。

降霊会(または交霊会)は1840年代にアメリカで出現し、50年代になるとヨーロッパのブルジョワサロンを熱狂させていた。フランスの心霊術研究家アラン・カルデックはその著作『霊の書 (Le livre des Esprits)』(1857年)においてこのセッションに Séance という名を与え、そこに哲学的意味を見て取ることとなる。今日では、ブラジルに多くの支持者がいるという。(Wiki:交霊会)


The Awakening_06それが本当であろうとインチキであろうと、突然家族や友人を亡くした人々が「降霊」という形で死者の言葉を聞き、慰め、または慰められ、自身の次なる一歩を踏み出すために必要だった会とも言える「降霊会」。しかし主催者側が結構な金品を受け取ることから警察に「詐欺」の名目で目をつけられる。
こういった捜査に協力していたフローレンス。詐欺であることには違いなく、霊の存在を信じていない彼女は降霊詐欺のテクニックを見破り次々と会を潰していくが、それに客として参加している人々の慰めを得る機会を潰していることも理解しており、仕事を終えるたび心が傷つくのだった。

The Awakening_08実の両親をずいぶん前に亡くし、養父母と一緒に暮らす彼女の元に、ある日寄宿学校の教師が訪ねてくる。学校の建物は以前は私邸であり、当時、事故で死んだ少年の幽霊がたびたび目撃される。それだけれあれば害は無いが、その幽霊を目撃した生徒が恐怖のあまり自殺した。残る生徒達は怯えており、この少年の幽霊の真相を解明して欲しいという依頼内容だった。
幽霊は信じていないから、といったんは断ったフローレンスだったが、生徒が可愛そうなのでという教師の言葉に引き受けることにした彼女は、教師マロリーと一緒に現地へと向かう。
きっと誰かのいたずらだろうと考えた彼女は、挨拶もそこそこに調査の準備を進める。それは、写真機を設置し、足跡を付けるための粉をまき、通ればなる鈴をぶらさげたひもの設置など科学的なものであった。

The Awakening_03さっそく彼女の罠に生徒の一人がかかり、自殺したと思われた生徒も事故死であったことが判明。仕事は終了したかに思われたが、その頃から彼女の周りに起き始める不気味な出来事。彼女を引き留めるかのようなその現象を怯えながらも究明することにしたフローレンス。

ふわりと現れる少年の霊、彼女にしか聞こえない話し声やライフルを持った男の正体とは-




The Awakening_11古い建物の寄宿学校、目撃される少年の霊、自殺した生徒、人形の家、、などなど設定自体はおどろおどろしくゴシックホラーな感じの本作だが、『アザーズ(2001)』のようなゾッとする怖さはあまり無い。それよりも人間の記憶と罪悪感のいなし方に主眼を置いているように思われる。誰のせいでも無い悲惨な出来事に囚われ、罪悪感に苛まれる主人公が真実の記憶に向き合い、前に進んでいく物語だ。
作品前半がホラー仕立てであるために気付かないでいると、あまり目新しいものではないにしろ、後半から終盤にかけておーっという展開に驚かされる。
そしてエンディングだが、ずっと黒っぽい服装のフローレンスが白いコートで登場する。
これは過去を脱ぎ去ったという意味なのか、それとももう一つの事象であるのか。自分好みなのはもう一つの方だけれども、どっちでしょう。ここでも観る者の考え方、生き方が試されているのかな..
ではまた





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『アタック・ザ・ブロック』(2011) - Attack the Block -

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今回は同じエイリアンものでも楽しいエイリアンものをチョイス。健康優良不良少年達が繰り広げる愛と涙のハートフル・アクション・ちょいワル・SFコメディだ!イギリス・コメディ映画ではおなじみのニック・フロストも出演していて「たとえチョイ役でも、あなたが出ていれば間違いないわ」ということを本作でも証明してくれた。

Attack the Block_01■アタック・ザ・ブロック - Attack the Block -■
 2011年/イギリス/88分
 監督   :ジョー・コーニッシュ
 脚本   :ジョー・コーニッシュ
 製作   :ニラ・パーク、ジェームズ・ウィルソン
 制作総指揮:マシュー・ジャスティス他
 撮影   :トム・タウネンド
 音楽   :ベースメント・ジャックス
 出演   :ジョン・ボイエガ    (モーゼズ)
       ジョディ・ウィッテカー (サム)
       アレックス・エスメイル (ペスト)
       フランツ・ドラメー   (デニス)
       リーオン・ジョーンズ  (ジェローム)
       サイモン・ハワード   (ビッグス)
       ルーク・トレッダウェイ (ブルース)
       ジャメイン・ハンター  (ハイハッツ)
       ニック・フロスト    (ロン)

解説:
「ショーン・オブ・ザ・デッド」「スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団」の製作陣が贈るティーンエイジSFアクション。ロンドンの低所得者向け公営団地を舞台に、少年ストリート・ギャングが凶暴なエイリアンと壮絶な死闘を繰り広げるさまを、リアルな社会問題を背景に、ユーモアと残酷描写を織り交ぜつつスピード感溢れるテンポと心打つストーリー展開でスリリングに描き出していく。監督は、これまでコメディアンとして活躍し、本作で記念すべき長編デビューを飾った英国期待の新鋭、ジョー・コーニッシュ。
 (allcinema)

あらすじ:
南ロンドンの低所得者向け公営団地に暮らすモーゼズら5人の不良少年達。その夜も通りがかった女性サムを脅して金品を巻き上げようとしていたが、ちょうどその時、彼らの前に隕石が落下、中から奇妙な生き物が姿を現す。飛びかかられて負傷したモーゼズだったが、ひるむことなく反撃し殺してしまう。「大きな猿か?エイリアンだったりして」などと楽しげに死体をぶら下げ団地へと戻ってきた彼らが見たものは、無数に落ちてくる隕石と中から現れたゴリラのようなさらに大きなエイリアンだった-





Attack the Block_04光り輝く満天の星。そこに一際大きく光る流れ星のような物体が-。
ここはロンドンの南、低所得者向け団地(ブロック)が立ち並ぶ、ちょっとがらの悪い地域だ。そこに住むモーゼズら5人の悪ガキチームは今日も通りがかりの人を脅しつけ金品を巻き上げる仕事に余念が無い。今日の被害者は同じ団地に引っ越してきたばかりの看護師サム。親元から自立したばかりで、こんなにがらの悪いところだとは知らなかったようだ。
大事な指輪さえも無理矢理盗られていたちょうどその時、近くに停まっていた車に空から大きなものがどすんっと落ちてくる。壊れた車にも何か金目のものはないかと物色しだしたモーゼズに猿のような凶暴な生き物が飛びかかり、傷をおわせて逃げていった。「リベンジだー!」と叫びながら追いかける悪ガキチーム。狭い物置に逃げ込んだソレの正体はわからず、ちょっとびびっていた彼らだったが、これで逃げては男がすたるとばかりに物置に突撃。凶暴なソレを殺してしまう。

Attack the Block_10得物を得意そうにぶら下げ、ブロックまで戻ってきた彼ら。この生物の正体を突き止められるのは、日頃から自然番組をよく見ているロンしかいないと、同じ団地に住む彼の部屋へと訪れる。害は無いが昼夜ラリっているロンには結局正体はわからなかったが、高層にある彼の部屋の窓から見えたのは、無数に落下してくる隕石のような物体。それは自分たちのブロック一体に降り注いでいる。
彼らは悟った。今、ブロックに落ちてきているモノは、殺したこいつの仲間、エイリアンだと。
そして俺らのブロックに何の用だと言わんばかりに確認しに行った彼らが見たものは、最初のヤツより遙かに大きく凶暴な面構えのエイリアンだった-

  


Attack the Block_17彼らは決してひるまない。決して仲間を見捨てない。仲間だけに限らずこのブロックを愛し、ブロックに住む人々をも大事に思っている彼ら。
それぞれ親と低所得者向けの団地に住んではいるが、親は子供をきちんと(できる限り)管理し、彼らもそれに応える。カツアゲしながらも「うん、ママ。もうすぐ帰るよ」と電話で話す彼らは非常に愛らしい。その携帯電話さえ毎月いくらまで、と親に管理されているところも微笑ましい。
カツアゲする際にも怪我は負わせず、やってはいけない限度というモノを知っており、口も悪くない。
原付と自転車でブロック内を疾走する彼らは、かっこいいのだ。
対して、ブロックは俺のシマだというハイハッツら一味はどうだろう?彼にとって俺のシマとは「俺の財布」のことで、銃を振り回し「盗め、殺っちまえ」と叫ぶ。あーコワイ。

Attack the Block_05本作はやんちゃ坊主のヒーロー物語として作られているのでは無く、法を破れば逮捕され、無理をすれば命を落とし、色々な知識を身につけたければきちんと勉強しろ、と教えてくれる。そして何より大事なのは人の命とその尊厳なんだと。

このブロックがエイリアンの攻撃対象になった理由を理解した彼らは、ブロックを守るために戦いを始める。そして彼ら悪ガキチームは痛みも伴ったが、さらにすてきな少年へと成長できた。
これで未来もちょっとは明るくなるかな。

それにしてもエイリアンに対する大人(特にロン)の反応が非常に面白い。最近観たばかりの『遊星からの物体X ファーストコンタクト』では世紀の大発見、人類史が変わる!とか言ってたのに、ロンの反応ときたら..まるでサンタクロースを見つけたよりも反応が薄い
ではまた





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マスターズ・オブ・ホラー#3 「ダンス・オブ・ザ・デッド」 - Dance of the Dead -

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「マスターズ・オブ・ホラー」シリーズ3作目にトビー・フーパー監督作品が登場。『悪魔のいけにえ(1974)』で有名な監督だが、恐怖の極限状態に置かれた人間をとことん追い詰め、その人の持つ潜在的な人間性と強さを表現する。『エルム街の悪夢(1984)』のロバート・イングランドも快演。

MoH03_00■ダンス・オブ・ザ・デッド - Dance of the Dead -■
 2005年・TV/アメリカ/58分
 監督   :トビー・フーパー
 脚本   :リチャード・クリスチャン・マシスン
 原作   :リチャード・マシスン
 製作総指揮:キース・アディス、モリス・バーガー他
 音楽   :ビリー・コーガン
 撮影   :ジョン・ジョフィン
 出演   :ジョナサン・タッカー  (ジャック)
       ジェシカ・ロウンズ   (ペギー)
       ライアン・マクドナルド (ボックス)
       ロバート・イングランド (MC)
       カレン・オースティン

あらすじ:
第3次世界大戦後の世界。小さな食堂を営む母親を手伝っているペギーは、店にやって来た不良達の一人ジャックに魅せられ、夜中に外の世界を見に出かけるが-





MoH03_04第3次世界大戦が起き、秩序の無くなった世界。テロは頻発し、溢れかえっている死の中で生きていくしかない恐怖の時代。それでも自分たちはましなのだと思いたいため、人々はさらなる恐怖を求め、クラブ「破滅の館」へ。そこではMC自ら“エログロ・カブキ”と紹介する死者のダンスがショーとして見世物になっていた。
これは、戦時中使われたある化学兵器が元で死者が動く物質が出来、それを使った死者に電流を流しあたかも踊っているように見せるという、なんとも趣味の悪い見世物だった。

MoH03_03そんな世界に触れさせたくなくて母親に行動を監視されているペギー。町に出ることを堅く禁じられていたが、ある日出会ったジャックに誘われるままクラブ「破滅の館」へ。ショーが始まり吐き気と不快感を感じながら見ていたペギーだったが、2人目の踊る死者が行方不明の姉アナと気付いたとき、思わず姉を抱え店の外に飛び出すが-




MoH03_01さぁて、破壊的に趣味の悪い作品が登場。よくこんな話が思いつくなトビー・フーパーさんと思ったら原作があった。原作者はアメリカの作家であり脚本家でもあるリチャード・マシスン。古くはスティーヴン・スピルバーグの『激突!(1971)』(原作と脚本)、『ヘルハウス(1973)』(原作と脚本)、最近では『アイ・アム・レジェンド(2007)』『運命のボタン(2009)』『リアル・スティール(2001)』(いずれも原作)がある。どれもホラー、SF、ファンタジーにあふれ、究極の極限状態に放り込まれた人間を描写。その人の決断と行動をじっくり追っていく。
本作でもママの小さな籠に入れられていたペギーが外の世界に飛び出し、現実を直視、ある決断を迫られる。彼女は自分の正義に沿って迷うこと無く決断を下す。それは強く生きていくためには必要な決断だった。
しかしどんな時代も、はいたつばは自分の頭に落ちてきますね。


監督 トビー・フーパー
米国テキサス州出身の映画監督・脚本家。
短編映画の製作などを経て1974年に『悪魔のいけにえ』で監督デビューした。1943年生まれ70歳。
■主な監督作
 ・悪魔のいけにえ The Texas Chainsaw Massacre (1974)
 ・悪魔の沼 Eaten Alive (1977)
 ・死霊伝説 Salem's Lot (1979)
 ・ファンハウス/惨劇の館 The Funhouse (1981)
 ・ポルターガイスト Poltergeist (1982)
 ・スペースバンパイア Lifeforce(1985)
 ・悪魔のいけにえ2 The Texas Chainsaw Massacre 2 (1986)
 ・スペースインベーダー Invaders from Mars (1986)
 ・ミス・スターダスト Miss Stardust (1987)
    『世にも不思議なアメージング・ストーリー』第2シーズン第21話
 ・スポンティニアス コンバッション 人体自然発火 Spontaneous Combustion (1990)
 ・ドレス I'm Dangerous Tonight (1990)
 ・ハリウッド・ナイトメア Tales from the Crypt (1991)
 ・マングラー The Mangler (1995)
 ・トビー・フーパーの世にも不思議な怪奇アパートメント The Apartment Complex (1999)
 ・レプティリア Crocodile (2000)
 ・ツールボックスマーダー Toolbox Murders (2004)
 ・遺体安置室 -死霊のめざめ- Mortuary (2005)






■Masters of Horror season1
1 ムーンフェイス-Incident On and Off a Mountain Road ドン・コスカレリ
2 魔女の棲む館-H. P. Lovecraft's Dreams in the Witch-House スチュアート・ゴードン
3 ダンス・オブ・ザ・デッド-Dance of the Dead トビー・フーパー
4 愛しのジェニファー -Jenifer ダリオ・アルジェント
5 チョコレート-Chocolate ミック・ギャリス
6 ゾンビの帰郷-Homecoming ジョー・ダンテ
7 ディア・ウーマン-Deer Woman ジョン・ランディス
8 世界の終り-Cigarette Burns ジョン・カーペンター
9 閉ざされた場所-Fair Haired Child ウィリアム・マローン
10 虫おんな-Sick Girl ラッキー・マッキー
11 ハンティング-Pick Me Up ラリー・コーエン
12 ヘッケルの死霊-Haeckel's Tale ジョン・マクノートン
13 インプリント~ぼっけえ、きょうてえ~ Imprint 三池 崇史


 

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『アイアン・スカイ』(2012) - Iron Sky -

Posted by momorex on   0  1

平和条約だ、TPPだ、FTAだ、ともめる地球の今を笑うかのように月の裏側で着々と進められていたナチス地球侵攻。自分たちの民族さえ、自分の国さえ、自分さえよければとの考えを見透かされる某大国。この戦いはナチス第四帝国の援助による地球の国々の世界大戦だった!

Iron Sky_001■アイアン・スカイ - Iron Sky -■
 2012年/フィンランド・ドイツ・オーストラリア/94分
 監督 :ティモ・ブオレンソラ
 脚本 :マイケル・カレスニコ、ティモ・ブオレンソラ
 原案 :ヨハンナ・シニサロ、ヤルモ・プスカラ
 製作 :テロ・カウコマー、オリヴァー・ダミアン他
 撮影 :ミカ・オラスマー
 音楽 :ライバッハ
 出演 :ユリア・ディーツェ(レナーテ・リヒター)
     ゲッツ・オットー(クラウス・アドラー)
     クリストファー・カービイ(ワシントン)
     ウド・キア(コーツフライシュ総統)
     ペーター・サージェント(ヴィヴィアン)
     ステファニー・ポール(アメリカ合衆国大統領)

解説:
 「スター・トレック」のパロディ作品「スターレック 皇帝の侵略」で世界中のSFファンにその名を知らしめたフィンランドの奇才ティモ・ヴオレンソラ監督が、今度はナチスの残党が月の裏側で地球侵略の準備を進めていた、との奇想天外な設定で描く本格おバカSF。
 (allcinema)

あらすじ:
2018年。アメリカ大統領再選を目指す現大統領は、人気取りキャンペーンのために46年ぶりにアポロ計画を実施。月へ送られたのは黒人モデル、ジェームズ・ワシントンらだったが、彼らが月の裏側で発見したのはナチス第四帝国の巨大な基地だった。地球侵攻を目論むナチスはジェームズを捕らえ、アメリカ大統領に合わせろと詰め寄るが-





Iron Sky_132018年。美貌と体力維持に余念の無い女性アメリカ現大統領は、常にアメリカが世界のリーダーたることに務め、次の大統領選にも勝ち抜くため並々ならぬ努力を惜しまなかった。そこで選挙キャンペーンの一環として月にロケットを打ち上げた。乗員は黒人モデル、ジェームズ・ワシントンら数名。無事に月に到着した彼らだったが、月の裏側“ダークサイド・ムーン”で発見したのは死んだ巨大ロボット生命体では無く、ナチスの巨大な基地であった!
あの年、連合国により敗退を喫したナチス残党は秘密裏に仕上げていたロケットで地球を脱出、月にたどり着き、アメリカに、連合国に、地球に報復するため、着々と月の裏側でその準備を進めてきたのだった。最終兵器「神々の黄昏」号の仕上げまであと少し、地球への侵攻は間近であった。

Iron Sky_07そんな折り、久しぶりに飛んできたアメリカの宇宙ロケット。親衛隊により乗員は殺害、一人のみが捕虜として基地に連行されたが、その一人が黒人だったことにアーリア民族至上主義のナチス幹部らは驚く。しかしこの黒人ジェームズが携帯していたスマフォこそが最終兵器「神々の黄昏」号の最後のパーツと判明、取り上げるもバッテリー切れ。大量のスマフォを手に入れるため、月面親衛隊准将クラウス・アドラーは現総統コーツフライシュの命によりUFO型宇宙船で地球に向け出発する。
かくしてナチス第四帝国による地球侵略は、アメリカ大統領選キャンペーンによって一歩進められてしまうことになったのだった-

  


Iron Sky_09ヒトラーは実は生きていた、ナチス残党は北極にいる、などなど、人類の敵ナチスにまつわるお話はいろいろあるが、今回はなんと月に第四帝国を建設、地球への侵攻を目論んでいたという壮大なお話だ。第二次世界大戦終結から70年近く。現在ではナチスと言えば一つの間違った理想に突っ走る団体として滑稽に描かれることが多いが、本作でも真面目にコミカルに描かれている。
古き良き時代の悪しき伝統が脈々と受け継がれているナチス第四帝国。総統をはじめとして幹部、親衛隊、兵卒に至るまで統制がとれており、将来のナチス党員である子供達への教育もしっかり受け継がれている。その教材に『チャップリンの独裁者』の一部を使っているのは、なかなか合理的。
この際、何を食べているんだとか、建物の材料は?とか、その衣装の生地は?とか細かいことはどうでもいい この第四帝国の壮大さと構成員の偏り具合にどっぷりはまりたい。

Iron Sky_08ナチスが延々とナチスであることに精進していた間、地球上はどうであったかというと、大戦は終わり、戦勝国は戦勝国の、敗戦国は敗戦国の勤めをはたし、加速する技術革新に日々明け暮れ、新しい戦いが巻き起こっている。それは武器を使った戦いでは無く、株という紙切れであったり、首長という立場であったり..。
そして世界のリーダー、アメリカが多種多様の世界をまとめるために平和的に自由民主的に物事を決め推し進めていく。公開される映画では必ずと言っていいほど「アメリカの軍隊」「アメリカのヒーロー」が地球を救うのだ。
アメリカ無くして、世界は成り立たないのだっ

そこへ攻めてくる地球人類の敵、宇宙戦艦ナチス。電撃隕石作戦の名の下に広大な宇宙から大きな隕石を引いて地球めがけて大艦隊で襲ってくる。地球危うし!しかし皆で決めた宇宙平和条約があり、戦える宇宙船が無い!
・・・はずだった。

Iron Sky_22


下調べをあまりせずここまで観て、ちょっとコレどこの国製作?アメリカ?それならスゴイっと思いましたよ。滑稽なナチス映画がいつのまにか滑稽なアメリカ映画になってるんですもん。で、調べたら製作国はフィンランド、ドイツ、オーストラリア。監督はフィンランドのティモ・ブオレンソラ。
最近、ドラマやホラーで北欧モノに度々お目にかかるようになり、そのクオリティーの高さに感心していたけど、コメディもなかなかスパっとはっきりしていて迷いが無い!↑この地球各国の宇宙戦艦が見た目、通信衛星や気象衛星を装っているところが非常に笑わせる(日の丸が付いているのも飛んでます)。

これ、本当はこう言わせたかったんだろうなー
Iron Sky_18 ハイル!アメリカ!!

ではまた





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『気狂いピエロの決闘』(2010) - Balada triste de trompeta -

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『アルゴ』や『推理作家ポー 最期の5日間』を押しのけ、ある意味2013年3月レンタル開始作品で一番楽しみにしていた本作!ピエロによって、もうどんな狂気の世界が繰り広げられるのか ホラーにいくのか?グロテスクにいくのか?
・・・いえ、どちらも違いました。これは暗い過去の歴史に囚われた一人の男の悲しい物語でした。

The Last Circus_00■気狂いピエロの決闘 - Balada triste de trompeta -■
 2010年/スペイン・フランス/107分
 監督 :アレックス・デ・ラ・イグレシア
 脚本 :アレックス・デ・ラ・イグレシア
 製作 :ヴェラーヌ・フレディアニ他
 撮影 :キコ・デ・ラ・リカ
 音楽 :ロケ・バニョス
 出演 :カルロス・アレセス   (ハビエル)
     アントニオ・デ・ラ・トレ(セルヒオ)
     カロリーナ・バング   (ナタリア)
     マヌエル・タリャフェ  (ラミロ)

解説:
一人の女を巡る道化師とピエロの血みどろの三角関係を描く異色のラブ・ストーリー。監督は「マカロニ・ウエスタン 800発の銃弾」のアレックス・デ・ラ・イグレシア。出演はカルロス・アレセス、「マルティナの住む街」のアントニオ・デ・ラ・トーレ、カロリーナ・バングほか。2010年ベネチア国際映画祭・銀獅子賞と脚本賞受賞作。
 (Movie Walker)

あらすじ:
1973年、マドリード。祖父と父親ともに道化師だった冴えない男ハビエルは、自身も道化師になるためサーカス団に入団、泣き虫ピエロとして活躍を始める。同じサーカス団の美女ナタリアに惹かれ始めた彼は、ある日ナタリアが愛人のセルヒオに殴られているのを目撃。彼女をなんとか助けたいと行動し始めるが-

原題『Balada triste de trompeta』:「哀しきトランペットのバラード」の意
英題:『The Last Circus』




The Last Circus_15物心ついた頃から、子供達に大人気の道化師だった父を見て育ったハビエル。いつかは自分も道化師になりたいと願っていたが、1937年、スペイン内戦はますます激化。父親を含む道化師の仲間達はその衣装のまま共和国軍に引っ立てられ銃を持たされる。他の道化師仲間が命を落とす中、なんとか生き延びた父親だったが反乱軍に捕まり強制労働に。母親はとうに亡くなっていた、まだ10歳にもならないハビエルは独りぼっちになってしまった。

数年後、他の労働地に連れて行かれる前に父親と面会できた少年ハビエル。
父親に「まだ道化師になりたいのか?」と尋ねられ、「クラウン(おどけて人を笑わせる)になりたい」と答えるハビエル。しかし父親は息子に言う。
 心の奥底から悲しみを背負った者に、人を笑わせることは出来ない。
 道化師になるのなら「泣きピエロ(ボケ役)」になれ
  -と。

スペイン内戦(1936年7月~1939年3月)
The Last Circus_30第二共和政期のスペインで勃発した内戦。マヌエル・アサーニャ率いる左派の人民戦線政府と、フランシスコ・フランコを中心とした右派の反乱軍とが争った。反ファシズム陣営である人民戦線をソビエト連邦が支援し、フランコをファシズム陣営のドイツ・イタリアが支持するなど、第二次世界大戦の前哨戦としての様相を呈した。
スペイン内戦は、スペイン軍の将軍グループがスペイン第二共和国政府に対してクーデターを起こしたことにより始まったスペイン国内の抗争だった。内戦は1936年7月17日から1939年4月1日まで続き、スペイン国土を荒廃させ、共和国政府を打倒した反乱軍側の勝利で終結し、フランシスコ・フランコに率いられた独裁政治を樹立した。フランコ政権の政党ファランヘ党は自らの影響力を拡大し、フランコ政権下で完全なファシスト体制への転換を目指した。

この戦争は激しい感情的対立と政治的分裂を引き起こし、双方の側の犯した虐殺行為が知れわたり有名になった。他の内戦の場合と同様にこのスペイン内戦でも家族内、隣近所、友達同士が敵味方に別れた。共和国派は新しい反宗教な共産主義体制を支持し、反乱軍側の民族独立主義派は特定複数民族グループと古来のカトリック・キリスト教、全体主義体制を支持し、別れて争った。戦闘員以外にも多数の市民が政治的、宗教的立場の違いのために双方から殺害され、さらに1939年に戦争が終結したとき、敗北した共和国派は勝利した民族独立派によって迫害された。
(Wiki:スペイン内戦)



The Last Circus_06そして1973年。太った冴えない男ハビエルが「泣きピエロ」としてあるサーカス団に入団する。そこには乱暴者の「怒りのピエロ」役である人気者道化師セルヒオが君臨していた。セルヒオとペアになったハビエルは彼を恐れながらも子供達に好かれ、泣きピエロの仕事をこなしていた。
出来ないものは出来ないとセルヒオにはっきり言えるハビエルだったが、彼の愛人ナタリアに恋してしまったことは恐ろしくて態度に出すことも出来ない。そんな彼の気持ちを察するナタリア。次第に彼らは親密になっていく。
The Last Circus_10
乱暴者のセルヒオは日頃からナタリアにさえ殴る蹴るの暴行を働いていたが、2人の関係を知ってその矛先はハビエルにも向けられる。大怪我を負ったハビエルはここにきて遂にキレる。止めるナタリアを振り払い、「殺してやる!」と息巻くハビエルはセルヒオに向かっていくが-

  



泣きピエロ、ハビエル。
物心ついたときには母親は亡く、内戦で父親も奪われる。道化師にもいくつか種類があって(泣き)ピエロはその中でも一番最下層。一番皆から馬鹿にされる芸風で、涙のマークは馬鹿にされながら観客を笑わせているがそこには悲しみを持つという意味を表現したものであるとされる。

The Last Circus_11前半は内戦を絡めた悲しいストーリーだったのが、傷を負い愛する人まで殴られ暴力を受けたハビエルが切れ、泣きピエロから怒りのピエロに変わった後半、純愛は狂気となり、ピエロは気狂いピエロとなって誰も止めることが出来なくなる。それはハビエルだけに止まらず、敵であるセルヒオさえもますます狂気の暴力男となっていく。
狂気 対 狂気
ピエロ装束に包まれているハビエルは涙を流しながら、笑い、怒り、一人戦闘モードと化していく。その旗振りは今は亡き父親の面影だが、それはハビエルの妄想に過ぎない。少年の頃のように父親の発する言葉に耳を傾けるハビエル。
彼はまだ少年のままだった。

内戦で家族を、友人を、数十年の時を無くした人々。その怒りがハビエルに全て乗り移ったような狂気。これほどの怒りをまともに受けて、ハビエルが正気を保てるはずがない。怒りをそのまま具現化したようなセルヒオを相手にするにはもはや気狂いピエロになるしかなかったのか。
あわれ、ハビエル

作中に流れハビエルが涙して聴いている曲はラファエル「トランペットのバラード」らしいです。




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『ザ・ウーマン 飼育された女』(2012) - The Woman -

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森で自由に生きていた野生の女。それを捕まえ飼育し、自分の自由にしようとする男。それを見守る妻と子供達。この作品は年齢を超えた究極の「女vs男」の戦いを描いたものである。さて、勝利するのはどっちでしょう?

The Woman_00s■ ザ・ウーマン 飼育された女 - The Woman - ■
 2012年/アメリカ/104分
 監督:ラッキー・マッキー
 脚本:ジャック・ケッチャム、ラッキー・マッキー
 原作:ジャック・ケッチャム「ザ・ウーマン」
 製作:アンドリュー・ヴァン・デン・ハウテン他
 撮影:アレックス・ヴェンドラー
 音楽:ショーン・スピラン
 出演:ポリアンナ・マッキントッシュ(女)
    ショーン・ブリジャース(クリス)
    アンジェラ・ベティス(ベル)
    ローレン・アシュリー・カーター(ペギー)
    ザック・ランド(ブライアン)
    シーラ・モルフセン(ダーリン)
    カーリー・ベイカー(教師)
    アレクサ・マルシグリアーノ


解説:
「MAY -メイ-」のラッキー・マッキー監督がホラー小説界の異才ジャック・ケッチャムとのコラボで撮り上げたバイオレンス・ムービー。ケッチャムのデビュー作『オフシーズン』の続編を原作とした「襲撃者の夜」に登場した食人女が再登場し、鬼畜親父と遭遇したことで辿る衝撃の顛末を過激なバイオレンス描写満載に描く。主演は「襲撃者の夜」のポリアンナ・マッキントッシュ、共演にショーン・ブリジャース。
 (allcinema) 

あらすじ:
有能な弁護士クリスは森にハンティングに出かけ、偶然見かけた野生の女を捕獲。自宅へと連れ帰り地下室に繋いで監禁、飼育することに。気の進まない家族の協力も取り付け、調教を始めるが-


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『イントルーダーズ』(2011) - Intruders -

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『28週後...』でゾンビウィルスに侵された戒厳令下の街ロンドンに生きるある家族を描いたフアン・カルロス・フレスナディージョ監督。本作では顔の見えない“イントルーダーズ(侵入者)”の存在に苦しむ2組の親子を題材に、現実と幻想の世界を境目無く描写。サイコサスペンスの形をとりながら問題の原因は何なのか?を現代の希薄な家族関係に問いかけるダークファンタジー。

Intruders_00■イントルーダーズ - Intruders -■
 2011年/アメリカ・イギリス・スペイン/100分
 監督 :フアン・カルロス・フレスナディージョ
 脚本 :ニコラス・カサリエゴ、ハイメ・マルケス
 製作 :エンリケ・ロペス=ラビニュ他
 製作総指揮:ヘスス・デ・ラ・ベガ他
 撮影 :エンリケ・シャディアック
 音楽 :ロケ・バニョス
 出演 :クライヴ・オーウェン  (ジョン・ファロウ)
     エラ・パーネル     (ミア・ファロウ)
     カリス・ファン・ハウテン(スザンナ・ファロウ)
     ピラール・ロペス・デ・アジャラ(ルイサ)
     イサン・コルチェロ   (フアン)
     ダニエル・ブリュール  (アントニオ神父)

解説:
人とも悪霊とも判らない謎の侵入者の恐怖に怯える少女と家族の過酷な運命を描いた、新感覚のホラー・サスペンス。『28週後...』のフアン・カルロス・フレスナディージョ監督が、謎の侵入者“顔なし怪人”の恐怖に脅かされる家族の運命を緊迫感たっぷりに描いたホラー・サスペンス。クライヴ・オーウェンが、謎の侵入者から娘を守ろうとする愛情深い父親を熱演。“顔なし怪人”の正体、また襲われる2人の子ども同士にはどんな関係性があるのか?不穏な雰囲気を漂わせ、謎を秘めたまま展開する物語から目が離せない!

あらすじ:
ジョンの娘ミアは、祖父母の家の近くにある木の穴から“顔なし怪人”の物語を書き留めた古いメモを発見する。しばらくして身の回りに不気味な気配を感じるようになったミア。ある夜、彼女の部屋に“顔なし怪人”が突然現れ、間一髪のところでジョンはミアを救出する。しかし彼女は、恐怖のあまり喋れなくなってしまう。そして、“顔なし怪人”は別の土地でも、母と2人暮らしの少年フアンの前に現れ、彼らを恐怖に陥れていた-
 (スターチャンネル)



顔なし怪人は誰かの声で目覚めました
長い時を経て自由になったのです
若くも年寄りでも 醜くも美しくもない
形もなく顔すらもありませんでした
自分に似た顔の少年を捜し出さなければ・・・
顔が必要なのです

ある夜、ついに盗むべき顔を見つけました
窓の外をのぞく小さな男の子です
怪人はその顔を何よりも欲しいと願います
顔がないと何もないと同じ

怪人は少年の顔を盗む計画を立てます
それは少年のように愛されたいから・・・


Intruders_11物語が大好きな少年フアン。
創るのも上手で母親に聞かせていたりしていたが、ある夜の出来事から暗闇が怖くなり眠れなくなってしまう。最初は「お化けなんていないのよ」と諭していた母親だったが、母親自身も精神的に不安定になり、神父の元へ相談へ行くことに。何があったのか決して話そうとしない親子に、原因がわからなければ助けることは出来ないと困る神父。
結局、この母と息子は何の解決策も見つけられないまま教会を後にする-


Intruders_07ところ変わって、12歳の少女ミア。
祖父母の家に立つ古い大きな木の穴から、小さな箱に入った古いメモを見つける。そこには“顔なし怪人”の物語が途中まで書かれていた。
気になったミアは自分のノートに写し取り、続きを創作し始めるが、その頃より暗闇に何かいる気配が感じられるようになる。怖くて眠れないと両親に相談しても、「お化けなんていない。大丈夫だよ」と相手にされないミア。
しかし、ある夜、目に見えないソレはフードを被った男の姿でとうとうミアの部屋に現れミアを捕まえる。異様な物音に気付いた父親ジョンが男を撃退、事なきを得るが、警察を呼ぶ騒動にミアはショックでしゃべれなくなってしまった。

Intruders_19侵入者は同じところには来ないから大丈夫だと警察に言われた両親だったが、娘のために防犯装置を設置、とりあえず安心と胸をなでおろす。
しかしこれで日常に戻れると思われた矢先、同じフードの男がミアの部屋に侵入、またもやミアが捕まった。気付いた父親はなんとか撃退するが、部屋に取り付けられていた監視カメラには男の姿はなく、一人で格闘する父親だけが映っていたのだった。

確かに男を見て、触れもしたジョンとミア。2人は同時に幻を見たのだろうか?
ミアはこの後からますます状態が悪くなり、痙攣さえ起こすようになる。父親ジョンは男の正体を暴くため、昔住んでいた家に向かうが-




家庭では子供のしつけのために結構コワイお話を語って聞かせることがある。
“鬼”や“○○マン”はもちろん、心温まるはずの童話「グリム童話」や「アンデルセン」なんかも実はその類い。こんなお話を聞かせられたら一人で寝られなくなるのも当たり前だと感じるが、海外では小さな頃から子供は子供部屋をもらい一人で眠らされる家庭も多いようだ。


Intruders_08本作は、そんな可愛そうな独り寝の子供達のお話で始まる。
照明を消された暗い部屋。その暗闇の中の更に真っ暗な闇の中にうごめく何か。そのモヤモヤした何かが形を取り始め、次第にヒトの形になり、フードを被った“顔なし怪人”へと姿を変え現れる。襲ってくる怪人は子供の顔を狙っている。「ママー!!」思わず叫ぶ少年フアン。

しかし、この怪人。
おどろおどろしいお話に出てくる割に、今風のナイロン製カッパを着ている。フードを被り顔は見えないが、本当に顔は無いのか?これは悪霊なのか、それとも実在する子供さらいの悪い人間なのか。そしてソレが見えるのは、フアンとミア、ジョンの3人だけ。この3人を結ぶ恐怖の原因、トラウマとは?


この作品は日本では未公開。
けれども子供の頃に感じた部屋の暗闇の“何か”を思い出させてくれる、ある意味懐かしい感じもする良作ホラー。その“何か”の正体は思い出した方がいいのか、思い出さない方がいいのかは、人それぞれですねー。
ではまた





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『残酷メルヘン 親指トムの冒険』(2010) - Le Petit Poucet -

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民話「親指トム」はグリム兄弟やイギリスのJ・ジェイコブズなどが再話しており、いくつかのバージョンがあるが、今回は17世紀のフランス詩人シャルル・ペロー版を映画化。原作の残酷描写や性描写もそのまま取り入れられ、子供向けというよりも大人向けなものになっている。

Le Petit Poucet_00■残酷メルヘン 親指トムの冒険 - Le Petit Poucet -■
 2010年/フランス/81分
 監督 :マリナ・ド・バン
 脚本 :マリナ・ド・バン
 原作 :シャルル・ペロー
 製作 :シルベット・フリードマン他
 出演 :ドニ・ラヴァン    (人喰い鬼)
     アドリアン・ド・バン
     レイチェル・アルディティ
     バレリー・ダッシュウッド
     イリアン・カラバー

解説:
「赤ずきん」「眠れる森の美女」などで知られるフランスの詩人シャルル・ペローがまとめた童話「親指トム」を、原作の残酷描写もそのままに映像化したダーク・ファンタジー。監督は、フランソワ・オゾン監督作『8人の女たち』『まぼろし』にて、オゾン監督と共に脚本を担当したマリナ・ドゥ・ヴァン。

あらすじ:
飢餓と貧困にあえぐ17世紀ヨーロッパ、5人兄弟の末っ子で親指トムと呼ばれた少年は、貧しさから両親に兄弟と一緒に森の奥に捨てられてしまう。森の中をさまよう彼らは、偶然にも人食い鬼と娘たちが暮らす屋敷を見つけ、娘たちの部屋に泊めてもらうことに。しかしその夜、トムは部屋の中にただならぬ気配を感じ-
 (シネマトゥデイ)




童話「親指トム」に何種類かのバージョンがあるとは知らずに大人になった管理人が調べたところ、元々が民間伝承のお話なので、それらをまとめて本にした人によって少しずつ違うんですね。
グリム版は日本の「一寸法師」に似ていて、小さな身体を使って冒険し、最後に親元へ帰って来るというお話。ジェイコブズ版は「桃太郎」にも似ていて鬼退治の後、アーサー王の家来になって冒険していくお話。
そして本作シャルル・ペロー版を映画化したお話は-

17世紀ヨーロッパ。木こりの父親、母親と暮らす5人兄弟の末っ子、小さくやせっぽちのトムは動物や小さな昆虫までもの命を大事にする利口な子供。家族は慎ましく仲良く暮らしていた。
Le Petit Poucet_10しかし作物が出来ずに大飢饉になったその年、いもの欠片などを分け合って何とか飢えをしのいでいたが、とうとう両親は子供を森に連れて行き置き去りにすることを決める。両親の様子からそれをいち早く察したトムは、川で白い石を拾っておき、森の中で迷子にならないようにその石を置いて歩いた。そのおかげで一度は助かった兄弟達だったが、二度目、森に入ったときに置いたのは貴重なパンくず。パンくずは置いたとたんにカラスに食べられていき、迷子になってしまった5人の兄弟。森の中をさまよい歩き、一軒の大きな屋敷にたどり着く。

Le Petit Poucet_07奥さんに頼み込んでなんとか家に入れてもらった兄弟達だったが、この屋敷は人喰い鬼の家だった。そこへ狩りから帰ってきた主の人喰い鬼。見つかれば食べられてしまうと隠れたが、鼻のきく鬼に見つかってしまう。早々に5人を食べようと舌なめずりをする鬼と5人の娘達。奥さんは機転を利かして「もっと太らせて次の日曜のごちそうにしよう」と主人に提案。承知した鬼だったが、その夜、我慢が出来ずに娘達の部屋で眠っている5人のところにナイフを持ってやって来る-


シャルル・ペロー版の本作では「利口なトムと愚鈍な他の兄弟」が対比されている他にも、トムと両親、トムと人喰い鬼、5人兄弟と人喰い鬼の5人娘、など、それぞれの立ち位置がはっきりしていて、トム一人の冒険ものである他のバージョンに比べると、より身近でより残酷なお話に感じられる。物語を通じてどんどん利口になっていくトムに比べて、その他の登場人物はお馬鹿さんのままであることも面白い。
トムの両親は兄弟を森に置き去りにするが、すぐに「(この飢饉が去って)落ち着いたら、また子供を作ればいいし・・」などと鬼畜な事を言っている。「おぉい!また飢饉がきらたどうするんだ!?」と思わず突っ込む管理人。
人喰い鬼夫婦は同じ部屋に5人の娘と5人の兄弟を寝かせたが、「これ、いいの?」と思っていると鬼がこっそり入ってくる。そして真っ直ぐ白い帽子の兄弟のところへ行きナイフを振りかざす。それも次々、5人ともに。娘だというのに...。
「ちょっと、いくらよだれで口元がベタベタになっていたとしても、目は見えるだろ?よくきく鼻はどうした?」とまたしても童話に突っ込む管理人。まー、このあたりが子供に読み聞かせるしつけ童話たる所以でしょうが、なんかちょっと下卑た感じですね。ホントに子供に聞かせていいんでしょうか..?
Le Petit Poucet_02 Le Petit Poucet_03 Le Petit Poucet_09

他にも娘の「肉付皮膚」をプレゼントにもらって喜んで食す鬼やら、男の子達を舌なめずりしながら眺め回す5人の娘など見所はいっぱい。鬼畜な人に天罰が下るというオチもしっかり入っています。これで、すっきり、気持ちよく眠ることが出来ると思いきや、最後の場面でまた気分が悪くなるという大どんでん返し付。
これは、やっぱり大人向けですね。
ではまた

シャルル・ペロー
ChPerraultフランスの詩人。日本では『ペロー童話集』の作者として有名。
1628年にパリのブルジョワ階級の家庭に生まれる。1651年、オルレアン大学で法学の学位を取得し弁護士となるが、二度弁護しただけでその職に再び戻ることはなかった。1671年にはアカデミー・フランセーズ会員に選出される。コルベールに認められ、ルイ14世に仕えた。

■著作物
 ・グリゼリディス(Griselidis)
 ・おろかな願い(Les Souhaits ridicules)
 ・ロバの皮 (Peau d'Âne)
 ・赤ずきん(Le Petit Chaperon rouge)
 ・長靴をはいた猫(Le Chat botté)
 ・青ひげ(La Barbe Bleue)
 ・眠りの森の美女(La Belle au bois dormant)
 ・仙女たち(Les Fées)
 ・シンデレラ (Cendrillon, ou la Petite Pantoufle de verre)
 ・巻き毛のリケ(Riquet à La houppe)
 ・親指小僧・親指太郎(Le Petit Poucet)







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『ラブリー・モリー』(2011) - Lovely Molly -

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両親、とりわけ父親と何か事情がある姉妹。両親とも亡くなり、しばらく空き家になっていた実家に夫と移り住んだ妹モリーは、その古い屋敷にうごめく得体の知れないものに脅され支配されていく。その得体の知れないものとは、家に住み着く何かなのか、亡き父親の亡霊なのか、それともモリー自身が生み出した何かなのか-

Lovely Molly_30
■ラブリー・モリー - Lovely Molly -■
 2011年/アメリカ/99分
 監督 :エドゥアルド・サンチェス
 原案 :ジェイミー・ナッシュ
 脚本 :エドゥアルド・サンチェス
 出演 :グレッチェン・ロッジ   (モリー)
     ジョニー・ルイス     (ティム)
     アレクサンドラ・ホールデン(ハンナ)

解説:
 「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」のエドゥアルド・サンチェスが監督・脚本を務めたホラー作品。出演は「-less [レス]」のアレクサンドラ・ホールデンと「ワン・ミス・コール」「ランナウェイズ」のジョニー・ルイス。古い一軒家で暮らすことになった主人公が、見えない存在に翻弄され精神のバランスを崩していく姿を描く。2012年8月11日~31日開催の“渋谷ミッドナイト・マッドネス2012”で上映された。
 (allcinema)

あらすじ:
新婚のモリーとティムは空き家となって久しいモリーの実家に移り住むが、その夜から奇妙な物音に怯える生活が始まる。トラック運転手のティムは家を空けることが多く、怖い夜を一人で絶えていたモリーだったが、奇妙な物音はやがて明確な音となり、得体の知れないそれは、扉をたたきモリーの名を呼ぶようになる-





Lovely Molly_09幸せいっぱいのティムとモリーのカップル。
2人は築100年は経とうかというモリーの実家に移り住んだ。この家はモリーが幼い頃に両親、姉と住んでいた屋敷。母、父と順に亡くなり、しばらく空き家になっていた。ティムは長距離トラックの運転手で家を空けることが多い。モリーは住み慣れたこの家で、穏やかにティムの帰りを待つはずだったが、ある夜、閉めたはずの勝手口が開けられ警報装置が作動する。警官に来てもらったが、特に侵入者はおらず、きちんと閉まっていなかったのだろうということに。訝しながらもティムはモリーを置いて仕事に出た。

Lovely Molly_02そして、その夜から、一人になったモリーをからかうかのように、正体の知れない何かがモリーを弄ぶ。最初はモリーの名を呼ぶ声、足音、そしてドアをたたく音からこじ開けようとする大きな音へ。モリーは1年前の結婚式でも使ったビデオカメラで何とかその何者かの姿を撮ろうとする。

そんなモリーを心配する夫ティムと姉ハンナ。しかしモリーが聞こえ見えるモノは2人には聞こえず見えない。ますます常軌を逸した行動を取るモリーは、とうとうやめたはずのクスリにまでも溺れていく。しかしそれは現実から逃避出来ないばかりか、得体の知れないソレにどんどん追い詰められ、ますます近づくことを助けることになっただけだった-。


Lovely Molly_08家に憑く何かに怯えるよくあるホラーだと思って観始めたこの作品。何か、ちょっと受ける感じが違う。
この家はモリー姉妹が昔住んでいた屋敷で、以前2人に何かよくないことが起こっており、2人には悪い思い出の場所。それも、そのよくないことに関わっていたのが実の父親らしい。このあたりは詳しく語られず、父親専用の椅子、怯える少女、逃げ込む客間、クローゼットに隠れる少女等々、子供の時の記憶が断片的に出てくるだけ。母親はおそらく自殺しており、父親が亡くなった時も警察沙汰であったらしいということしかわからない。
「よく、ここに帰ってくる気になったね」と姉に言われても何も答えないモリー。
そのモリーがティムの居ない間に、地下にある奇妙な紋章の付いたものを探したり、長く使われていなかった父親の椅子のカバーをはずしたりした頃から、徐々に、そして明確にその存在をアピールし出す何か。モリーは怖がりながらも、自分の家においでと言う姉の申し出にも応じず、その家に居続ける。
そして、かつてこの家で行われ、隠され続けてきた恐ろしいことを発見し、現在この家に住んでいる者の隠された企みを暴き出す。そしてついには自らも恐ろしい行動をとり、ソレに囚われてしまうという、内に潜む悪魔とその末路といった物語になっている。

Lovely Molly_13悪魔は、この家に取り憑いていたのでは無く、人間がその行動により生み出したモノ。その行動とは理由があるにせよ、自分勝手で自己中心的で、非人間的な恐ろしい行いだ。それによって生み出された悪魔は物音をたて、次第に形をとり姿を見せる。思えば、子供の頃に脅かされていた悪魔は父親が生み出したモノで、夫婦で住み始めて出現したモノは彼が生み出した悪魔。そして最後に出てくるのはモリー自身が生み出したモノだろうか。姉の不幸そうな感じは、心に悪魔が住み着いてしまったからだろう。
最初のシーンで「何が起きても自分のせいじゃないから」と言うモリーは、取り憑かれているというより悪魔そのもの。
“モリー、愛するモリー”と呼びかけるのは悪魔ではなく、モリー自身なのだ。

ではまた




  

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『推理作家ポー 最期の5日間』(2012) - The Raven -

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文筆業のみを生業としたアメリカ初の作家エドガー・アラン・ポー。その死の真相は謎に包まれており、死因とそれにいたる経過は26もの説があるとされているが、本作では亡くなるまでの最期の5日間を愛のために生きた男としてポーを描く。切り裂きジャックを題材にした『フロム・ヘル(2001/ジョニー・デップ主演)』に似た雰囲気を持つ本作は、子供の頃読んだシャーロック・ホームズなどの懐かしい推理小説を思い出させた。

The Raven_002
■推理作家ポー 最期の5日間 - The Raven -■
 2012年/アメリカ/110分
 監督 :ジェームズ・マクティーグ
 脚本 :ハンナ・シェイクスピア、ベン・リヴィングストン
 製作 :アーロン・ライダー他
 製作総指揮:グレン・バスナー他
 撮影 :ダニー・ルールマン
 音楽 :ルーカス・ビダル
 出演 :ジョン・キューザック(エドガー・アラン・ポー)
     ルーク・エヴァンス(フィールズ刑事)
     アリス・イヴ(エミリー・ハミルトン)
     ブレンダン・グリーソン(ハミルトン大尉)
     ケヴィン・マクナリー(マドックス編集長)
     オリヴァー・ジャクソン=コーエン(カントレル巡査)
     サム・ヘイゼルダイン(アイヴァン)

解説:
世界初の推理小説家とも言われる偉大なる作家にして詩人のエドガー・アラン・ポー。40歳の若さで亡くなったその死には今なお多くの謎が残され、様々な議論の的となっている。本作はそんなポーの謎に包まれた最期の日々に焦点を当て、彼が自身の小説を模倣する猟奇殺人鬼との壮絶な頭脳戦を繰り広げていたという大胆な着想で描くゴシック・テイストのサスペンス・ミステリー。主演は「ハイ・フィデリティ」「1408号室」のジョン・キューザック、共演にルーク・エヴァンス、アリス・イヴ。監督は「Vフォー・ヴェンデッタ」のジェームズ・マクティーグ。

あらすじ:
1849年、アメリカ合衆国ボルティモア。ある夜、密室で母娘が犠牲となる凄惨な猟奇殺人事件が発生する。現場に駆けつけたフィールズ刑事は、それが数年前に出版されたエドガー・アラン・ポーの推理小説『モルグ街の殺人』の模倣であることに気づく。ほどなく第2の模倣殺人が起こり、フィールズ刑事はポーに捜査への協力を要請。ところが今度は、ポーの恋人で地元名士の令嬢エミリーが、彼女の誕生日を祝う仮面舞踏会の会場から忽然とさらわれてしまう。しかも犯人はポーに対し、一連の事件を小説にして新聞に掲載すれば、今後出てくる死体にエミリーの居場所のヒントを残してあげようと戦慄の挑戦状も用意していた。為す術なく、犯人の要求に従い原稿を書くポーだったが-
 (allcinema)




アパートの一室から響き渡る女性の悲鳴。警官隊がかけつけるも時すでに遅く、母親と思われる女性は首がほとんど切り離された状態で横たわり、娘は首を絞められた上、煙突に逆さまに突っ込まれていた。ドアは鍵が中からかけられ、窓は釘で打ち付けられている密室殺人。警官が到着するまで中にいた犯人はいったいどこへ?


The Raven_032以上はポー1841年発表の短編推理小説「モルグ街の殺人」の冒頭だ。
密室殺人を扱った最初の推理小説とも言われている「モルグ街の殺人」ではこの謎を追うのは素人探偵C・オーギュスト・デュパンだが、本作ではフィールズ刑事が担当する。どこかで読んだような事件だと気付いたフィールズは、それがエドガー・アラン・ポー「モルグ街の殺人」であることに気付く。さっそくポーを引っ立て尋問しようとするも、当のポーは飲んだくれのへべれけだった..。しかしこの殺人事件は始まりに過ぎず、ポーを相手に困惑するフィールズの元へ第2の事件の報告が入る。

The Pit and the Pendulum睡魔に襲われた語り手が再び気を失い、また意識を取り戻すと、牢獄内にはわずかに明かりがともって周囲が見渡せるようになっていたが、しかし語り手は木の台に仰向けに縛り付けられてほとんど身動きが取れなくなっていた。
語り手の頭上には「時の翁」を描いた天井画があったが、しかしよく見ると普通「時の翁」が持っているはずの大鎌がなく、その代わりに先が鎌の形になった巨大な振り子を吊るしていた。そして振り子は前後に振幅しながら、縛り付けられている語り手の心臓めがけてゆっくりと降りてきた。

落とし穴と振り子



The Raven_037第2の殺人はますます猟奇性を帯び、またもやポーの作品「落とし穴と振り子」を模したものであったことから、フィールズは一転、ポーに捜査協力を依頼する。
この被害者には奇妙な赤い面が被せられており、その内側に「われわれ人間は夢と同じもので織りなされている」という一文が。この文がシェイクスピア作「テンペスト」に登場する魔法使いプロスペローの台詞だと分かったポー。そしてプロスペローとは自身の作品「赤死病の仮面」に登場する王の名であることから、次の惨劇の場所は舞踏会であると推理。折しもポーの秘密の恋人エミリーの父親ハミルトン大尉が開く、年に一度の仮面舞踏会が開かれようとしていた。

The Raven_022事情を説明しハミルトン大尉に舞踏会の中止を願い出たフィールズとポーだったが、舞踏会は予定通り開催。多くの警備員や警官も仮面を付け客の間に紛れたが、そこへ馬に乗った男が乱入、会場は騒然となる。
男を取り押さえ、これで一件落着と思いきや、男は犯人に雇われた陽動作戦のためのもの。その騒ぎの間にポーの大事な恋人エミリーがさらわれた。エミリーの行方と犯人を必死で追う2人を笑うかのように、ポーの作品を模したかのような殺人もやまない。その現場に残される犯人からのメッセージを頼りに、エミリーを探すポーと警察であったが-




本作は上の3作品の他にも「マリー・ロジェの謎」「ヴァルドマアル氏の病症の真相」「アモンティリヤアドの酒樽」「早すぎた埋葬」「黒猫」など多くのポーの作品が絡められ、それは新たなる殺人であったり、犯人の残した手がかりであったりしながら物語が進んでいき、犯人とエミリーに近づいていく。(Wiki:エドガー・アラン・ポー

The Raven_020エドガー・アラン・ポーは残された肖像画や逸話などから、神経質で随分ひねくれた変わり者の印象があるが、これらはポーが亡くなった後、ポーのライバルによる印象操作であったらしく、実際は人々に愛された心優しい男であったということだ。
本作でのポーはというと、飲んだくれの酒浸りな情けない男として登場するが、それは愛妻を亡くし悲しみのどん底からなかなか抜けられない様子を描いている。しかし新しい恋人エミリーの存在により、少しずつ上向こうとするポー。そこに起きたエミリーの誘拐は、ポーの生命の源を抜き取られたと同じで、ポーは命をかけて犯人を追い詰め、エミリー救出に全力をかける。

タイトル通り、これはポーの「最期の5日間」の話であり死ぬ運命は変えられないが、ポーの死の謎で言われているような“受動的”な死ではなく、愛する者のための“能動的”な死であったことが唯一の救いであったかもしれない。本作を観終わった後は、今まで感じてきた“陰鬱な男ポー”のイメージが“愛に生きた男ポー”に変わるのを実感できるかも。

VirginiaPoe原題は『The Raven』。1845年に発表されたポーの物語詩であり、意味は“大鴉(おおがらす:北半球に分布するワタリガラスの一種)”。詩の内容はWikiで確認してもらうとして、ポーはこの詩「大鴉」で有名になり人々にその名を広く知られるようになった。あらゆるところで掲載、模倣され、ポーに「大鴉」というニックネームさえ付いた。
ポーのそれまで発表された短編などは、特にヨーロッパでも大人気でポーの名を有名にしていたが、当時は著作権という観念が今ほど無く、自由勝手に何度も掲載、出版されていたためポーに印税などのお金は入らなく、ポーはいつもいつも極貧生活だった。
 -そして1847年、最愛の妻ヴァージニアが亡くなる。

本作になぜこのタイトル『大鴉』を付けたのか。
作中、大鴉が唯一しゃべる「Nevermore(二度とない)」という言葉。ポーは愛する恋人エミリーが出来た後も、結局は人生に全く希望を持てない様子で、全てになげやりにさえ見える。ポーの幸せはヴァージニアと共に去り、もう幸せは「Nevermore(二度とない)」。そして人のために自分の命を差し出したポーは二度と帰らない人となった。
ではまた

The Raven_01s

エドガー・アラン・ポーについてはこちらの記事もご参照ください。→『世にも怪奇な物語』






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『コナン・ザ・バーバリアン』(2011) - Conan the Barbarian -

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アーノルド・シュワルツェネッガーの『コナン・ザ・グレート』が結構好きで何度も観ていた管理人momorex。これもリメイクかー、、と思いつつも鑑賞することに。話がなんか違うな、と思いながらもジェイソン・モモアのカッコよさと妖術使いマリークの妖しさにぐいぐい引き込まれ。これ、リメイクじゃなくて再度の映画化だったんですねー。無理、無駄の無い身体を張ったアクション映画に、2時間単純に楽しめたぞ。

Conan the Barbarian_00■コナン・ザ・バーバリアン - Conan the Barbarian -■
 2011年/アメリカ/112分
 監督 :マーカス・ニスペル
 脚本 :トーマス・ディーン・ドネリー他
 原作 :ロバート・E・ハワード
     「英雄コナンシリーズ」
 製作 :フレドリク・マルンベリ他
 製作総指揮:フレデリック・U・フィアースト他
 撮影 :トーマス・クロス
 音楽 :タイラー・ベイツ
 出演 :ジェイソン・モモア(コナン)
     レイチェル・ニコルズ(タマラ)
     スティーヴン・ラング(カラー・ジム)
     ローズ・マッゴーワン(マリーク)
     ボブ・サップ(ウカファ)
     ロン・パールマン(コリン)
     サイード・タグマウイ(エラ・シャン)

解説:
アーノルド・シュワルツェネッガー主演の「コナン・ザ・グレート」でも知られるロバート・E・ハワードが生み出した伝説のヒーローを「スターゲイト:アトランティス」のジェイソン・モモア主演で映画化したアクション・アドベンチャー。幼き頃に父を惨殺された主人公の壮絶な復讐の旅路を、ハードなアクション満載で描き出す。監督はリメイク版「13日の金曜日」のマーカス・ニスペル。

あらすじ:
妖術が猛威を振るい、各種族が戦いに明け暮れる混沌の先史時代。女戦士である母の死と引き替えに戦場で生を受けた男児コナン。11歳となった彼は、地獄の力を得るために必要な古代王の骨の破片を探すアケロン族の騎士カラー・ジムによって父を目の前で惨殺される。20年後、逞しい戦士へと成長したコナンは、仇敵カラーへの復讐に執念を燃やしていた。一方カラーは、地獄の力を復活させる儀式に欠かせないある女を追っていた。やがて、その女を囮にカラーをおびき出すコナンだったが-
 (allcinema)




Conan the Barbarian_21むかーし、むかし、古代の王の骨片で作られた呪われた仮面があった。この仮面は地獄と繋がっており、これを手に入れた者には地獄の力が宿って世界の覇王になれると言われていた。しかしあまりにも罪深いその邪悪な力に恐れおののいた各部族の長達は、これを破壊、ばらばらにした骨を一つずつ持ち帰り隠した。

それでも絶えない戦に次ぐ戦の時代。部族を潰し、この骨を一つずつ集めて力を手中に収めようとする男カラー・ジムがいた。カラーの目的は一つ。この仮面を使って世界を手に入れ、死んだ妖術使いの妻を蘇らせることだった。

Conan the Barbarian_06戦中に戦う母から生まれたコナン。精神的にも肉体的にも強くたくましく育ったが、11歳のある日、カラーが骨を求めてやって来る。コナンの父であり部族の長であるコリンは抵抗したが、母親と同じ妖術使いのカラーの娘マリークに骨を発見され奪われる。そして父を含むコナンの部族は皆殺しに。助かったコナンは、まだ見ぬ世界に一人旅立つ。いつかカラーに復讐することを誓って。
一方、全ての骨を集めたカラーに必要なものは、あと一つ。仮面に力を吹き込む最後のパーツ“純血を守る女の血”のみとなった。


2011年版『コナン・ザ・バーバリアン』はこんな感じで始まりますよ。
シュワルツェネッガー版では奴隷として捕まったコナンが、毎日毎日大人になるまでぐるぐると部品の棒(何か名前があるかも、、思い出せない)を回し続け、そのおかげでかすごくマッチョになっていたのが印象的だったが、2011年版では襲撃してきたカラーから逃れ、世界を旅する。海賊のようになって仲間と暴れ回っている先で、少年時代に目撃したカラーに繋がる人物を発見。ここからカラーへの復讐に燃える男に変身する。

Conan the Barbarian_122011年版コナンを演じたジェイソン・モモア
ハワイ出身の彼は、その大きく逞しい身体で暴れまくり、(剣というより)ソードを自由自在に操って敵をバッタバッタとなぎ倒す。画像では怖い顔をしてますが、優しげな甘いマスクも得意技。本作のキーパーソンであるタマラをも手中に。

ジェイソン・モモアはアメリカドラマ「スターゲイト:アトランティス」に出演後、管理人momorexが毎週楽しみに見ている「ゲーム・オブ・スローンズ」で、(実は愛情あふれる)野卑な王ドロゴを演じている。最新作はウォルター・ヒル監督、スタローン主演『バレット』。2013年6月公開だそうです。
筋肉マッチョはちょっと苦手な管理人ですが、このジェイソン・モモア氏はシュワルツェネッガーに次ぐ気になるマッチョ第2号になりそう。
Conan the Barbarian_31管理人の趣味でもう1枚。「ゲーム・オブ・スローンズ」より


Conan the Barbarian_53本作の敵は世界を手中に収めようと企むカラー・ジム。
シュワルツェネッガー版と比較すると、ちょっとインパクトに欠けるかも。シュワルツェネッガー版のタルサ・ドゥーム(ジェームズ・アール・ジョーンズ)と紋章の“蛇”はものすごく印象的。無口なつるんとした黒い顔、存在感のあるごつい身体と声、それになんと言ってもその表情は邪悪な蛇そのもの。
コナン少年じゃなくてもびびりまくってしまいます。

Conan the Barbarian_05しかし、本作でいいのはジェイソン・モモアだけじゃない!カラーの娘、妖術使いマリークのイヤらしさも、なかなか秀逸。その眉毛の無さも相まって強くて不気味でまるで蛇の化身のよう。右手に付けているフレディ・クルーガーとおそろのような鉤爪で女性を突いて血を味見したりします。

演じているのはローズ・マッゴーワン。『スクリーム(1996)』「チャームド~魔女3姉妹~」の他にあの『プラネット・テラー in グラインドハウス(2007)』では片足が機関銃になって出演。マリリン・マンソンやロバート・ロドリゲスと婚約していたこともある(どちらも解消)。すごいお姉さんだ。

他にもこんな人が
Conan the Barbarian_26
左:ボブ・サップ 中:ロン・パールマン(コナンの父) 右:スティーヴン・ラング(カラー)

なぜ今コナン?B級アクション?と思われそうな本作だが、そのアクションにも無理、無駄がなく、ファンタジー要素も入っており、“何も考えずに現実逃避”したい時に観るには充分答えてくれる作品だ。
映画化としてはこの作品で「再起動」とあるので、もしかしたら続編があるのかも。
ではまた

原作「英雄コナン」

Conan the Barbarian_521932年からロバート・E・ハワード(一部作品はディ=キャンプ、ビョルン・ニューベリイらの補作)により著されたヒロイック・ファンタジーのシリーズであり、その主人公である。本シリーズは、典型的なヒロイック・ファンタジーの先駆けとなった。

ハワードの書いた「コナン」物語は全部で21篇で、その他、梗概にとどまるものと未完の草稿が5篇あるとされる。完成作のうち17篇は『ウィアード・テールズ』誌に発表され、残る4篇のうち3篇は1950年代に発見されて大幅加筆のうえ発表、1960年代に発見された最後の1篇は原作のまま発表された。
「コナン」には模倣作品や加筆作品がきわめて多く、未完の草稿を完成品に仕立てたもの、コナン以外のハワード作品の主人公をコナンに変えてしまったものや、まったくの模倣作品にいたるまで、数十篇を数える。原因としては、コナンの物語が年代順に書かれていないことと、物語の間の空白期間が長いことがあり、その間を埋めようとするファン心理が模倣を産むと考えられている。

■ウィアード・テールズ誌掲載作 
・「不死鳥の剣」 "The Phoenix on the Sword" (1932/12)
・「真紅の城砦」 "The Scarlet Citadel" (1933/1)
・「象の塔」 "The Tower of the Elephant" (1933/3)
・「黒い怪獣」 "Black Colossus" (1933/6)
・「忍びよる影」 "The Slithering Shadow" (1933/9)
・「黒魔の泉」 "The Pool of the Black One" (1933/10)
・「館のうちの凶漢たち」 "Rogues in the House" (1934/1)
・「月下の影」 "Shadows in the Moonlight" (1934/4)
・「黒い海岸の女王」 "Queen of the Black Coast" (1934/5)
・「鋼鉄の悪魔」 "The Devil in Iron" (1934/8)
・「黒い予言者」 "The People of the Black Circle" (1934/9-11)
・「魔女誕生」 "A Witch Shall be Born" (1934/12)
・「古代王国の秘宝」 "Jewels of Gwahlur" (1935/3)
・「黒河を越えて」 "Beyond the Black River" (1935/5-6)
・「ザムボウラの影」 "Shadows in Zamboula" (1935/11)
・「竜の刻」 "The Hour of the Dragon" (1935/12-1936/4)
・「赤い釘」 "Red Nails" (1936/7-10)

■東京創元社版(新訂版コナン全集)
 1.「黒い海岸の女王」(2006年10月27日)
 2.「魔女誕生」(2006年12月15日)
 3.「黒い予言者」(2007年3月23日)
 4.「黒河を越えて」(2007年7月13日)
 5.「真紅の城砦」(2009年3月27日)
 6.「龍の刻」 (刊行予定)







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『地獄の逃避行』(1973) - Badlands -

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全ての物事には終わりがある。あんなに長く感じた学生時代も、可愛がっていたペットの命も、死ぬまで続くと信じていた友情も、大事にしていたコップさえ割れた。そして砂漠に続くこの道も-
不毛の地を砂舞い上げ走るキャデラック。このアンバランスさは、そのまま2人の関係、2人のその後を表している。

Badlands_00■地獄の逃避行 - Badlands -■ 1973年/アメリカ/95分

 監督   :テレンス・マリック
 脚本   :テレンス・マリック
 製作   :テレンス・マリック
 製作総指揮:エドワード・R・プレスマン
 撮影   :ブライアン・プロビン他
 音楽   :ジェームズ・テイラー他
 出演   :マーティン・シーン (キット)
       シシー・スペイセク (ホリー)
       ウォーレン・オーツ (ホリーの父親)

解説:
実話を基に、次々と殺人事件を起こしながら逃亡する若い男女の逃走を抒情的に描写。映像の詩人、鬼才T・マリック監督(「ツリー・オブ・ライフ」)の伝説的デビュー作。
日本で劇場未公開なのが信じられない傑作。1958年に起きたスタークウェザー=フューゲート殺人事件を基に、マリック監督自身が脚本を執筆。繊細な映像とモノローグを積み重ねる、詩情豊かなスタイルをすでに本作で確立していた。米「タイム」誌は本作を1970年代ベストテンの1本に選出。また、歌手ブルース・スプリングスティーンが本作に影響されて名曲「ネブラスカ」を歌ったのも知る人ぞ知る逸話。後に「地獄の黙示録」へ出演するM・シーンと「キャリー」に出演するS・スペイセクのコンビも若々しい。

あらすじ:
サウスダコタ州。15歳の少女ホリーはゴミ収集の仕事をしている25歳の青年キットと出会って、2人は恋に落ちる。しかし、キットは娘との交際を禁じたホリーの父親を銃で射殺すると、ホリーを連れてあてのない逃避行へ出発する。モンタナに向かうキットとホリーだが、自分たちの身に危険が迫る度にキットは次々に殺人を繰り返していく。2人は入手した自動車に乗ると目的地に急ぐが、ホリーの心境に変化が-
 (WOWOW)


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『フレイルティー/妄執』(2001) - Frailty -

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ビル・パクストン監督作。互いに寄り添う家族の物語で始まりながら、狂ったとしか思えない父親の突然の凶行になすすべも無い少年を取り巻く地獄。父親は単なるサイコなのか、それとも超常現象が本当に起きたのか。次々続くサスペンスで盛り上げ、最後に全てを明かして観る者をきちんと着地させるストーリー。マシュー・マコノヒー出演の作品ではこれが一番好きかも。

Frailty_00■フレイルティー/妄執 - Frailty -■
 2001年/アメリカ/100分
 監督 :ビル・パクストン
 脚本 :ブレント・ヘンリー
 製作 :フデヴィッド・カーシュナー 他
 製作総指揮:トム・オーテンバーグ 他
 撮影 :ビル・バトラー
 音楽 :ブライアン・タイラー
 出演 :ビル・パクストン(フェントンの父)
     マシュー・マコノヒー(フェントン)
     マット・オリアリー(フェントン子供時代)
     ジェレミー・サンプター(アダム   〃  )
     パワーズ・ブース(ドイル捜査官)
     ルーク・アスキュー(スモール保安官)

解説:
「ツイスター」「シンプル・プラン」の俳優ビル・パクストンが初めてメガホンをとったサスペンス・ホラー。低予算で製作され、目に見えない心理的な恐怖を描いた本作は、2001年にアメリカの小さな映画祭に出品されて評判となり、やがて大物映画監督たちの賞賛も集めて次第に公開規模を拡大していった。
 (allcinema)

あらすじ:
全米を震撼させているテキサスの連続殺人“神の手殺人事件”。難航している捜査を担当するFBIドイルのもとへ、ある嵐の夜、犯人を知っているという男フェントン・ミークスが訪ねてくる。犯人は弟だと言うフェントンに、どうせいつもの勘違いだろうと最初は適当に話を聞いていたドイルだったが、フェントン兄弟の少年時代に、兄弟の父親が“神の手”と称し連続殺人を行っていたというくだりになって、この男の話にドイルは興味を持つが-

Frailty :もろさ、はかなさ、弱さ、誘惑に陥りやすいこと
妄執(もうしゅう):妄想がこうじて、ある特定の考えに囚われてしまう事


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