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momoな毎日

古いカルト映画から最新アクション、海外ドラマまでいろいろレビューしています。好物はオカルト、サイコ、殺人鬼、吸血鬼、廃病院、エイリアン、人魚、ローマ時代などなど。結果的にホラーものが増殖中。

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『悪魔のシスター』(1973) - Sisters -

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Sisters_0000■悪魔のシスター - Sisters -■ 1973年/アメリカ/92分
 監督   :ブライアン・デ・パルマ
 原案   :ブライアン・デ・パルマ
 脚本   :ブライアン・デ・パルマ、ルイザ・ローズ
 製作   :エドワード・R・プレスマン
 撮影   :グレゴリー・サンダー
 音楽   :バーナード・ハーマン
 出演   :マーゴット・キダー(ダニエル・ブレトン)
       ジェニファー・ソルト(グレイス)
       ビル・フィンレー(エミール・ブレトン)
       チャールズ・ダーニング(ジョセフ)


解説:
かつて“ヒッチコックの後継者”と呼ばれたデ・パルマのルーツ的作品。黒人青年が惨殺される現場を目撃した女性記者は単身捜査に乗り出すが、犯人の女性には意外な秘密が隠されていた。“シャム双生児の意識の共有”というアイディアを「サイコ」+「裏窓」のノリで構成し、グロテスク趣味で仕上げた怪奇ミステリー。音楽はヒッチコック作品を数多く手がけたB・ハーマン。
 (allcinema)

あらすじ:
モデルであり女優のダニエルは出演したテレビ番組で知り合った男性を自宅に誘い一夜を共にする。翌日、訪ねてきた元夫エミールが惨殺された男性を発見、しかしダニエルの記憶は無い。
向かいのアパートから男性が殺される様子をたまたま目撃した記者グレイスは警察に通報するも、結局死体は発見されずじまい。犯人はダニエルではないかと疑ったグレイスは、独自の調査を始めるが-





かな~り前に一度観て、もう一度観たい観たいと思っていた本作。
“シャム双生児”と手術室、周りにいるシスター(尼僧)の場面が怖くて強烈な印象が残っていた。タイトルは覚えていなかったが、昨今の便利なインターネットさんのお力を借りて探し出したのが数年前。2004年にDVD化されていたのを2013年お正月休みのためにレンタルした管理人momorex。
ということで2013年初っぱなのレビューは本作『悪魔のシスター』

    


Sisters_17デビュー間もないモデル兼女優のダニエル・ブレトン。その日、テレビ番組に出演した後、番組で知り合った男性と引っ越したばかりの自宅に戻る。ダニエルはカナダ人でアメリカに来てまもない。その広々としたアパートには一人住まいだが、その時は入院先から一時帰宅している姉がいるということだった。姉妹は双子だ。
翌朝、今日が誕生日だというダニエルのためにバースディ・ケーキを買って戻ってきた男性。ベッドに横たわるダニエルに「おめでとう」と声をかけるが、振り返ったその顔は狂気にゆがみ、振りかざしたナイフで男性をめった刺しに。血を流しながら窓まではって行き助けを求める男性。しかしナイフの刃は執拗に男性の背に食い込んだ-。

Sisters_06その様子を向かいのアパートの窓から目撃した記者グレイス。
シーンは男性が息も絶え絶えに窓枠に手を伸ばす様子と、その手を向かいから見つけるグレイスの目線の2画面に分かれ、息も詰まるサスペンスへと変わる。
この2画面構成は、グレイスが警察に連絡し刑事達がやってくるのと、訪れたダニエルの元夫エミールが死体を見つけ隠すことに奔走するシーンへと続く。頭痛で意識が混濁し何も覚えていないダニエルは、おそらく姉が凶行に及んだんだとエミールに説明するが-。

Sisters_14刑事達とダニエルの部屋に来たものの何も見つけられなかったグレイスは、この「起こったであろう殺人事件」の調査を独自に始める。部屋にあったケーキの箱からケーキ屋に向かい店員に質問するも何も分からない。そこで犯人であろうダニエルについて調べていくことにする。
そうするうちにダニエルと双子の姉はシャム双生児で、数年前に分離手術を受けたこと、執刀したのはダニエルの元夫エミールであることなどが分かっていくが、いつの間にかエミールとダニエル、そして姉の狂気の世界に引きずり込まれていくグレイス。そしてグレイスは新たな殺人現場に居合わせることとなる。

    


Sisters_02この作品は登場人物から小道具にいたるまで、なんとも生々しいイヤな感じが漂う。
ダニエル(マーゴット・キダー)の匂い立つような色気と狂気に歪んだ顔。ダニエルにまとわりつくような元夫エミール。ダニエルを心配しての行動だろうが、これがまた不快で不愉快になる。
小道具においても同じで、大きくて豪華だけれども、どても美味しそうには見えないケーキ。いずれ臭ってくるだろうソファ。

それと双子の分離手術の様子がモノクロで展開されるが、何故か集まっている、なんとも落ち着きのない様々な人々の様子。どうして3人は踊っているの?どうして肉切り包丁が回されているの?これらはダニエルの分離手術のイメージなのだろうか?
Sisters_04 Sisters_09 Sisters_13 Sisters_16

そしてこの後展開される殺人の鮮烈な「」は、またもや生々しいシーンに追加される。
ラストは今でこそありがちではあるが、当時としてもさる有名なサイコ作品と似かよってはいる。が、親子でもなく、夫婦でもなく、「双子」というところに神秘な何かがプラスされているといえる。


監督は失意の人ブライアン・デ・パルマ
Brian_De_Palma 原典:Flickr 作者:jon rubin

キャリー(1976)』『殺しのドレス(1980)』などミステリー・サスペンスな作品や『アンタッチャブル(1987)』『カジュアリティーズ(1989)』など社会派作品から『ミッション:インポッシブル(1996)』のようなアクションものまで、幅広い作品を手がける。
ハリウッド映画界と何度となく繰り返された確執で、その人生は順風満帆とは一言では言えないが、作品の中には誰もが知っている有名なものも多い。
(本作『悪魔のシスター』は2006年ダグラス・バック監督により『シスターズ』としてリメイクされている。)

2012年に製作された最新作『パッション -Passion』は『プロメテウス』のノオミ・ラパスが出演しており、トレーラーを見る限りブライアン・デ・パルマらしい生々しいサスペンスな作品のようだ。


■主な監督作品
 ・悪魔のシスター Sisters (1973)
 ・ファントム・オブ・パラダイス Phantom of the Paradise (1974)
 ・愛のメモリー Obsession (1976)
 ・キャリー Carrie (1976)
 ・フューリー The Fury (1978)
 ・殺しのドレス Dressed to Kill (1980)
 ・ミッドナイトクロス Blow Out (1981)
 ・スカーフェイス Scarface (1983)
 ・ボディ・ダブル Body Double (1984)
 ・アンタッチャブル The Untouchables (1987)
 ・カジュアリティーズ Casualties of War (1989)
 ・虚栄のかがり火 The Bonfire of the Vanities (1990)
 ・レイジング・ケイン Raising Cain (1992)
 ・カリートの道 Carlito's Way (1993)
 ・ミッション:インポッシブル Mission: Impossible (1996)
 ・スネーク・アイズ Snake Eyes (1998)
 ・ミッション・トゥ・マーズ Mission to Mars (2000)
 ・ファム・ファタール Femme Fatale (2002)
 ・ブラック・ダリア The Black Dahlia (2006)
 ・リダクテッド 真実の価値 Redacted (2007)
 ・パッション Passion (2013)




ではまた
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

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謎は解けるか?『イレイザーヘッド』(1977) - Eraserhead -

Posted by momorex on   6  0

この映画はずいぶん前に一度観て、もう観ることはないだろう、、と思っていた作品だ。一度で充分と思った理由はもちろん、あまりの意味不明さ加減、難解さに根を上げたからだが..。しかし昨日(1/7)から始まったWOWOWのリンチ特集で初っぱなに放送され、もう一度チャレンジすることに。さて-

Eraserhead_29
■イレイザーヘッド - Eraserhead -■1977年/アメリカ/89分
 監督:デヴィッド・リンチ
 脚本:デヴィッド・リンチ
 製作:デヴィッド・リンチ
 撮影:フレデリック・エルムス、ハーバート・カードウェル
 音楽:ピーター・アイヴス
 出演:ジャック・ナンス(ヘンリー・スペンサー)
    シャーロット・スチュアート(メアリー・エックス)
    アレン・ジョゼフ(ミスター・エックス)
    ジーン・ベイツ(ミセス・エックス)
    ジュディス・アンナ・ロバーツ(27号室の女)
    ローレル・ニア(ラジエーターの中の少女)

解説:
「エレファント・マン」の大ヒットによって、ようやく日本でも劇場公開されたリンチの長編デビュー作。全編、悪夢にも似た奇妙なイメージで埋め尽くされ、白黒というよりは銀黒で作られた映像は人工的な寒々とした印象を与えている。まさに“奇形の美しさ”とでも呼ぶべき、大いなる実験作。悪夢に論理が無いように、意味を求めることの無意味さを説くイメージ・シーンの積み重ねは、初公開時よりも、同様の手段をあろうことかTVで行った「ツイン・ピークス」を観た後の方が納得しやすい。その意味でも'93年にリンチ自らサウンドトラックを再編集したドルビーステレオの「完全版」の公開こそ、本作の真の評価を問える時機であったと言えるだろう。
 (allcinema)

あらすじ:
フィラデルフィアの工業地帯に住む印刷工ヘンリー。付き合っていたガールフレンドのメアリーに「妊娠、出産したので結婚して欲しい」と言われ承諾する。しかしその赤ん坊は奇妙な顔つきで小さく、とても普通とは思えない生き物だった。それでも家族としての生活を楽しんでいたヘンリーだったが、絶えずピーピーと泣く赤ん坊に我慢ならなくなったメアリーは、赤ん坊をヘンリーに押しつけ実家に帰ってしまう-





Eraserhead_08太陽の光とはおよそ縁のないような、工場の町に住むヘンリー。工場街の一角に建つアパートが自宅だが、一角に建つアパートというよりは、町は工場に覆い尽くされ、至る所に配管がのたうち蒸気が上がり、その中の隙間に人間の住む場所があるといった趣だ。
ヘンリーは青年の設定のようだが年齢不詳、着古した(おそらく1着しかない)スーツを着てとぼとぼ歩く。ぼさぼさの髪の毛が上に逆立ち、イレイザーヘッド(消しゴム付鉛筆)のように見える、そんな男。

Eraserhead_111部屋しかないヘンリーのアパートは、常に地鳴りのような音が響き渡り、隣のビルの壁が間近に迫るため、たった一つの窓さえ意味がなく、照明を点けなければ真っ暗。
照明を点けて明るくしたところで照らし出されるのは、古い箪笥やベッド、ベッド脇には盛り上げた土に直にさされた枯れ枝のような木。箪笥の上やラジエーターの前には太い配線のような髪の毛のようなものがとぐろを巻いている(何だ、これはいったい

本作の舞台は、このヘンリーの部屋が大半を占める。
ここに赤ん坊を連れたメアリーが同居し、その後メアリーが出て行き、ヘンリーと赤ん坊の二人暮らしになる。ストーリーは基本それだけ。そのストーリーとも言えない物語に、意味があるのか無いのかよく分からない登場人物が次々と出てくる。
 ・かさぶたの男(割れた窓のそばに座っている)
 ・メアリーの家族(妙な料理を作る両親と座ったままの祖母)
 ・27号室の女(黒髪の美女がヘンリーを誘惑する。なぜ
 ・ラジエーターに宿る少女(頬に大きなできもの?天国の歌を歌う)
 ・イレイザーヘッド工場の男達(ヘンリーの脳みそで消しゴムを作る)
Eraserhead_04 Eraserhead_13 Eraserhead_10 Eraserhead_23 Eraserhead_30

そして本作のもう一人の主人公ともいえる赤ん坊枯れ枝、グロテスクな人工鶏料理
Eraserhead_16 Eraserhead_21 Eraserhead_15

それと、あともう一つ。度々出てくるコレ↓。
Eraserhead_05
今回のレビューではコレをキーにしてちょっとだけ謎を解いてみようと思う。

ちょっとだけ『イレイザーヘッド』の謎を解く!

↑は冒頭、ヘンリーの口から出てきたところ。この後、仕事から自宅に戻りメアリーの家に行って出産を告げられる。結婚し同居してからポストに届いたコレを小さくしたミミズのようなものが届く。そしてその後、メアリーと一緒に寝ているベッドに突如現れる複数のコレ
次に登場するのがラジエーターの少女に降ってくる、またしても複数のコレ。少女はコレを踏みつぶす。
次なる登場は、ヘンリーの頭がもげて代わりに生えてくるコレ
そして最後はハサミで殺された赤ん坊が変身した大きくなったコレ

さぁ、どうです?
コレは何に例えるのが手っ取り早いか?もうおわかりですね。
ズバリ、男性の精子です。(←乙女ですので)
=ヘンリーの性欲とも言えるでしょう。
解説してみましょう(ウエカラ

Eraserhead_25 1.冒頭、口から出て向かった先はメアリー。そして妊娠、出産
 2.生まれた赤子はそっくりそのまま
 3.生活に疲れたヘンリーの元に届けられるコレの元
 4.メアリーと寝ているベッドにのたうつ複数のコレ
 5.ラジエーター少女はコレを踏みつぶすがゆえ、少女である
 6.とうとう正体を現したヘンリーの頭
 7.殺された赤ん坊は元のコレに
※27号室の女との情事で出てこなかったのは、所詮ヘンリーには手の届かない女だったから

メアリーの実家で出された鶏料理から液体が出てくるシーンは、もはや出産シーンにしか見えず、部屋の枯れ枝はヘンリーの疲れた様子を表しているかのよう。

どうだっ



ということで、作品の一部の謎を解いてみましたが、いかがでしたでしょうか。
ようするに男性も女性も衝動的な行動には気をつけましょう、というリンチ風道徳映画ということになりましょう。
その他の妙な登場人物達は、これがデヴィッド・リンチということで説明がつくかと思われます。彼らはその後のリンチ作品にも多数散見され、「あまり意味はない場合もある」と監督自ら説明されています。

それでは、この後もWOWOWのリンチ特集は続きますので、今回はこのへんで
ではまた

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『ブルーベルベット』(1986) - Blue Velvet -

Posted by momorex on   0  0

デヴィッド・リンチ監督の作品の中では珍しく、その存在の意義を考え込んでしまうような奇妙な人は出てこない。リンチ作としてはちょっと寂しく感じてしまうこの映画は、分かりやすいミステリーサスペンスになっている。しかし油断は禁物だ。根っからのサイコとサイコ一歩手前の崖っぷちに立っている人はちゃんと登場する。

BlueVelvet_00
■ブルーベルベット - Blue Velvet -■1986年/アメリカ/121分
 監督   :デヴィッド・リンチ
 脚本   :デヴィッド・リンチ
 製作   :フレッド・カルーソ
 製作総指揮:リチャード・ロス
 撮影   :フレデリック・エルムス
 音楽   :アンジェロ・バダラメンティ
 出演   :カイル・マクラクラン  (ジェフリー・ボーモント)
       イザベラ・ロッセリーニ (ドロシー・ヴァレンズ)
       デニス・ホッパー    (フランク・ブース)
       ローラ・ダーン     (サンディ・ウィリアムズ)
       ジョージ・ディッカーソン(ジョン・ウィリアムズ)
       ディーン・ストックウェル(ベン)

解説:
カルト映画「イレイザーヘッド」で注目されたリンチが、その型破りな個性をフルに発揮させた代表作のひとつ。ボビー・ヴィントンによる1963年のヒット曲「ブルー・ヴェルヴェット」が流れる中、米国の平和な田舎町とミスマッチなセックスと暴力が、時ににじみ出て、時に噴出する。虫の群れをクローズアップした映像の数々などもリンチ・ワールド的な不協和音を連想させて圧倒的。俳優陣もそれぞれはまり役だが、中でもグロテスクすれすれの美を体現したI・ロッセリーニ、テンションが高いD・ホッパーが出色だ。
 (WOWOW)

あらすじ:
ノースカロライナ州の田舎町、ランバートン。急病で倒れた父親のために休学して帰郷した大学生ジェフリー。彼は自宅近所の野原で切り取られ捨てられていた人間の「耳」を発見する。知り合いの刑事に耳を届けたものの興味がわいたジェフリーは、刑事の高校生の娘であるサンディから情報を得て、事件に関係しているのではないかと思われるクラブ歌手ドロシーのアパートに忍び込む計画をたてるが-




まず感じたこと
頭が○と△と□で一杯になってしまった前回の『イレイザーヘッド』に比べて、なんと分かりやすく明快なストーリーであることか!しかし、観た後に何かいや~な小さなしこりのようなモノが残るところがデヴィッド・リンチ作品らしい。
本作の製作年は1986年だが、その後1989年にパイロット版が作られる「ツイン・ピークス」へと続く前日譚であると本作を捉えれば、非常に入りやすい。何せ主人公のジェフリーは、若き日のクーパー捜査官ともいえる存在だからだ。

    


BlueVelvet_04大学生のジェフリーは急病で倒れた父親の店を手伝うために休学し、久しぶりに故郷ランバートンに帰ってくる。1950年代で時が止まったかのようなのどかな田舎町ランバートン。大したことはないと分かった父親の病状に安心し、子供の時からの知り合いなどに懐かしんでいたジェフリーだったが、ある日、近所の野原で人間の「耳」を発見する。慌てて知り合いのウィリアムズ刑事に手渡すが、こののどかな町で発見した「耳」に興味が沸いてくることを抑えられない。
そこで刑事の娘サンディの手を借りて、この事件に関係しているのではないかと思われるクラブ歌手ドロシーのアパートに忍び込む計画を立てる。

BlueVelvet_08うまくアパートに忍び込み物色してすぐに出てくるはずだったが、帰ってきたドロシーに見つかってしまったジェフリー。うまく言い逃れて帰ろうとする彼に、意外にもドロシーはナイフを突きつけながら誘惑してくる。そこへやって来たヤクザものフランク。間一髪でクローゼットに隠れたジェフリーは、ドロシーの秘密と2人の倒錯した快楽の世界を見せつけられることになる。
そしてこのドロシーの秘密こそがあの「耳」に関係し、その鍵を握るのがこのフランクであることを知ったジェフリーは、ますますこの秘密の世界から目が離せなくなっていく-

BlueVelvet_03泥沼に足を突っ込んで気づきもしないでいるジェフリーに忠告し、陰で支え、沼から引き上げる役目をはたすのが高校生サンディ。
演じるのはローラ・ダーン。この時は役であるサンディと同じく10代(の終わり)で、非常に初々しく可愛らしい。1990年の『ワイルド・アット・ハート』ルーラの印象とは真逆である(ルーラも可愛らしい女性であったが)。

この穢れを知らない宝物のようなサンディと、犯罪者フランクとの倒錯の世界に浸り、その一挙手一投足がエロチックに満ちているドロシーとの対比、その間で純粋さを失う一歩寸前のジェフリー。善良さ、ましてや純粋さなどとっくの昔にどぶに捨てた犯罪者フランク。本作はこの4人が一時交わり、そして戻るべき所に戻っていく物語だ。

リンチ監督にしては分かりやすい物語ではあるが、いつもの小道具も忘れてはいない監督。
あの『イレイザーヘッド』でも舞台になった陰気で暗くてまるで舞台の装置のようなアパート、豊かな黒髪、暗闇から出てくる美女、歌う女性。今回は男性も(アテレコだが)歌う。
そして監督の好きな「穴」にカメラがどんどん近寄っていく描写。家族の食事風景。
これら小道具達は「ツイン・ピークス」にも受け継がれていく。
で、今日(1/9)の放送は『ツイン・ピークス-ローラ・パーマー最期の7日間』。さあそろそろ観ないと。



何気ない日常の、そのすぐ横にぽっかりと空く黒い穴。
この穴はどうやら一つではないらしい。落ちないように気ををつけなければ。
ではまた





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『ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の7日間』(1992) - Twin Peaks: Fire Walk with Me -

Posted by momorex on   2  2

カルトTVドラマ「ツイン・ピークス」の前日譚である本作。ドラマでは初っぱなにローラが殺されていることから、一体何があったのかは正確には分からなかった。そのローラを主役に、自らが「ツイン・ピークス」に捕らわれてしまったかのようなデヴィッド・リンチ監督が、ローラの衝撃的な毎日と最期の1週間を描く。
ローラの最期の1週間。知らなかった方がよかったかもしれない..。

Twin Peaks, Fire Walk with Me_00
■ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の7日間
 - Twin Peaks: Fire Walk with Me -■
 1992年/アメリカ/136分

 監督   :デヴィッド・リンチ
 脚本   :デヴィッド・リンチ、ロバート・エンゲルス
 製作   :グレッグ・ファインバーグ
 製作総指揮:マーク・フロスト、デヴィッド・リンチ
 撮影   :ロン・ガルシア
 音楽   :アンジェロ・バダラメンティ
 出演   :カイル・マクラクラン    (デイル・クーパー)
       シェリル・リー       (ローラ・パーマー)
       デイヴィッド・リンチ    (ゴードン・コール)
       クリス・アイザック     (チェット・デズモンド)
       キーファー・サザーランド  (サム・スタンリー)
       デイヴィッド・ボウイ    (フィリップ・ジェフリーズ)
       パメラ・ギドリー      (テレサ・バンクス)
       ハリー・ディーン・スタントン(カール・ロッド/管理人)
       レイ・ワイズ        (リーランド・パーマー)
       グレイス・ザブリスキー   (セーラ・パーマー)
       モイラ・ケリー       (ドナ・ヘイワード)
       ジェームズ・マーシャル   (ジェームズ・ハーリー)
       デーナ・アッシュブルック  (ボビー・ブリッグス)
       メッチェン・エイミック   (シェリー・ジョンソン)
       エリック・ダ・レー     (レオ・ジョンソン)
       ウォルター・オルケウィッツ (ジャック・ルノー)
       フィービー・オーガスティン (ロネット・ポラスキー)
       キャサリン・E・コールソン (丸太おばさん)
       フランシス・ベイ      (シャルフォン夫人)
       マイケル・J・アンダーソン (小さな男)
       フランク・シルヴァ     (キラー・ボブ)
       アル・ストロベル      (片腕の男)

解説:
番組の起点になった“ローラ・パーマー殺人事件”に至る1週間を描くことを通じ、ピーカー(TV版のファン)にとって最大の謎がついに解き明かされるのか……という“特別編”が本作。映画単体として見ても、リンチはこれまで以上に一層ミステリアスでセクシーな、超カルトというべき独自の世界を展開。後にTV「SEX AND THE CITY」に出演するK・マクラクランなど番組おなじみのメンバーに加え、歌手D・ボウイ、TV「24」のK・サザーランド、そしてリンチまでが続々と登場したのも見ものだ。
 (WOWOW)

あらすじ:
アメリカ北西部に位置するワシントン州の川で一人の若い女性の死体が発見される。FBIゴードン捜査主任の下でデズモンド捜査官らが捜査にあたるが、犯人はわからないままデズモンドが失踪してしまう。
それから1年。州郊外の小さな田舎町ツイン・ピークスに住む高校生ローラ・パーマー。勉強も出来、奉仕活動にも参加する学園のクィーンである彼女だが、それは表向きの顔で、その裏ではドラッグやセックスに溺れる不健康な毎日を過ごしていた-




Twin Peaks Fire Walk with Me_01ビニールにくるまれ、冷たい川で見つかった女性の死体。
現地の様子を身体全体で表現する赤いドレスの女。
地元警察のFBIへのアレルギー。
捜査に向かった有能FBI捜査官の失踪。

今回も最初から飛ばします。
案外普通っぽく始まった冒頭に、いきなり登場する赤いドレスの女性。
なぜ、なぜ、これが必要なんだと、頭を抱えることになる。
が、ここで立ち止まっていては、どんどんストーリーが進んでいくのでデズモンド捜査官のようにさらりと流すのがいい。ほんの数秒で事件を扱う地元警察の様子を説明してくれた彼女に感謝しながら。

Twin Peaks Fire Walk with Me_05頭を後ろから何度も殴られたことで命を失った女性テレサ・バンクス。事件前の行動を捜査するデズモンド捜査官と鑑識のスタンリーだったが、単身テレサの住んでいたトレーラー・パークを調べに出たまま、失踪してしまうデズモンド。
これらのことを調べにトレーラー・パークまでやって来たクーパーは、この殺人事件は始まりに過ぎないと直感する。相棒のアルバートに「次の標的は高校生の女の子。毎日ドラッグやセックスに溺れている」と予言のようなものを話し、皮肉屋アルバートは「おぉ!全米高校生の半分まで絞れたな!」と返す。
全米高校生の半分て..。1990年代にすでにアメリカの高校生は、これほど乱れているのか?と驚いた。

Twin Peaks Fire Walk with Me_12では、その乱れ具合とは。
それはこの後、登場する学園クィーンローラ・パーマーによって説明される。
昼は真面目な高校生。放課後は必要な人に食事を配るボランティアをし、社会の役にたつ。しかし、その陰では学校のトイレでドラッグ、家族との夕食後はセクシーな服に着替えて家を抜け出し、怪しげな場所に出入りする。
家庭にも友人にも恵まれた彼女の何がいったい、ここまでさせるのか?
母親から引き継いだ幻影をみてしまう能力のせいか?
特にローラを苦しめているのは、その幻影の一つ「ボブ」。ボブはローラが幼い頃から繰り返しローラの部屋に出入りしては彼女に暴行をはたらいた。
これが事実だろうが妄想だろうが、ローラは忘れたい。それ故の毎日の乱れた生活か。

Twin Peaks Fire Walk with Me_11そして、もう一人。こういった幻影をみる者がいる。FBIのデイル・クーパー
彼は扱う事件に関しての夢や幻影をみることがあり、それをヒントに事件を解決していく能力がある。
しかしクーパーの夢がで、ローラの夢がなのではない。それらは分かれていることもあるが、時に混じり、用心しなくては黒く渦巻く闇の世界に連れて行かれてしまう。
この闇の世界に連れて行かれそうになっているのはローラだけではない。連れて行かれ、すでに取り込まれてしまった人物こそが、テレサ殺人の犯人であり、ローラを殺すことになる犯人だ。

Twin Peaks Fire Walk with Me_08その闇の世界の一歩前にあるのが「赤い部屋」。
白と黒のタイルが床に敷かれ、リンチ監督の好きなドレープカーテンで区切られた奇妙な空間だ。ここに来ることが出来るのは、この世界の住人と特殊能力を持つ限られた人間のみ。
ここでの会話は、普通の人間にはとても理解できるものではないが、小さな男の言う「ガルモンボジーア」とは“痛みと悲しみ”と定義される何かで、クリーム・コーンの形態を取っているらしい。それを盗んだのがキラー・ボブ。ボブはそれを盗み、これと目を付けた人間にふるまっているようだ。そしてターゲットとして目を付けるキーになるのがどうやら「指輪」のようだ。
「指輪」は本作にもドラマシリーズにも繰り返し出てくる。それは限定された一つの指輪ではなく、各個人が意味を持って大事にしているものだ。そこに取り付くキラー・ボブ。取り付かれるのは指輪を持ち、心に何か弱いものが巣くっている人間だ。誰にでもボブのターゲットになる可能性はある。

    


と、核心に触れる部分をつらつら書いてみましたが、「ツイン・ピークス」未見の方には何が何やらわかりませんよね
自分がドラマ「ツイン・ピークス」を初めて観たのは随分前だけど、どっぷりはまりました。おそらく初見のその日は、あのオープニングの曲が1時間ごとくらいに何十回も流れていたはず。
魅力ある奇妙なキャラクター達とストーリーにローラ殺しの犯人が分かるまではぐいぐい引きつけられ、テレビを消すことが出来なかった。けれども後半は何が何やらで記憶があまり定かでは無い..。1年ほど前にも観たはずだけど、やっぱり後半の記憶は

もしこれから観てみようかと思われる場合は、一つの区切りは犯人が分かるところまで(確か10数話くらいだったと思う)。その後、ついていけなくなったら、そのまま本作「最期の7日間」をご覧下さい。これでOK。
「最期の7日間」では、どんどん綺麗になっていくローラも見所の一つ。

Twin Peaks Fire Walk with Me_18




「指輪」=「結婚」と「子殺し」というお話で、あっ、と思い出すのがリンチ監督デビュー作『イレイザーヘッド』。全然違うストーリーでありながら、何か底辺に流れているのは同じように感じる。
リンチ監督はよっぽど結婚生活と子育てに悩み苦しまれたのだろうか..

ではまた





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『Virginia/ヴァージニア』(2011) - Twixt -

Posted by momorex on   2  1

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現実なのか、夢なのか。ちょい売れオカルト作家が体験した田舎町での出来事。おどろおどろしいオカルトホラーなのかと思いきや、コミカルにリズミカルに物語は進んでいく。個性ある登場人物のいったいどこまでが実在するのか?

■Virginia/ヴァージニア - Twixt -■ 2011年/アメリカ/90分
 監督   :フランシス・フォード・コッポラ
 脚本   :フランシス・フォード・コッポラ
 製作   :フランシス・フォード・コッポラ
 製作総指揮:アナヒド・ナザリアン、フレッド・ロス
 撮影   :ミハイ・マライメア・Jr
 音楽   :ダン・ディーコン、オスバルド・ゴリホフ
 出演   :ヴァル・キルマー(ホール・ボルティモア)
       エル・ファニング(V)
       ブルース・ダーン(ボビー・ラグレインジ)
       ベン・チャップリン(エドガー・アラン・ポー)
       ジョアンヌ・ウォーリー(デニス)
       ドン・ノヴェロ(メルヴィン)
       デヴィッド・ペイマー(マル・マルキン)
       アルデン・エーレンライク(フラミンゴ)
       トム・ウェイツ(ナレーター)

解説:
巨匠フランシス・フォード・コッポラ監督が自ら製作を務め、インディペンデントのスタイルで撮り上げたファンタジー・ミステリー。訪問した田舎町で少女殺人事件に遭遇した作家が、夢に現われたエドガー・アラン・ポーと謎の少女に導かれ事件の真相へと近づいていくさまを、ミステリアスかつゴシック・テイストあふれる筆致で描き出す。主演は「ドアーズ」のヴァル・キルマー、共演に「SOMEWHERE」「SUPER 8/スーパーエイト」のエル・ファニング。
 (allcinema)

あらすじ:
次作の執筆がなかなか進まないオカルト作家ボルティモアは、自身の著作を携えサイン会と称して田舎町の本屋を回っていた。そんな彼がその昔エドガー・アラン・ポーが滞在したこともあるという町に辿り着く。
サイン会で手持ちぶさたにしていると、ミステリー好きの地元の保安官がやって来て、モルグに胸に杭を打ち込まれた身元不明の少女の死体があるから見せてやろうと誘われる。そしてこれを題材にして一緒に小説を書かないかと提案されるが-

Twixt :betwixtの縮約形で「どっちつかず、狭間」などの意



小説家、脚本家など作家その人を主役にした映画作品は案外多い。

 ・マンハッタン(1979)        ウディ・アレン
 ・シャイニング(1980)        ジャック・ニコルソン
 ・スタンド・バイ・ミー(1986)    ウィル・ウィートン
 ・ミザリー(1990)          ジェームズ・カーン
 ・バートン・フィンク(1991)     ジョン・タトゥーロ
 ・KAFKA 迷宮の悪夢(1991)      ジェレミー・アイアンズ
 ・裸のランチ(1991)         ピーター・ウェラー
 ・永遠に美しく・・・(1992)       ゴールディ・ホーン
 ・小説家を見つけたら(2000)     ショーン・コネリー
1408 ・めぐりあう時間たち(2002)     二コール・キッドマン
 ・アダプテーション(2002)      ニコラス・ケイジ
 ・恋愛適齢期(2003)         ダイアン・キートン
 ・恋は邪魔者(2003)         レネー・ゼルヴィガー
 ・スイミング・プール(2003)     シャーロット・ランプリング
 ・シークレット・ウィンドウ(2004)  ジョニー・デップ
 ・ミス・ポター(2006)        レニー・ゼルウィガー
 ・カポーティ(2006)         フィリップ・シーモア・ホフマン
 ・1408号室(2007)          ジョン・キューザック
 ・推理作家ポー 最期の5日間(2012)  ジョン・キューザック




などなど。
上を見ると割とスリラー、ホラーものも多くて、作家自身が物作りの際に現実と狂気の狭間に陥って苦悩する様子が浮かび上がってくる。
そして今回、本作で登場するのがオカルト作家ホール・ボルティモア。彼も次作の執筆がなかなか、と言うより全く進まず、妻デニスに「お金が無い!」と日々どやされ、著作をかき集めサイン会という名のどさ周りの旅に出ている。他の作家と違うのは生来のポジティブ思考。それにいい加減さとアル中が混じり合って、本人はうんざりしながらも、妻から逃れてそれなりに楽しい旅を満喫している。
(ちなみに妻役ジョアンヌ・ウォーリーはボルティモア役ヴァル・キルマーの元妻)

Twixt_03そんな彼が今日辿り着いた小さな田舎町。ナレーターが言うように町の中央を1本の通りが走っているが、保安官事務所や小さな商店が数軒あるだけの、時代に取り残されたような本屋さえ無いちっぽけな町。その昔、かのエドガー・アラン・ポーが宿泊、滞在したと言われるホテルさえも火事で廃業、今でも廃屋のようになってくすぶっている。
ボルティモアは仕方なく金物屋の店先を借りて著作を並べ、露天商のような、これまたちっぽけなサイン会を開く。作家ボルティモアの名など聞いたこともない町の人が前をちらほら行きすぎた後、小説家志望でもあるこの町の保安官ラグレインジが揚々とやって来る。
「見つかったばかりの(獲れたてと言わんばかり)奇妙な少女の遺体があるから、モルグまで見に来ないか?」
そう誘われたボルティモアは躊躇しながらも怖いもの見たさでラグレインジに付いてモルグまで。そしてそこで見たものは胸に杭が打ち込まれた少女の惨殺死体だった。

この町では連続殺人が起きていると説明する保安官ラグレインジ。こんな奇妙な死体まで見つかって、これは一級のミステリーではないか!と。これらを題材にして一緒に小説を書こうではないか!と。
それを安請け合いした生来いい加減なアル中ボルティモア。しかし、その夜から彼は奇妙な夢を見始める。

Twixt_04 森の奥深くで出会った「V」という名の白い少女。
 廃屋だったはずのホテルに宿泊しているエドガー・アラン・ポー。
 彼らの話す、このホテルであった子供達の大量殺人。
 「V」の正体-


ボルティモアは現実も夢もお構いなく、新しい小説を書くためだけに彼らの話に耳を傾け、物語を書き上げていく。しかし、その物語の結末は、自分自信の忘れたい過去と向き合わなければ生まれない、とポーに諭される。

    


Twixt_02本作はこうやって、保安官達のいる現実とボルティモアの見る夢の世界を行ったり来たりしながら進んでいく。しかし本当に保安官達のいる世界は現実なのか?
だって保安官とその助手は、いつまでたっても杭少女の死体を調べようともせず、警察らしい仕事は全くしていないような。挙げ句の果てに、近くであれば効果があるとか言って、モルグの前でこっくりさんをやる始末。
川向こうにたむろする若者達を邪悪な吸血鬼と吐き捨てるが、やはり対策を打たない(仕事しようよ)。
ボルティモアは夢で聞いたことを元に、現実世界でも調査のようなものをやり始めるが、悪魔に呪われていると噂のある時計台に登ってみたところで、特に何も無い。いったいこの現実世界に意味はあるのか?

そして夢と現実の世界が入り乱れ、境界が曖昧になったその時に明かされる「V」の正体-



本作はエドガー・アラン・ポーを敬愛している三文小説家がようやく書き上げたものは、ポーの3番煎じだった、というお話なのか。あちらこちらに小説家様に対する皮肉がちりばめられ、コメディのようでもある。
(タイトル「Twixt」=「どっちつかず」)
オカルトホラーと思って借りて観たのにアル中のファンタジーだったとがっかりしたけれど、最後のヴァル・キルマーの笑顔で全部許そう、と思うような作品でした。
ときおり作品内で夢のように現れては消え去るかっこいいヴァル・キルマーに会いたい方にはお勧めです。
ではまた





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「ゲーム・オブ・スローンズ」(2011-/TV) - Game of Thrones -

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この冬、一番楽しみにしていた海外ドラマがスター・チャンネルでとうとう始まった。
米作家ジョージ・R・R・マーティン原作「ファンタジー小説シリーズ 氷と炎の歌」のHBOによるドラマ化「ゲーム・オブ・スローンズ」。アメリカでは2013年3月にシーズン3が放送予定のこのドラマ。早速観てみた。

Game of Thrones_001
■ゲーム・オブ・スローンズ - Game of Thrones -■
 TVドラマ2011年-/アメリカ・イギリス

 製作 :デイヴィッド・ベニオフ、D.B.ワイス
 音楽 :ラミン・ジャヴァディ
 出演 :ショーン・ビーン  (エダード・スターク)
     ミシェル・フェアリー(キャトリン・タリー)
     リチャード・マッデン(ロブ・スターク)
     ソフィー・ターナー (サンサ・スターク)
     メイジー・ウィリアムズ(アリア・スターク)
     アイザック・ヘンプステッド=ライト(ブラン・スターク)
     キット・ハリントン (ジョン・スノウ)
     アルフィー・アレン (シオン・グレイジョイ)

     マーク・アディ   (ロバート・バラシオン)
     レナ・ヘディ    (サーセイ・ラニスター)
     ジャック・グリーソン(ジョフリー・バラシオン)
     ニコライ・コスター=ワルドー(ジェイミー・ラニスター)
     ピーター・ディンクレイジ(ティリオン・ラニスター)
     チャールズ・ダンス (タイウィン・ラニスター)

     エミリア・クラーク (デナーリス・ターガリエン)
     ハリー・ロイド   (ヴィセーリス・ターガリエン)
     ジェイソン・モモア (カール・ドロゴ)

     ケイト・ディッキー (ライサ・アリン)
     ナタリー・ドーマー (マージェリー・タイレル)
     フィン・ジョーンズ (ロラス・タイレル)
     ステファン・ディレイン(スタニス・バラシオン)
     ゲシン・アンソニー (レンリー・バラシオン)
     ジェイミーズ・コズモ(ジオー・モーモント)
     イアン・グレン   (ジョラー・モーモント)
     エイダン・ギレン  (ピーター・ベイリッシュ)


海外ドラマの常識を覆す大人向けダーク・ファンタジー・ドラマ

解説:
原作は、全世界で脅威の500万部突破

ファンタジー作家ジョージ・R・R・マーティンの長編小説「氷と炎の歌」第1部「七王国の玉座」が原作となった海外ドラマ。現代最高のファンタジー小説と評され世界中で話題に。
数々の賞を手にした実力派ドラマ
2011年エミー賞2冠、2012年ゴールデン・グローブ賞受賞、2012年エミー賞最多6部門受賞と世界中で高評価を得、早くもシーズン3の放送が決定。
海外ドラマの域を超えた壮大なスケール
中世ヨーロッパを思わせる架空の王国(七王国)の覇権をめぐり、七つの王家が繰り広げる王位争奪戦を重厚なスケールで描くダーク・ファンタジー・ドラマ
過激な描写で海外ドラマファンを魅了
王の座をめぐり王家同士の確執や政治的陰謀とともに、背筋が凍るほどの残虐なシーンや禁断の恋愛を過激な性描写で描くなど、有料放送でしか見ることができない見どころも充実。
(スター・チャンネル公式「ゲーム・オブ・スローンズ」)


あらすじ:
中世のヨーロッパ。架空の大陸ウェスタロスと対岸のエッソスが舞台となり、地域を分け合う七つの王国の、これら地域を総合統治する王の中の王(King of Kings)=〈鉄の玉座〉を巡る覇権争いを描く。

Game of Thrones_006家紋
 左から
 ・アリン家
 ・バラシオン家
 ・グレイジョイ家
 ・ラニスター家
 ・スターク家
 ・ターガリエン家
 ・タリー家



2013年7月17日 第1章DVD・ブルーレイ発売!




ロード・オブ・ザ・リング』を初めて観た時にも、その広大な自然を背景にした壮大なファンタジーの世界に圧倒されたものだったが、この「ゲーム・オブ・スローンズ」(玉座取りゲーム)は、北アイルランド、マルタ、クロアチア、アイスランド、モロッコで撮影された自然を背景に、ファンタジードラマとはいえ中世イギリスや薔薇戦争をモチーフにしていることもあって、中世の歴史ドラマとしてもっと現実的に見ることが出来る。
とはいえ、シーズン1冒頭から「大狼(ダイアウルフ)」や「ドラゴン(の卵)」など実在しない生き物が登場し、きちんとファンタジー要素が盛り込まれたこのドラマに、小難しい歴史物に止まらないわくわく感で期待レベルが自ずと

Game of Thrones_005sしかし実はここだけの話、主役クラスの俳優がショーン・ビーンと知った時、「ん?あぁーー、どうやろ」と少しがっかりした事も事実。彼は『ロード・オブ・ザ・リング』にも重要な役どころで出演していたが、どうも、その役どころがよくなかったのか、自分の中でイメージが悪い..。大好きなこれまたホラーファンタジー『サイレントヒル(2006)』にも父親役で出ていたが、ちょい役というか、、ようするに主役出来るんですかという疑問がもたげたわけです。

しかし、(無料放送の)第1・2話を観てその大きな存在感と貫禄に、彼を大きく誤解していた事に気付く自分..。そしてHBOはまたやってくれました。HBO製作のドラマは決して裏切らないことを今回も証明してくれたのだ

HBO(Home Box Office)/アメリカ合衆国のケーブルテレビのネットワーク放送局
タイム・ワーナーの傘下で、ニューヨークに本部がある。HBOおよび映画専門チャンネル「Cinemax」を運営している。加入世帯は2006年末で約4000万世帯。 ケーブルテレビ局では基本セット料金とは別に料金がかかる(ペイテレビ)ことから、HBOは日本におけるWOWOW、Cinemaxはスター・チャンネルと同じような位置付けの局である。なお、視聴者からの視聴料を主要な財源としているため、放送中にコマーシャルが流れることはない。
■HBO製作の主なドラマ
Game of Thrones_200 ・OZ/オズ(1997-2003)
 ・セックス・アンド・ザ・シティ(1998-2004)
 ・ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア(1999-2007)
 ・ラリーのミッドライフ★クライシス(2000-)
 ・バンド・オブ・ブラザース(2001)
 ・シックス・フィート・アンダー(2001-2005)
 ・THE WIRE/ザ・ワイヤー(2002-2008)
 ・ROME[ローマ](BBCとの共同制作)(2005-2007)
 ・ザ・パシフィック(2010)
Wiki:HBO


↑は日本でも放送されたドラマだけど、どうです?結構お気に入りがありませんか?
総製作費200億円以上と言われる「ROME[ローマ]」や「バンド・オブ・ブラザース」にも見られるとおり、本作「ゲーム・オブ・スローンズ」もふんだんな製作費を使ったと思われる重厚なセットや衣装、俳優陣などで、(史実ではないが)中世の世界がそのまま目の前で繰り広げられる。
そして繰り広げられるのはその地域一帯の王の証である〈鉄の玉座〉を巡る七つの王国による争いだ。

Game of Thrones_109s

    


Game of Thrones_101原作はジョージ・R・R・マーティン著『氷と炎の歌』。
これはシリーズもので本作シーズン1は『氷と炎の歌』第1部「七王国の玉座(1996)」にあたる。『氷と炎の歌』は最終、長編7部作になる予定で現在も執筆中だ。

『氷と炎の歌』シリーズ
 1.A Game of Thrones 「七王国の玉座」  →本作シーズン1
 2.A Clash of Kings 「王狼たちの戦旗」   →シーズン2
 3.A Storm of Swords 「剣嵐の大地」   →前半がシーズン3
 4.A Feast for Crows 「乱鴉の饗宴」
 5.A Dance with Dragons (日本語未訳)
 6.The Winds of Winter (予定)
 7.A Dream of Spring (予定)

他にもこれら長編の一部を発展させたスピンオフともいうべき中編も発表されている。
詳しくはWiki『氷と炎の歌』



本作「ゲーム・オブ・スローンズ」の脚本に原作者ジョージ・R・R・マーティンも参加しているということで、本作の内容は小説のあらすじに非常に忠実に製作されているということだ。第1・2話を見る限り、一癖も二癖もあるたくさんの登場人物、剣、モザイクのかかった残虐シーン、えっ?あなたまでが?という性描写等々、スター・チャンネル触れ込みの通り「海外ドラマの常識を覆す大人向けダーク・ファンタジー・ドラマ」な内容であると言える。
1・2話では全てではないものの、主要な王国それぞれの登場人物達が画面狭しと次々登場。3話以降もまだまだ出てくるみたいなので、ここで一旦整理してみる(分かる限り)。

スターク家
ウェスタロスの〈最初の人々〉の血を引く。ウィンターフェル城を拠点に、七つの王国のうち最も領土が広い北部を支配している。当主のエダードは国王ロバートの信頼厚く、宰相職ともいうべき“王の手”に指名され、王都〈キングズ・ランディング〉への出発が決まった。
落とし子(愛人の子)ジョンはキャトリンからは疎まれてはいるものの、兄弟姉妹達とは仲がいい。しかし考えがあってスターク家が守る最北の〈壁〉の守護“冥夜の守人”(ナイツ・ウォッチ)に志願する。
長女サンサはロバート王の息子プリンス・ジョフリーとの結婚が決まる。次男ブランは高い塔に登って遊んでいる時に見てはいけないものを見てしまい、塔から突き落とされる。

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エダード・スタークキャトリン(妻)ロブ(長男)


Game of Thrones_071Game of Thrones_066Game of Thrones_067Game of Thrones_055
ジョン・スノウ
(落とし子)
サンサ(長女)アリア(次女)ブランドン
(次男)
リコン(三男)



他にもグレイジョイ家の末裔シオン・グレイジョイがエダードの被後見人(人質)として滞在している。



バラシオン家
七王国を治める王家。名家の中で最も新しく、ターガリエン家が七王国を統一した頃に創設された。七王国で最も裕福なラニスター家から財政援助を得るため、ロバートはサーセイと政略結婚。両家は緊密な関係を結ぶことが出来たが、二人の間に愛は無い。
サーセイは意地悪で腹黒く他の男と禁断の愛を育み、王子ジョフリーは絵に描いたようなわがままもの。

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ロバート・バラシオンサーセイ(王妃)ジョフリー(王子)



ラニスター家
領地で黄金が採れる裕福な家で、一族は金髪、背か高い美形揃い。バラシオン家と関係を深め、王国の単独支配も視野に入れている。
ジェイミーは王妃サーセイの双子の弟、ティリオンはその下の弟。ティリオンは“小鬼”などと呼ばれ酒と女に明け暮れているように見えるが、その実は知的で思慮深く情に厚い。
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ジェイミーティリオン  




ターガリエン家
ドラゴンの血を引く由緒ある家柄で、人間離れした美しさが特徴。300年前にウェスタロスの七つの王国を統一するが、反乱でロバートに王位を奪われ、“狭い海”の対岸の島で復権を企てる。
兄ヴィセーリスは着々と復権計画を進めており、妹デナーリスをドスラク人の王ドロゴのもとに嫁がせ、彼らの武力を得ようとしている。
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ヴィセーリスデナーリスカール・ドロゴ



アリン家
難攻不落の鷹巣城を本拠とする“山と谷の王”の子孫。アンダル貴族の中で最古の純粋な家系。
“王の手”を勤めていたジョン・アリンが急死。妻でありキャトリンの妹でもあるライサ・アリンは息子とともに城に戻る。

タリー家
1000年間リヴァーランに豊かな土地と大きな城を所有していたが、王位とは無縁。キャトリンはタリー家出身。

グレイジョイ家
大陸の西に位置するパイク島の領主。かつて国に反乱を起こすがエダードに鎮圧された。その後、息子のシオン・グレイジョイはスターク家に被後見人として滞在。

以上、各王家の説明はスター・チャンネル公式より。
詳細は → 大陸ウェスタロス地図と王家


以上は七つの王家だが、他にも王の側近達や〈壁〉のナイツ・ウォッチ、そしてその北にいるとされる“ホワイト・ウォーカー”、それとファンタジーの素であるドラゴンなどが今後登場予定だ。特に忘れてはならないのは第1話冒頭にちらりと出てきた“ホワイト・ウォーカー”。今後始まる玉座争奪戦とどういう関わり方をしていくのか目が離せない。

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そして、玉座に座るこの人達が死人のように見えるのが、かなり気になる
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PCゲーム「エイジ・オブ・ミソロジー」を彷彿とさせるオープニングで始まる本作「ゲーム・オブ・スローンズ」。原作7部作を全てドラマ化するとなれば、かなり長い間楽しめる作品となりそうだ。どうかどうか途中で打ち切りとなりませんように
ではまた

スター・チャンネル公式サイトはこちら  スター・チャンネル公式「ゲーム・オブ・スローンズ」
スター・チャンネルの本放送は1月27日(日)から
  二カ国語版 毎週日曜よる10時(再放送:毎週水曜ひる2時)
  字幕版   毎週月曜よる9時(再放送:毎週木曜ひる2時)


スター・チャンネル無料オンライン試写会→ 第1話吹き替え版 2013年1月28日~2月3日

スター・チャンネルを見るには→  

ゲームをやるなら→  ゲーム・オブ・スローンズ:ジェネシス 日本語版


タイトル一覧
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『ドラゴン・タトゥーの女』(2011) - The Girl with the Dragon Tattoo -

Posted by momorex on   2  0

スウェーデン版『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女(2009)』のリメイクだとばっかり思っていた本作。舞台はスウェーデン、主役もミカエルという名前で、ハリウッドにしては設定がそのままだーと思っていたら、原作「ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女」のハリウッド映画化だったという..。

The Girl with the Dragon Tattoo_001■ドラゴン・タトゥーの女 - The Girl with the Dragon Tattoo -■
2011年/アメリカ/158分
 監督   :デヴィッド・フィンチャー
 脚本   :スティーヴン・ザイリアン
 原作   :スティーグ・ラーソン
 製作   :ソロン・スターモス、オーレ・センドベリ他
 製作総指揮:アンニ・ファウルビエ・フェルナンデス他
 撮影   :ジェフ・クローネンウェス
 音楽   :トレント・レズナー、アッティカス・ロス
 出演   :ダニエル・クレイグ  (ミカエル・ブルムクヴィスト)
       ルーニー・マーラ   (リスベット・サランデル)
       クリストファー・プラマー (ヘンリック・ヴァンゲル)
       ステラン・スカルスガルド (マルティン・ヴァンゲル)
       ロビン・ライト      (エリカ・ベルジェ)
       ジョエリー・リチャードソン(アニタ・ヴァンゲル)

解説:
2009年に本国スウェーデンでも映像化された原作を、「セブン」「ソーシャル・ネットワーク」のD・フィンチャー監督が再映画化。前回の映像化以上に、原作に盛り込まれた膨大な情報量(ヴァンゲル家の家系の説明など)を反映させるという、同監督らしい凝った演出が光る(アカデミー賞では編集賞に輝いた)。スターの顔ぶれの華やかさもハリウッドらしく、6代目007スターのクレイグもカッコいいが、「ソーシャル~」で小さな役だったR・マーラが本作では熱演して大化け。アカデミー主演女優賞候補になった。
 (WOWOW)

あらすじ:
社会派ジャーナリストとして雑誌「ミレニアム」に所属するミカエル・ブルムクヴィスト。そんな彼に大財閥ヴァンゲル・グループの前会長ヘンリック・ヴァンゲルからある仕事の依頼が入る。それは、40年前に一族が住む島から忽然と姿を消した少女ハリエット・ヴァンゲルの失踪事件の調査だった。姪であるハリエットを可愛がっていたヘンリックは彼女の失踪について忘れることが出来ずにおり、一族の誰かがハリエットを殺したのだと信じ切っていた。
盗人、守銭奴、ゴロツキどもの化けの皮をはがし、真実を明らかにしてくれるよう言われたミカエルは、この調査を引き受けるが-





The Girl with the Dragon Tattoo_15年間を通して東京よりも8~10度ほど平均気温が低いスウェーデンの首都ストックホルム。そのストックホルムよりまだ北に位置する小さな町ヘーデスタの沖合に浮かぶ島ヘーデビー。ここはストックホルムに住む人が「北極」と揶揄するほどの極寒の世界(どちらも架空の地であるが)。
本作ではここヘーデビー島が舞台となり、フィンチャー監督が得意とする「閉塞感が人を押しつぶしていく」様子を描いていく。

The Girl with the Dragon Tattoo_03この島はスウェーデンの大財閥ヴァンゲル家が所有しており、一族のほとんどがこの島に住み、各屋敷を構えている。当主にあたる一族の長ヘンリック・ヴァンゲルは大金持ちでありながら常識人でもある。その彼が長年心を痛めている過去のある出来事。それは、可愛がっていた姪ハリエットの失踪事件だ。

40年前のその日は町のパレードにあわせて、ヴァンゲル家でも一族の晩餐会が催されていた。しかし島と町を結ぶ橋で事故が起き、人命救助のために人々がばたばたしている間に16歳の少女ハリエットの姿が忽然と消える。
海に囲まれたこの島と町を結ぶのは1本の橋だけであり、事故で警察もたくさん出ていたが誰も見かけておらず船も無くなっていない。神隠しにあったように失踪してしまったハリエット。ヘンリックは消去法で考えていった結果、一族の誰かがハリエットを殺害しどこかに埋めたと確信した。しかし島内全てを掘り返すわけにもいかず、事件は少女行方不明のまま迷宮入りしたのだった。

The Girl with the Dragon Tattoo_1440年経ってもなお心を痛めていたヘンリックが、この事件に決着をつけるため事件の調査を依頼したのがジャーナリストのミカエル・ブルムクヴィスト。ちょうどミカエルは名誉毀損の罪で有罪になり多額の賠償金を支払うことと引き替えに身体は空いていた。事件の詳細をヘンリックに聞いて興味を持ち、調査を引き受けることにした彼は、調査の助手が欲しいと願う。そして紹介されたのが天才的ハッカーであり、調査のプロであるリスベット・サランデルであった。
ミカエルは、この無口で無愛想な奇妙な相棒リスベットとともに、事件を一から見直し調査していく。しかしそれは、いみじくもヘンリックが「盗人、守銭奴、ゴロツキども」と評した、大財閥ヴァンゲル一族の深い隠された闇を暴いていくことになっていく-。

    


本作は、このハリエット失踪事件を軸に
 ・名誉毀損で訴えられ、真実を追究するジャーナリストとして自分の仕事に行き詰まったミカエル
 ・その複雑な生い立ちと後見人の付いた立場で自由に行動できないリスベット
 ・お金はあってもがんじがらめなヴァンゲル一族
などの閉塞感漂う人間達が、雪と氷の世界でもがく姿を描いていく。
The Girl with the Dragon Tattoo_22本作では、もがく人々は善良な人であり、自由に行動をしている者は悪意に満ちた人間となっているが、実はそれは当たり前のことで、人が社会の中で生きていくためには、それ相当の規律が必要であり、と同時に不自由な思いもするものなのだ。
社会の中で生活しながら、自己の自由のみを追求するとどうなるか。それは色々な意味で他人を傷つけることになる。本作のハリエット失踪に関わった人間も同じであり、結果、その悪意に満ちた人間は自由を失うこととなった。
そして真実を追究し、必要以上に巻かれていた固い鎖から解き放たれた者は、一つ前進することが出来た。

..なーんて、抽象的に書いてみたが、この作品の「悪意に満ちた人間」には心底吐き気がする。この研ぎ澄まされたような白銀の世界には全く似つかわしくないほど、どろどろとしていやらしく辟易する。
このあたりの「静と動」、「気温の低さ」はスウェーデン版よりも本作の方がより伝わってきた。
しかしリスベット・サランデルについては、奇妙でとらえどころが無く、性別不詳、年齢不詳な感じはスウェーデン版ノオミ・ラパスの方が上(でも美女に化けるシーンではルーニー・マーラの勝ち
The Girl with the Dragon Tattoo_24 The Girl with the Dragon Tattoo_13

原作は三部作となっており、スウェーデンでは全て映画化、ハリウッド版もこの第1部の後、第2部・第3部の映画化が決まっているらしい。ハリウッド版もよくできていたので今から楽しみ。

 「ミレニアム」スティーグ・ラーソン著
   第1部 :ドラゴン・タトゥーの女
   第2部 :火と戯れる女
   第3部 :眠れる女と狂卓の騎士


スウェーデン版3作の中では、事件の中身の面白さと、よりリスベットが中心となっていく「第2部:火と戯れる女」が一番面白く、第3部はちょっとくどい印象を受けた。




さて、登場人物はそう多くは無いのだが、会話の中にだけ出てくるヴァンゲル一族の人物を含めると、ちとこんがらがるかもしれません。ようくヘンリックの話を聞いて整理しながら観ていくときちんと分かるようにはなっています。
ハリエットに一体何が起きたのか?
ハリエット失踪に関わったその人物こそ、一番自由を求めてもがいていた人かもしれません。
ではまた





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『モンスター』(2003) - Monster -

Posted by momorex on   0  0

暗い夜の公園。所々にぽつんぽつんと立つ外灯が浮かび上がらせる、その男のシルエット。横を向くその男の口元は心なしか笑っているように見える。私はその男から逃げている。もうかなり走って逃げているが、その男は宙を浮くような足取りでどんどん追いかけてくる。はあはあと息を弾ませながら後ろを振り向く。その男はどちらから向かってくるのか、どっちへ逃げればいいのか。首を伸ばして暗闇に目をこらした瞬間、その男は目の前にぬっと現れた。「っあっ!」と声を出した瞬間、目が覚めた。
夢だった。これほどまでの悪夢は久しぶりに見た。その夜、寝る前に観たものは『モンスター』だった。


Monster_00
■モンスター - Monster -■ 2003年/アメリカ・ドイツ/109分
 監督 :パティ・ジェンキンス
 脚本 :パティ・ジェンキンス
 製作 :クラーク・ピーターソン、シャーリーズ・セロン他
 撮影 :スティーヴン・バーンスタイン
 音楽 :BT
 出演 :シャーリーズ・セロン(アイリーン・ウォーノス)
     クリスティーナ・リッチ(セルビー・ウォール)
     ブルース・ダーン(トーマス)
     リー・ターゲセン(ヴィンセント・コーリー)
     アニー・コーリー(ドナ)

解説:
“世界で最も美しい50人”に選ばれたこともあるなど、うらやむばかりの美貌の持ち主として知られるハリウッドの人気女優セロン。だが、そんな彼女が本作では体重を13kg以上も増やし、実在の女性連続殺人犯という汚れ役に体当たりで挑戦。鬼気迫る熱演を披露し、アカデミー賞、ゴールデン・グローブ賞ほか、数々の映画賞で主演女優賞をみごとに独占した。共演するC・リッチの繊細な好演も見逃せないところだ。監督はこれがデビュー作となるP・ジェンキンス。
 (WOWOW)

あらすじ:
1986年、フロリダ。道ばたでヒッチハイクを装い客を拾う娼婦アイリーン。長年のそういった毎日に疲れ切っていた彼女は、ある場末の酒場で一人の少女と出会う。その少女、同性愛者のセルビーは、それゆえに家族からもつまはじきにされ、孤独を募らせていた。2人は互いに惹かれ合い、どこか遠くで一緒に暮らそうと夢を見る。
セルビーを食べさせるため、ますます客をとることになったアイリーンは、ある日暴力的な男の車に乗ってしまい、自分の身を守るために男を殺してしまう-





ずっと前に一度観て、なんて後味の悪い作品なんだと思っていた本作『モンスター』。でも後味の悪い作品というのは、ほとんどの場合何故かまた観たくなるもので、そろそろまた観たいと思っていたらちょうど放送があった。
結果、記事冒頭に書いた悪夢を見る羽目に

Monster_0510代半ばに妊娠した事を理由に家を追い出され、道端で客をとって生きてきた娼婦アイリーン。年齢よりも老けて見える彼女だが、30もとっくに過ぎ実際(娼婦としては)もう若くはない。疲れ切った身体を引きずるようにやって来た高速道路の高架下。雨の降る中、座り込んで俯く彼女の手には銃があった。

幹線道路脇に建つ安酒場で出会った少女セルビー。
誰のことも信じず、背中を向けて生きてきたアイリーンの目に最初は映らない彼女だったが、一人寂しそうにして猫のようにすり寄ってきた彼女を無視することは出来なかった。
同性愛であることを隠そうともしない彼女に最初は警戒したアイリーンだったが、次第に話がはずみ意気投合する2人。孤独な傷口を癒やし合う2人は、お互いがかけがいのない者へと変わっていく。

Monster_03しかし、2人は似たもの同士のようであって実は違う。
肩を怒らせ、決して弱みを人に見せないように1人で生きてきたアイリーンと、同性愛者であることで肩身の狭い思いをしながらも仕事をして自立しようともせず、親や知り合いに面倒を見てもらっているセルビー。
この時からセルビーの面倒をみるのはアイリーンとなった。

その結果、ますます客をとって金を稼がなくてはならなくなったアイリーン。疲れた身体に鞭打ち、今日も道路脇に立って親指を上げる。その日の客は人を小馬鹿にしたようないやなヤツだったが、仕事と割り切り助手席に滑り込んだ彼女。そうしているうちにその男は、アイリーンの頭を殴り気絶させてロープで縛り上げた。命の危険を感じた彼女は、咄嗟に鞄の中から銃を取り出し男に向けて撃つ。撃つ。撃つ。

Monster_06こうして金と車を手に入れたアイリーンは、この罪を続けていくことになる。
最初は正当防衛であったのが、次からは強盗が目的となり、男を拾っていく。セルビーには黙っていたが、次々持ち帰る大金と車。ちょっと考えればよくないことをしていると分かったはず。
それでも、今までビールとタバコのためだけに身体を売って生きてきたアイリーンにとっては、セルビーは大事な宝物だった。彼女にとっては初めて「人を愛し、人のために生きる」ということを教えてくれた存在だったのだ。

短い間に起きた連続殺人は、世間を大いに騒がせ震撼させた。犠牲者の中に警察関係者がいたこの事件はマスコミに連日取り上げられ、警察はどんどん2人を追い詰めていく。
そしてアイリーンは捕まった。




Monster_01この事件は、1989~1990年にかけて実際あったものだ。
逮捕され、殺人の罪で起訴、裁判にかかったのはアイリーンだけ。セルビー(仮名)は、警察と取引し逮捕を免れた。
荒れた肌、ボロボロの並びの悪い歯、後ろにすべてかき上げ、なで付けられた髪。落ち着きなく視線の定まらない目。その目をギョロリと見開き、挑むように話す態度。これらの様子は、手錠をかけられた裁判中も変わらなかった。
しかしその裁判に証人として出廷し、裁判官に答えて自分を真っ直ぐ指さしたセルビー(仮名)を見たとき、アイリーンはどのような表情をしていたのだろうか。本作内では、悲しげな表情を少し見せただけであったが..。

犠牲者は7人。「何の罪もない、良き父、良き夫」とマスコミによって紹介されたことだろう。
アイリーンは生まれたその時から娼婦であったのでも殺人者であったのでも無い。4歳の時に母親に捨てられ、精神病を患っていた父親は強姦罪で服役中に自殺した。兄とともに祖父母に育てられたが、愛情あふれる家庭環境であったとは言いがたい。
14歳で妊娠、出産した子は養子に出され、その時から学校には行かず娼婦として生きてきた。

いったい誰がモンスターなのか?

女性監督パティ・ジェンキンスは観る人に問う。
そして観る者は、とても細やかでリアルなこの作品にショックを受け、悪夢を見る羽目になる。
アイリーン・ウォーノスは有罪判決を下され、6件の死刑宣告を受け、2002年に薬物注射によって死刑が執行された。
Wiki:アイリーン・ウォーノス

ではまた





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