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momoな毎日

古いカルト映画から最新アクション、海外ドラマまでいろいろレビューしています。好物はオカルト、サイコ、殺人鬼、吸血鬼、廃病院、エイリアン、人魚、ローマ時代などなど。結果的にホラーものが増殖中。

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『マッドマックス』(1979) -Mad Max-

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entry-image_16


Mad Max_62

■ マッドマックス - Mad Max - ■
1979年/オーストラリア/94分
監督:ジョージ・ミラー
脚本:ジェームズ・マッカウスランド、
   ジョージ・ミラー
撮影:デヴィッド・エグビー
音楽:ブライアン・メイ
出演:
メル・ギブソン(マックス・ロカタンスキー)
ジョアン・サミュエル(ジェシー・ロカタンスキー)
スティーヴ・ビズレー(ジム・グース)
ヒュー・キース・バーン(トゥーカッター)
ジョフ・パリー(ババ・ザネッティ)
ティム・バーンズ(ジョニー・ザ・ボーイ)
ロジャー・ワード(フィフ・マカフィー)
ヴィンス・ギル(ナイトライダー)
スティーヴン・クラーク(サース)
ジョン・リー(チャーリー)



■あらすじ
荒廃した近未来。暴虐の限りを尽くす暴走族集団が横行していた。
暴走族取締を専門にしていた警官マックスは相棒の死をきっかけに上司に辞表を出し、愛する家族と一緒に休養の旅に出る。が、旅先でトゥーカッター率いる暴走族集団に絡まれ、妻子を惨殺されたマックスは復習の鬼と化す-




監督はジョージ・ミラー
George Miller
『マッドマックス』で監督・脚本を担当し、長編映画デビューを果たした。
この作品で大注目された後は、プロデューサーや脚本家の位置づけでも活動している。

■主な作品
・マッドマックス Mad Max (1979年) 兼脚本
・マッドマックス2 Mad Max2:The Road Warrior (1981年) 兼脚本
・トワイライトゾーン/超次元の体験 Twilight Zone: The Movie (1983年)
・マッドマックス/サンダードーム Mad Max Beyond Thunderdome (1985年) 兼製作・脚本
・イーストウィックの魔女たち The Witches of Eastwick (1987年)
・ロレンツォのオイル/命の詩 Lorenzo's Oil (1992年) 兼製作・脚本
・ベイブ/都会へ行く Babe: Pig in the City (1998年) 兼製作・脚本
・ハッピー フィート Happy Feet (2006年) 兼製作・脚本
・ハッピー フィート2 踊るペンギンレスキュー隊 Happy Feet2 (2011年) 兼製作・脚本
 
ハードなバイオレンス作品は『マッドマックス』くらいで後はファンタジーなものが多いのは意外だった。

主演メル・ギブソン
Mad Max_17
この『マッドマックス』で注目され『リーサル・ウェポン』(1982)シリーズで人気が確定した。
今の今までオーストラリアの人と思ってたんだけどWikiによると1956年アメリカ生まれ。父親の事業の失敗で1968年に家族でオーストラリアに移住したということだ。
多数の出演作以外にも監督作として『ブレイブハート』(1995/アカデミー監督賞受賞)、『パッション』(2004)、『アポカリプト』(2006)がある。
 自分が好きな出演作は『サイン』(2002)です。




公開から30年以上たつのにこの日本でもコアなファンが多いこの映画(自分含む)。
どういったところに魅力があるのか?
300-6.png

世紀末思想

世紀末(せいきまつ)とは、一つの世紀の終わりの時期、世紀の末のことである。当然、どのような紀元の暦法であれ「世紀末」は存在するが、日本語では特に断りがなければ西暦の世紀末を指すのが一般的である。歴史的には、19世紀末の西洋文化思潮(Fin de siècle)を指す語として用いられる。
本来、「世紀末」という語自体は価値中立的であるが、日本では「世の終わり」と混同されることがままある。
  Wikiより



このように本来の意味から一人歩きした「世紀末」という概念(荒廃した世界、未来への絶望)が1980~1990年代に映画や小説等フィクションの中で設定として使われるようになった。Wikiによるとその元となったのが『マッドマックス』や『北斗の拳』らしい。偉大だ。
ではなぜこれが人々に受け入れられるのか?
今の不満を全部捨てて何かの節目にかこつけ新しいことがしたい、新しいものが欲しい!
「世紀末」もの作品には必ずと言っていいほどヒーローが登場し問題を解決してくれる。
ようするに何か新しいことを始める際に抱く不安感、恐怖感をヒーローが拭い去ってくれるのだ。

1980年前後の日本にはこの『マッドマックス』のように暴走族が蔓延りだしていた。箱乗りした車で、五月蠅いバイクで、旗を振り暴走し一般車を襲撃。ホントにあったんです(当時、土曜の夜は車を出すなと言われたほど)。
日本でこの映画が人気なのはこんな理由もあるのかな、と思ってみたり。

かっこいい車と日本製バイク
(1の暴走族嫌悪と相反するようですが)
キュルキュルキュルーーッ’とタイヤを鳴らせて次々と出てくるんです。
※1970年代は日本でもフェラーリやランボルギーニなどの「スーパーカー」がブームになった。
元々低予算なのにその大半を改造につぎ込んだ警察車「インターセプター」他一般車両、暴走族達のHONDA、KAWASAKIバイク。
それらを使ったクラッシュシーンは今のCGなんかを使ったものとは違って「生」の演出を多用。実際、クラッシュしたバイク運転手が頭を打って死亡したという噂があったほど(否定する意見もあり)。

Mad Max_10 Mad Max_50
Mad Max_24 Mad Max_26

では有名なクラッシュシーンなんかの一部をご覧ください。

Mad Max_07 Mad Max_16 Mad Max_14 Mad Max_43 Mad Max_52
Mad Max_30


個性強烈な登場人物
主演メル・ギブソンはじめ脇を固める個性豊かな俳優達はほとんど知られていなかったため、特に暴走族側の人はかなりリアル。実際に台詞の無い一部暴走族は当時オーストラリアで社会問題となっていた本物を登用。真実味を持たせかつ制作費を安く上げたということ。
Mad Max_47 トゥーカッター(ヒュー・キース・バーン)
Mad Max_03 ナイトライダー(ヴィンス・ギル)
Mad Max_39 ババ・ザネッティ(ジョフ・パリー)
Mad Max_55 ジョニー・ザ・ボーイ(ティム・バーンズ)

Mad Max_33 ジム・グース(スティーヴ・ビズレー)
Mad Max_20 フィフ隊長(ロジャー・ワード)
Mad Max_36 クラブ歌手


悲しきヒーロー
相棒の死後フィフ隊長に辞表を出したマックス。その理由を聞かれて「(暴走族を追って)暴走することが楽しくなってきた。それが怖い」と答える。
家族の敵を討って暴走族達を次々と血祭りにあげたマックス。
全てが終わった時、彼が感じたものは?







荒廃した砂埃舞う地に、傍若無人の輩が跋扈する世界観を描く『マッドマックス』。
この地に何があり荒廃してしまったのかはこの作品内では語られていないが、いつの時代にも置き換えることができる舞台設定と言える。
これが後の国内外の多くの作品に影響を与えた理由と言えるだろう。





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ではまた


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『フォーリング スカイズ』 -Falling Skies-

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スティーヴン・スピルバーグ製作総指揮、ノア・ワイリー(『ER 緊急救命室』)主演のSF大作ドラマ『フォーリング スカイズ』1話目がスター・チャンネルで先行無料放送してたので期待を込めて視聴。

Falling Skies_07


楽しみにはしていたが、同じくスピルバーグ製作総指揮『Terra Nova』は自分にとっては残念だったので、視聴に際して油断をおこたらないよう注意した

簡単なあらすじ-
エイリアンに侵略され軍隊もほぼ壊滅状態になったボストン郊外の町が舞台。
わずかに残った軍人、市民達が力を合わせ戦い、生き残る道を模索する-

 製作総指揮:スティーヴン・スピルバーグ
 監督:   グレッグ・ビーマン(『ヒーローズ』、『メルローズ・プレイス』)
       セルジオ・ミミカ=ゲッザン
       (『ヒーローズ』、『ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ』)
       フレッド・トーイ(『LOST』、『フリンジ』、『Hawaii Five-O』)
 出演:   ノア・ワイリー    (トム・メイソン『ER 緊急救命室』)
       ムーン・ブラッドグッド(アン・グラス『バーン・ノーティス』)
       ウィル・パットン   (ウィーヴァー大佐『アルマゲドン』)
       ドリュー・ロイ    (ハル・メイソン『ハンナ・モンタナ』)
       コナー・ジェサップ  (ベン・メイソン『サドル・クラブ』)
       マクシム・ナイト   (マット・メイソン『クリミナル・マインド』)
       サラ・カーター    (マーガレット『CSI:NY』)
       セイチェル・ガブリエル(ルルド『エアベンダー』)


今作のテーマは「危機的状況と家族愛、人間愛」と思われる。
このテーマはスピルバーグが繰り返し描いてきたもので、設定にSFを選ぶことも多い。





ターミネーター』を思い出させる暗闇の中の緊迫した戦闘シーンから始まる一話目。
プライベート・ライアン』好きには‘おっ!?’と思わせ掴みはOK。
でもごたごたした「家族愛」が苦手な自分は後半は少し退屈だった。
まだ一話目でなんとも言えないが、戦闘、戦闘また戦闘が好きなバイオレンス型人間には物足りなさがあるかも。


主演はノア・ワイリー(トム・メイソン役)
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ER緊急救命室』(1994~)ジョン・カーターで有名。その後はあまりぱっとせず、インディー・ジョーンズもどき(注)に出てたのを見たときはがっかり感が半端無く襲ったものだ。
今回は3人の息子の父親で文学とアメリカ史の教授でありながらレジスタンスで活躍するという骨太な男を熱演。ありがとうスピルバーグ。
   注)『ライブラリアン 伝説の秘宝』(2004)
     『ライブラリアン キング・ソロモンの呪文』(2006)


他にも『アルマゲドン』(1998)でダメな親父を演じたウィル・パットンが軍人役で出演
Falling Skies_09
上官から市民達を安全な地へ移動させる大役を命じられるが、どこか不安が残る。




現在「エイリアン」はすっかり市民権を得て普段の生活の中に馴染んでいる。
が、そもそも「エイリアン」という言葉は比較的最近使われるようになったもので昔は「宇宙人」と言っていた。

エイリアンとは!?
alien 001 -s_Polaroidエイリアンの元々の意味は‘外国人、異邦人’。それが宇宙人(=地球外生命)を指すようになったのは1979年のリドリー・スコット監督作『エイリアン』(Alien)の影響が大きいだろう。
それまでも『地球の静止する日』(ロバート・ワイズ監督 1951年アメリカ)、『火星人来襲』(ラジオ放送 1938年アメリカ)、『宇宙戦争』(バイロン・ハスキン監督 1953年アメリカ)等々で宇宙人=敵という構図は人々に刷り込まれていた。
特に1938年のハロウィン特別番組『火星人来襲』はまるで緊急ニュースのような形で生放送され、多くの聴取者が実際の火星人侵略が進行中であると信じパニックを引き起こした、と言われている。

以上のような「エイリアン=人類の敵→一つになって戦う」という構図は実は第二次世界大戦後起こった東西冷戦時のアメリカにおいて「ソ連=アメリカの敵→一つになって戦う」に置き換えられることが出来る(そうだ)。
今はまだ弾が飛び交っているわけではないが、いつ敵が攻めてくるか分からない状態なんで何か起こった時には国民のみなさん、よろしくお願いしますよというようなところかな。
なのでこういった一連の映画は実は‘政府’が映画会社に依頼して制作させたという話もあるほど。
あのアポロ11号の月面着陸シーンも実はハリウッドで撮影されたという噂もありますよね。
まあ、どちらにせよ全ては陰謀好きな人の想像の域を出てはいないんですが-


そんな中「エイリアン=人類の敵」で認識されていたところに「エイリアン=人類の友」として一石を投じた作品がこちら。
 未知との遭遇(Close Encounters of the Third Kind, 1977年)

 E.T.(E.T. the Extra-Terrestrial, 1982年)

どちらもスピルバーグ監督作。
今度は味方として描けと‘政府’から依頼があったんでしょうか

以後、フィクションの世界でエイリアンは敵、味方どちらでも自由に描かれるようになり多数の作品が生み出されている。この恩恵にあずかれる自分は幸せだなと思います。




この『フォーリング スカイズ』ではエイリアンは言うまでもなく完璧なる敵として描かれている。一つになって戦うまもなく、地球は彼らに乗っ取られ生き残った人類のほとんどは逃げ惑うばかり。
この一話目ではエイリアンの母船とたくさんのUFO、そしてエイリアン2体が拝める。この2体の造形は人類にはほど遠く、1体は生命体、レーザー銃をがんがん撃ってくるもう1体はロボットなのかな?このロボットの方が比較的ヒトの形に似ていることが面白く感じられた。
小さく載っけておきます。
Falling Skies_17 Falling Skies_18

フォーリング スカイズ』はスター・チャンネルで独占放送。
 ・二カ国語版 4月14日より毎週土曜日 夜8:00
 ・字幕版   4月16日より毎週月曜日 夜9:00

全10話なので予定では最終話が6月半ば。
初放送同時に全部見ようとすると3ヶ月スターチャンネルを契約することになるじゃないか。。
しばらく考えよう。

ではまた



designed by *ま~ぶる*
2012年7月21日追記
■『フォーリング スカイズ』シーズン3の製作が決定! →海外ドラマNAVIの記事
7月18日からシーズン1のDVD販売及びレンタルが開始されました。

 やけに力の入っているamazonの特集ページ
   Amazon.co.jp: 『フォーリング スカイズ / Falling Skies』特集

 


 借りるなら
  TSUTAYAも力を入れていたフォーリング スカイズ<ファースト・シーズン> - TSUTAYA online
    
  


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『狼たちの報酬』(2007) -The Air I Breathe-

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The Air I Breathe_01


出口を探す物語-

順調に人生を歩んできた真面目な銀行マン。
職もあり家もある。
だが足りない。自分はもっと大きなものを掴むはずだと考えている。

未来のかけらが透視できるギャングの手下。
未来が見えても状況は変わらない。未来を変えることは出来ない。
その事に耐えるだけの寡黙な男。

人気ポップスター。
虚像である自分に慣れてしまっている。
幼いときに目の前で父を亡くし喪失感に苛まれているが、本人は気づいていない。

清潔感漂う医師。
学生時代から愛していた人は親友と結婚。
3人今でも仲がいいが、その人をずっと愛し続けている。


そんな4人のオムニバス的な個々の話が絡み合う群像劇。
■狼たちの報酬■ 2007年/メキシコ・アメリカ/97分
 監督: ジエホ・リー
 脚本: ジエホ・リー、ボブ・デローサ
 出演: フォレスト・ウィテカー
     ブレンダン・フレイザー
     サラ・ミシェル・ゲラー
     ケヴィン・ベーコン
     アンディ・ガルシア
     ジュリー・デルピー


豪華な俳優陣を使った映画なのに日本劇場未公開。
DVDは2010年12月3日に発売されている。


いや、タイトルからフランスのフィルム・ノワール的なものか、マフィアものかと思ってた。
録画してたものを今日観て、群像劇好きにはいいもの拾った気分です。




名前の無い4人の登場人物。
それぞれの世界で自分が思っていたくらいには成功しているが満足とはいえず、何かを模索している。
結果的にその4人に探していたものを与えることになる狂言廻し役がギャングのボスというのが面白い。
しかしこのギャングのボスも今の仕事は時代遅れと感じ、次なる稼ぎの手段を探している。


銀行マンにフォレスト・ウィテカー
The Air I Breathe_02
親しい友人もなく、おどおどした毎日に嫌気がさしている。
いつもは存在感のある役どころが多いが、今作では日常に埋没するかのような小さな人間の役。
最後に開放感に満ちあふれ幸せな一杯な様子が描かれるが、晴れ渡った空と重なって印象的だった。
アメリカドラマ『ザ・シールド ルール無用の警察バッジ』での強烈な内部監査官キャバナーとはまるで違った役どころ。


ギャングの手下にブレンダン・フレイザー
The Air I Breathe_07
寡黙で影のある男役。
この人はちゃらけた『ハムナプトラ』なんかもいいけど、こういった役の方が断然いいですね。
クラッシュ』(2004)の検察役も良かった(これも群像劇ですね)。


ポップスターサラ・ミシェル・ゲラー
The Air I Breathe_09
この人は年を取らないんですか?
初めて見たのは確かアメリカドラマ『バフィー ~恋する十字架~』(1997~)。
呪怨 パンデミック』(2006)なんかとは比べものにならないほど綺麗でした。


医師ケヴィン・ベーコン
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珍しくさわやかな役どころ。
13日の金曜日』(1980)で殺された後、『フットルース』(1984)でブレイク。
出演作はたくさんありますが、自分はショーン・ペンティム・ロビンスと出演した『ミスティック・リバー』(2003)が気に入っている。



実は重要な役どころギャングのボスアンディ・ガルシア
The Air I Breathe_04
またギャングのボスです。
昔からの‘みかじめ料’やノミ屋の上がりだけではやってけないと考え行動を起こすがうまくいかない。
このボスだけが最後まで欲しいものを手にすることが出来ないと。ここが面白いところです。
アンディ・ガルシアの最高傑作は誰がなんと言っても『アンタッチャブル』(1987)だろうなぁ。
ケビン・コスナーロバート・デ・ニーロも霞むほどのかっこいいシーンがあったものです。
それからの出演作は大体観たけど残念なことに越えるもの無し。




この映画の最初にこんな名言が映し出されます。
 - 感情の波は、その形を長く保持できない -
ヘンリー・ウォード・ビーチャー牧師


一時の感情は一時的なものであって、いつまでも自分の中で続くものではないよ。本来の自分を見失うな、みたいな意味なのか。

ところでこの4つの物語にはそれぞれタイトル的なものが付いています。
 幸福 :Happiness
 希望 :Pleasure
 悲哀 :Sorrow
 愛  :Love
これらは彼らに足りないものであり、欲しているもの。
彼らは手に入れることができるのか。それは映画を観てのお楽しみ。
あ、ボスに付けるタイトルがあるとすれば
 欲  :greed
です。あってもあっても尽きないものですね。

ではまた



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『ゾンビランド』(2009) -Zombieland-

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くっきりはっきり明るいところでよく見える。楽しいゾンビ映画


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■ ゾンビランド - Zombieland - ■
2009年/アメリカ/88分
監督:ルーベン・フライシャー
脚本:レット・リース、ポール・ワーニック
撮影:マイケル・ボンヴィレイン
音楽:デヴィッド・サーディ
出演:
ジェシー・アイゼンバーグ
ウディ・ハレルソン
エマ・ストーン
アビゲイル・ブレスリン
大勢のゾンビのみなさんとビル・マーレー



あらすじ:
謎のウィルスに汚染された一つのハンバーガーが原因で世界全土の人類がゾンビ化。数少ない生き残りテキサスのオンラインゲームおたく大学生コロンバスは両親の住むオハイオへ向かっていた。ゾンビ撃退で壊れた車を捨てたコロンバスは自分とは真逆のワイルド筋肉射撃男のタラハシーに拾ってもらう。プロの詐欺姉妹とも合流し姉妹の希望であるゾンビがいないと言われているロサンゼルスを目指すが-



監督はルーベン・フライシャー
Ruben_Fleischer今作が長編デビュー作で、それまではテレビCM、ミュージック・ビデオの監督を務めていた。その経験は今作にもいかされている。
スローモーションとスピード感あふれる映像との組み合わせや、壊れたたくさんの車、多くのゾンビが出てくる雑多な場面も配置や動きが綿密に計算されており、何か全体がすっきりしていて無駄がない。
この『ゾンビランド』は高く評価され、3Dによる続編が企画されているが製作にはまだゴーサインが出ていない状態。そんななか「続編映画に代わって30分のTVシリーズ企画が進められている」とスクープされた(tv Groove/2011年10月現在)。
監督の公開済み最新作は同じくジェシー・アイゼンバーグ主演『ピザボーイ 史上最凶のご注文 30 Minutes or Less』(2011/ 監督・製作)。


主演コロンバス ジェシー・アイゼンバーグ
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1983年生まれ。童顔でこぢんまりした感じがどうもシャイア・ラブーフと重なる。
1999年にテレビシリーズの『ゲット・リアル』で俳優デビュー。テレビ映画やインディーズ映画などでキャリアを重ね『ソーシャル・ネットワーク』で主演マーク・ザッカーバーグ役に決定(シャイア・ラブーフも候補にあがっていた。やっぱりね)。この演技で第83回アカデミー賞・主演男優賞にノミネートされた。
 この映画でシャイア・ラブーフとの違いをはっきり認識しました。


タラハシー ウディ・ハレルソン
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オリバー・ストーン監督の話題作『ナチュラル・ボーン・キラーズ』(1994)で頭角を現した彼は、1996年ミロシュ・フォアマン監督の『ラリー・フリント』で実在のポルノ雑誌編集者を演じてアカデミー主演男優賞にノミネートされた。危険な男だけでなく間抜けな男も演じられるのが強み。
ナチュラル・ボーン・キラーズ』については2月20日のこちらのブログ記事で詳しく紹介させてもらってます。


詐欺師姉妹 エマ・ストーンアビゲイル・ブレスリン
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エマ・ストーンは1988年生まれ。2007年公開の映画『スーパーバッド 童貞ウォーズ』で長編映画デビュー。その後コンスタントに映画出演を続けている。

Zombieland_20アビゲイル・ブレスリンは1996年生まれ。2002年にM・ナイト・シャマラン監督作品『サイン』でメル・ギブソンの娘役で映画デビュー。『リトル・ミス・サンシャイン』(2006)でオリーヴ役を好演し、同年の放送映画批評家協会賞若手女優賞、東京国際映画祭女優賞を受賞。さらに第79回アカデミー賞では、史上4番目の若さ(10歳11ヶ月)で助演女優賞にノミネートされた。





今やゾンビは知らない人はいないほどその存在を定着させ、ホラーにコメディに大忙しだ。

ゾンビとは!?
おそらく実在するものではないので起源というのもおかしいが、Wikiではこうなっている。
Zombieゾンビは「生ける死体」として知られているが、元来は「お化け」や「妖怪」など『視認できる物の怪全般』を指す。ヴードゥー教のルーツであるヴォドゥンを信仰するアフリカ人は霊魂の存在を信じているが、こちらについては「目に見えないもの」として捉えている。 「ゾンビ」は、元はコンゴで信仰されている神「ンザンビ(Nzambi)」に由来する。「不思議な力を持つもの」はンザンビと呼ばれており、その対象は人や動物、物などにも及ぶ。これがコンゴ出身の奴隷達によって中米・西インド諸島に伝わる過程で「ゾンビ」へ変化し、対象も「不思議なもの」から「妖怪」へと変わっていった。


この説明ではまるで「早く寝ないと●●が来るぞぉ」の●●の言い伝えみたいですね。
いやでも実はですね、以前ヒストリー・チャンネルか何かで見たんですが、ゾンビ・パウダーを使ってゾンビを作る術がある と。
確か「うちの娘がゾンビになって墓から戻ってきた。ほらこの子です」って映像にも流れてました。
それは虚ろに一点を見て座っている娘さんで生気は無し。でも映画にあるように歩き回ったり走ったりもちろん人を食べたりはしてなかった。ほんまかいな、と思って見てたけど。
↑のWikiの続きにはこの「ゾンビパウダー」と「ゾンビ化」についても記述があります。詳しくはそちらで。



Whitezombieで、こんなゾンビが初めてフィルムに登場したのは驚くべき昔で1932年。
ドラキュラで有名なベラ・ルゴシ主演『恐怖城』(White Zombie)。タイトルの「White Zombie」というのは白人の設定だからかな。なかなか史実に忠実ですね。
ちなみにベラ・ルゴシ主演『魔人ドラキュラ』は1931年。

それからもぞくぞくと作り続けられ、とうとう登場
ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド/ゾンビの誕生』Night of the Living Dead(1968)
Night_of_the_Living_Dead ジョージ・A・ロメロ監督作。
理性の喪失、頭部の破壊以外は不死身など現在のゾンビの基本的なルールをつくった作品であり、全編に横溢するカニバリズムや反モラル的ラストなど、当時のタブーに挑戦した内容。
ゾンビはもちろん、人食い○○、暴力映画、ゲームなんかが溢れる現代とは違って当時は相当物議を醸したことでしょう。
でもこの時はゾンビはまだよたよたと歩いている。

この後は色々な亜流やおかしなものも含め、ありとあらゆるゾンビ映画が製作された。
 ・1978年 ゾンビ(Dawn of the Dead) ジョージ・A・ロメロ
 ・1979年 サンゲリア(ZOMBIE) ルチオ・フルチ
 ・1981年 ビヨンド(...E tu vivrai nel terrore! L'aldilà) ルチオ・フルチ
 ・1981年 死霊のはらわた(The Evil Dead) サム・ライミ
 ・1983年 スリラー(Thriller) マイケル・ジャクソン/監督ジョン・ランディス
 ・1985年 死霊のえじき(Day of the Dead) ジョージ・A・ロメロ
 ・1985年 デモンズ(Dèmoni) ランベルト・バーヴァ
 ・1985年 バタリアン(Return of the Living Dead) ダン・オバノン
 ・1989年 ペット・セメタリー(Pet Sematary) メアリー・ランバート
 ・1992年 ブレインデッド(Braindead) ピーター・ジャクソン
 ・2002年 28日後...(28 Days Later) ダニー・ボイル ← 走るゾンビの先駆け的作品
 ・2002年 バイオハザード(Resident Evil) ポール・W・S・アンダーソン
 ・2004年 ドーン・オブ・ザ・デッド(Dawn of the Dead) ザック・スナイダー
 ・2007年 REC/レック(REC) ジャウマ・バラゲロ、パコ・プラサ
 ・2008年 ダイアリー・オブ・ザ・デッド(Diary of the Dead) ジョージ・A・ロメロ

いやもうとても紹介しきれないので、興味のある方はこちらをご参照ください。



こんなもう、どうしようもないほどゾンビ映画飽和状態の中で作られた『ゾンビランド』。
ゾンビマニアにもホラーマニアにも普通の人にもなぜ受けたのか。
それはゾンビをやっつけるのが主題ではなく、ゾンビの世界でいつの間にか捨ててしまっていた個々の「人間性」を取り戻すことに主眼を置いたコメディだったからではないかと思う。
あくまでも軽く、あくまでもさらりと、人として人と関わり生きることを突きつけてくる。

  友人もいない家族とも希薄な孤独ゲーマーおたく
  子供を無くし銃だけを頼りに一人生きている男
  誰も信用せず人をカモって世渡りしている姉妹

あなたはどれにも当てはまりませんか?
自分は一つ当てはまるかも。。

ではまた



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Zombieland_10 Zombieland_15 Zombieland_17




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『ヘル・レイザー』(1987) -Hellraiser- WOWOW放送記念

Posted by momorex on   2  2

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2/3にWOWOWで放送された『ヘル・レイザー』3作。
3/27(火)にもう一度放送があるので予習と復習を兼ねて記事をしたためたいと思います。
※以前の放送紹介の記事はこちら


Hellraiser_31

■ ヘル・レイザー - Hellraiser -■
1987年/イギリス/94分
監督:クライヴ・バーカー
脚本:クライヴ・バーカー
特殊メーク:ボブ・キーン(『エイリアン2』)
音楽:クリストファー・ヤング
撮影:ロビン・ヴィジョン
製作:クリストファー・フィッグ
出演:
アンドリュー・ロビンソン(ラリー)
クレア・ヒギンス(ジュリア)
アシュレイ・ローレンス(カースティー)
ショーン・チャップマン(フランク)
ダグ・ブラッドレイ(ピンヘッド/魔道士)
グレイス・キルビー(フィメール/魔道士)
ニコラス・ヴィンス(チャタラー/魔道士)
サイモン・バムフォード(バターボール/魔道士)


あらすじ:
フランク・コットンが手に入れたルマルシャンの箱と呼ばれる小箱は、「組み替えることで究極の性的官能を体験できる」という伝説を持つ謎のパズルボックスだった。パズルの組み換えを成し遂げたフランクだが、同時にその肉体を失う。
数年後、フランクの弟であるラリーが妻子を連れて、現在は行方不明となっているフランクの家へ越して来た。ラリーの娘カースティーは、ラリーの新妻であり義母のジュリアが街の男達を家へ連れ込んでいることに気付き、2階の部屋へ侵入。彼女は、いなくなったはずのフランクがジュリアと共謀し、失われた彼の肉体を男達の血肉によって蘇らせようとしていることを知る。パズルボックスの正体を知らぬままにそれを奪って逃げるカースティー。何気なく触れるうち、偶然にもパズルの組み替えに成功した彼女の前に、異世界が姿を現す。

Wikiより




ホラー界のカリスマ魔道士‘ピンヘッド’初めての映画出演作。
Hellraiser_22ホラー界には愛すべきキャラクターがたくさんいるが、‘ピンヘッド’はその美とカリスマ性においていまだ他の追随を許していない。人間と議論することは好まず、「それがどうした」と切り捨てる強さを持つ一方で、地獄へ連れて行くべき人間をきちんと冷静に選び取る判断力をもあわせ持つ逸材。魔道士のリーダー。

そんな彼には人間界にもかなりのファンがおりまして、その出で立ちを賞賛するもの、その内面を探るもの、様々に研究されています。本当に面白い研究記事がたくさんあるので是非検索してみてください。わたしを検索


ピンヘッド率いる魔道士たち
フィメール
Hellraiser_20女性魔道士。
そのクールな外見とは裏腹に容赦なく人間をいたぶる。唯一リーダーピンヘッドの方向性に不満をぶつけることが出来る。

チャタラー
Hellraiser_19無口ではあるがその不気味な口元の歯を使い、カチャカチャカチャと人間を威嚇。簡単に恐怖のどん底に落とすことが出来る技を持つ。

バターボール
Hellraiser_21光に弱いのかサングラスを愛用。そのせいで一瞬人間らしくも見えるが、巨体を使った攻撃で相手をぶちのめす力業が得意なので気をつけたい。


彼ら4人の魔道士達が活躍するこの記念すべき第一作。
出てくる人間達は、‘ピンヘッド’に言わせれば赤子の手をひねるように簡単に操ることが出来るそうだ。
そもそも知識のあるなしに関わらず人間達が好きで回したパズルボックスなのだ。
呼ばれたから出て行き自分達の仕事を遂行しただけなのにギャーギャーとまるで被害者面。いい加減にして欲しいとは‘ピンヘッド’の談。




神の使いか地獄の使者か-
魔道士とは!?

魔道士とは本来「魔法使い」と同義だ。Wikiによると
魔法使いのうちでも、とくに賢明で思慮深く、魔法を正義及び善なる事のために使う者を「魔術師」(ウィザード)といい、「賢者」(ワイズマン)と同義であるとする作品もある。また日本語に翻訳した作品によっては訳者独自の訳語をたて、独立して自らの意思で魔法を使う者や導師的立場の者を「魔導師」、王侯などの命令で魔法を使う者や修行中の者を「魔導士」「魔道士」(団精二の訳語)というように表記を使い分けているものもある。


となっている。
これではピンヘッド達とはかけ離れている。
本作でピンヘッドは自らを「セノバイト」(Cenobite)とも呼んでいる。
セノバイト」とは「修道士」のことだ。修道士とはキリスト教において「修道誓願を立て禁欲的な信仰生活をする人」のこと。いわゆる神の僕であり、これまたピンヘッドとはほど遠い。
が、ここで一つ思い出して欲しい。
映画『ダ・ヴィンチ・コード』の修道士シラス。十字架の前で太股にシリス(棘付きの鎖)を巻き付け、自らの肉体を激しく鞭打つ「肉体的苦行」を行うシーン。

【苦行】とは 広義には自己統一と精神性の開発を目的とする自己修練をさすが、厳密な苦行は肉体を精神的至福に対立する悪とみなし、精神的至福を得るために自発的に身体に苦痛を与える宗教的手段をいう。

出典:世界大百科事典 第2版


日本にもある。断食、冬期の滝行、そして最も過酷な「即身仏」(そくしんぶつ)である。

そして本作のテーマは
快楽の源となる苦痛、拘束と恐怖の下での道徳性」。

どんどん難しくなっていくのはさておき、ピンヘッド達魔道士が悪魔か、天使か、と言われるのはこのあたりが理由だろうか。彼らが案内するのは単なる地獄でなく痛みによる「究極の快楽」の世界と拘束された中での「道徳」の世界。それを「地獄」と感じるか「至福」と感じるかは本人次第。それにより悪魔にも天使にもなる。
悪魔と天使は同義なのだろうか?





こんなごちゃごちゃ考えずとも充分楽しめるホラー『ヘル・レイザー』。
人間側の登場人物もささっとご紹介。

Hellraiser_14 ヒロイン カースティー

Hellraiser_07 Hellraiser_06
コットン家厄災の原因フランクと両親ラリージュリア


全編を通して映像はかなり凝っており、スプラッター好きにも充分満足できる仕上がり。
2011年までに計9作が作られ、本作のリメイクも予定されている。
一度はこの究極の世界を体感してみてはいかがでしょうか。

ではまた
『ヘルレイザー2』(1988)の記事はこちらです


WOWOW放送予定
 3/27(火) よる10:45  ヘル・レイザー
      深夜0:30  ヘルレイザー2
      深夜2:15  ヘルレイザー3





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『ヘルレイザー2』(1988) -Hellbound: Hellraiser II- WOWOW放送記念

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1作目に続き2作目をご紹介 ※1作目記事『ヘル・レイザー』(1987)はこちらです

Hellraiser2_20



■ヘル・レイザーⅡ -Hellbound-■ 1988年/イギリス/100分
 監督   :トニー・ランデル
 脚本   :ピーター・アトキンス
 音楽   :クリストファー・ヤング
 撮影   :ロビン・ヴィジョン
 製作   :クリストファー・フィッグ
 製作総指揮:クライヴ・バーカー、クリストファー・ウェブスター
 出演   :アシュレイ・ローレンス(カースティー)
       クレア・ヒギンス(ジュリア)
       ケネス・クランハム(チャナード)
       ショーン・チャップマン(フランク)
       イモジェン・ボアマン(ティファニー)
       ダグ・ブラッドレイ(ピンヘッド/魔道士)

魔道士達の手からかろうじて逃れたカースティーは起こったことを説明するも信じてもらえず、精神を病んだとして強制入院させられていた。その病院の院長チャナードは実は以前より「究極の快楽」をもたらすと言われているパズルボックスを詳しく研究しており、カースティーの話をヒントに継母ジュリアを蘇らせてしまう。ジュリアの手により魔界への扉が開く-


完璧な続編となる2作目。
精神病院に入院させられているカースティを中心に我らが魔道士達の活躍が今作も描かれている。


魔道士のリーダー‘ピンヘッド
Hellraiser2_211987年の1作目に続いての出演だが疲れは感じられない。
それどころか神々しさが増しているようだ。
今作ではパズルボックスを開けた人間を異界に連れ去る仕事の他に、自分達魔道士の敵とも言うべき「悪の魔道士」と戦うことになる。
また、魔道士達が以前はパズルボックスを開けてしまった普通の人間であったことも解き明かされる。悲しい過去の証明だ。

Hellraiser2_17
Hellraiser2_19
Hellraiser2_18
彼らも健在だ。フィメールは1作目より若干女性らしさが増したようにも思える。
上からフィメールチャタラーバターボール


今作では彼ら4人の魔道士がいい人に見えるほどのがお目見えする。
継母ジュリア
Hellraiser2_11あえてこの姿で紹介しよう。
1作目で自分の快楽のみを追求し魔界に取り込まれたかと思いきや、同じ穴の狢の手によって蘇り悪の限りを尽くす。
ピンヘッドには理性的な人間らしさが残っているのに比べこちらにはかけらも残っていない。自分の欲しいものを手に入れるためには、他人のどんな犠牲も厭わないこの世の悪魔だ。

医師チャナード
Hellraiser2_09「パズルボックス」にずっと興味を持っており詳細に調べていた医師。パズルボックスの持つ「究極の快楽」に抗うことが出来ずジュリアのいいなりになってしまう。
1作目に続き、今回も屋根裏部屋で惨劇が繰り広げられる。





この『ヘルレイザー』シリーズは魔道士の造形に代表するように恐怖心をあおるために美術を駆使し、忠実にホラーを再現している。

屋根裏部屋へと続く階段。
Hellraiser2_12 Hellraiser2_29

そしてその階段の先にある屋根裏部屋。ここでフランクやジュリアが蘇った。
Hellraiser_05
ホラー映画では何度も使われてきたシークエンスであるが、恐怖心をあおる事に成功している。

また今作で特筆すべきは魔道士達の住処である魔界。
Hellraiser2_23 Hellraiser2_26 Hellraiser2_28
どこまでも続く騙し絵の世界として登場する。
この理由はなんなのか。

騙し絵とは

騙し絵(トロンプ・ルイユ Trompe-l'œil)はシュルレアリスムにおいてよく用いられた手法・技法である。ただし、シュルレアリスムに限って用いられるものではない。フランス語で「眼を騙す」を意味し、トロンプイユと表記されることもある。今日では解りやすく「トリックアート」と呼ばれる事も多い。騙し絵の範疇に分類される様式はかなり広く、例えば次のようなものが挙げられる。

1.壁面や床などに実際にはそこに存在しない扉や窓、人物、風景などを描き、あたかも存在するように見せかける作品
2.平面作品に物を貼り付けて、絵の一部が外に飛び出しているような作品
3.3次元の現実ではありえない建築物を描いた作品(例えば、エッシャーの作品)
4.人体や果物・野菜などを寄せ集めて人型に模した作品(例えば、アルチンボルドや歌川国芳の作品)。寄せ絵、はめ絵という
5.普通に見ると人間の顔に見えるがさかさまにしたり、向きを変えたりするとまったく別の物に見える作品(例えば、ルビンの壷)
6.大きさや長さについて錯覚を起こさせるような作品
 Wikiより



無限を有限の中に閉じ込めた世界。目に見えているようでいない世界。錯覚の世界。
実は存在していない-

本当に魔道士達はいたのか。魔界はあったのか。
それは全て登場人物達の心の闇が躍り出ただけではなかったか。
これは『ヘル・レイザー』を観たあなただけが判断できることなのです。

ではまた

Hellraiser2_13




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『ヘルレイザー3』(1992) -Hellraiser III: Hell on Earth- WOWOW放送記念

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1・2作目に続き3作目ご紹介   ※1作目記事はこちら 2作目はこちら

Hellraiser3_01


■ヘル・レイザーⅢ - Hell on Earth-■ 1992年/アメリカ/93分
 監督   :アンソニー・ヒコックス
 脚本   :ピーター・アトキンス、トニー・ランデル
 音楽   :ランディ・ミラー
 撮影   :ジェリー・リヴリー
 製作   :ローレンス・モートフ、クリストファー・フィッグ
 製作総指揮:クライヴ・バーカー
 出演   :テリー・ファレル(ジョーイ)
       ケヴィン・バーンハート(J.P.モンロー)
       ポーラ・マーシャル(テリー)
       ケン・カーペンター(ドク)
       アシュレイ・ローレンス(カースティー)
       ダグ・ブラッドレイ(ピンヘッド/魔道士)


舞台はニューヨーク。
新人レポーターのジョーイは仕事がらみでたまたま居合わせた病院で、全身に鎖を食い込ませた患者が苦悶の末、頭部を爆発させて死んだところを目撃し、その謎を追っていく。
クラブを経営しているJ.P.。裏通りにある美術店で奇妙な彫像を購入する。その彫像は顔をゆがめた人や奇妙な赤ちゃんなどがたくさん彫りつけられており、まるで人間パズルのようなものだった。ある日たまたまその彫像に自身の血を飛ばしてしまったJ.P.は、その血を吸い取り蘇った魔道士ピンヘッドと対面することになる-




あー、、はっきり言ってこんなに落胆したことは久しぶりです。
ヘルレイザーといえば、見るだけで人を恐怖にたたき落とすことが出来る舞台設定と議論を挟む余地のない魔道士達の所行が醍醐味なのに、なんとこの『ヘルレイザー3』にはどちらも無かった。。
『ヘルレイザー1』で見た絶対近寄りたくない人里離れた古家の屋根裏部屋やパズルボックスへの期待感と絶望感、『ヘルレイザー2』で出てきた騙し絵のような世界観がばっさりと切り落とされ、単なるアクション映画と化してしまった。

Hellraiser2_20荘厳な感じさえ与える魔道士達の登場シーン。
逃げ場のない閉鎖空間での魔道士達との対峙。絶望。

Hellraiser2_02そして
パズルボックス-「究極の快楽」をもたらすもの
これを開けるのは人に隠れてこっそりと自分だけの世界でやらなくちゃ。
大勢の人が飲んで踊ってのクラブで開けて大勢に目撃された上、救急車を呼ばれるなんて。あーぁ

製作者は美男・美女と引き替えにこれらを悪魔に売り渡してしまったらしい。
Hellraiser3_02 Hellraiser3_03 Hellraiser3_05


では『ヘルレイザー』に何を求めたのか?
 -「怖いもの」です。

怖いもの見たさとは!?

それは「好奇心」。

好奇心(こうきしん)とは、物事を探求しようとする振舞い、気持ちである。高等な動物では、多くのものにそれがあると思われるような行動が見られる。自発的な調査・学習といった知的活動の根源となる感情。わからないものに対して、その理由や意味を知りたいと考えるのは、人間の根源的欲求であると思われる。
目新しいものに出会ったとき生まれるその他の心情としては恐怖が挙げられる。人間が目新しいものにぶつかった場合は、まず驚愕が先に立ち、それから好奇心が生まれるか恐怖が生まれるかのどちらかである。

Wikiより



太古の昔、海から上がり初めての哺乳類が誕生した頃は恐竜が闊歩している危険な時代だった。
小さな子豚ほどの大きさしかなかったネズミのような最初の哺乳類が生き抜いていくには危険察知能力がとても大事であり、危険かどうかを判断するにはきちんとした観察が必要。
対象に出来るだけこっそりと近づき、観察し、判断する。
成功すれば恐怖の対象として記憶し、失敗すれば捕食される。

それら膨大な記憶は人のDNAに蓄積されたが、地球を支配したかのような現代ではなかなか未知なるものに会うことはなく、自ら刺激を求めた先がホラーという名の娯楽なのかな、と思ってみたり。
明るいよりも暗い、大勢よりも一人の方が怖いのも、これらの記憶がなせる技なのかも。




以上のような理由により

Hellraiser3_09表情豊かで饒舌なピンヘッドは怖くない。
自らべらべらと話して正体を明かすものには興味はわかない。
得体の知れない、どう対処すればいいのか分からないものにこそ興味がわき、怖くなる。

Hellraiser3_16カメラやCDが突き刺さった魔道士達も滑稽。
今の時代に置き換えたとして、iPhoneやPS3が刺さってたとしたら笑えるだけ。


という結論が導き出されました。



ではこの頃、他にどのようなホラー映画が製作されていたのでしょう。
20世紀のホラー映画

映画草創期の19世紀末より、ホラー作品の製作記録は多くある。1891年にエジソンが「キネトスコープ」を発明し、リュミエール兄弟がそれを改良した「シネマトグラフ」を発表した1895年、アメリカのアルフレッド・クラークによって発表された『スコットランドの女王、メアリーの処刑』(『The Execution of Mary, Queen of Scots』あるいは『The Execution of Mary Stuart』)は世界初のホラー映画として名を挙げられる。ただし本作は14秒と非常に短いものであり、のぞき窓から映像を見てひとりで楽しむという、現代の「暗所で鑑賞する大衆娯楽」という映画のスタイルとはまるで異なるものであった。後のホラー映画に大きな影響を与えた始祖的存在としては、1920年のドイツ映画『カリガリ博士』が知られている。1922年の『吸血鬼ノスフェラトゥ』も著作権者の許可を得ない非公式作ながら、重要な映画と位置づけられている。  Wikiより





映像技術が発明された時より存在するホラー映画。
書物などの文字媒体、口を使った伝承、伝説、言い伝えなどを合わせれば、人間の歴史とほぼ同じと考えられる。

20世紀に入り、『魔人ドラキュラ』(1931)、『フランケンシュタイン』(1931)、『ミイラ再生』(1932)、『狼男』(1941)などモンスターものを経て、『サイコ』(1960)、幻の『シェラ・デ・コブレの幽霊』(1964)、『ローズマリーの赤ちゃん』(1968)が製作される。そしてゾンビもの金字塔『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』も1968年。
この後はホラー好きなら一度は観たことがある映画がシリーズ化もあわせ続々と製作されている。

1974
エクソシスト (The Exorcist)
 
悪魔のいけにえ (The Texas Chansaw Massacre)
1975
1976
オーメン (The Omen)
1977
サスペリア (Suspiria)
 
1978
ゾンビ (Zombie Dawn of the Dead)
米・伊
 
 
 
1979
ハロウィン (Halloween)
 
エイリアン (Alien)
1980
13日の金曜日 (Friday the 13th)
 
シャイニング (The Shining)
 
1981
死霊のはらわた (The Evil dead)
1982
遊星からの物体X (The Thing)
 
 
ポルターガイスト (Poltergeist)
1984
エルム街の悪夢 (A Nightmare on Elm Street)
1987
ヘル・レイザー (Hellraiser)
1988
チャイルド・プレイ (Child’s Play)
1996
スクリーム (Scream)
1997
ラストサマー (I Know What You Did Last Summer)
     ●はシリーズ化されたもの

では『ヘルレイザー3』が製作された1992年前後には何があるか調べてみると
・エクソシスト3(1990)
・エルム街の悪夢 ザ・ファイナルナイトメア(1991)
・チャイルド・プレイ3(1991)
・エイリアン3(1992)
・キャプテン・スーパーマーケット/死霊のはらわたIII(1992)
・13日の金曜日 ジェイソンの命日(1993)

などが製作されていた。
軒並み続編でホラーからコメディに転身したキャラクターも多い。
どうやら『ヘルレイザー3』だけが罪なのではないようだ。
1989年~1995年の間、新らしいキャラクター、設定による新作が無いあたりホラー映画の氷河期だったのであろうか(まるで最近のリメイク作品だらけの映画界を彷彿とさせる)。



ということで、どうなるかと思った『ヘルレイザー3』のこの記事。
色々と考察することでなんとか書き上げることが出来ました。
いつもお世話になっているインターネットさんとWikipedia様にこの場を借りてひっそりとお礼を申し上げます。

『ヘルレイザー4』以降も一度は観たはずなんだけど記憶が定かでは無いので、期待を込めてぜひ再見したい。そして出来れば1作目ではなく、この3作目をゴシックなホラーとしてぜひリメイクして欲しいと思うのでありました。


ではまた

Hellraiser3_14


WOWOW放送予定
 3/27(火) よる10:45  ヘル・レイザー
      深夜0:30  ヘルレイザー2
      深夜2:15  ヘルレイザー3


 最新作『ヘルレイザー : レベレーション』オフィシャルサイト
   東京:ヒューマントラストシネマ渋谷 3/3だけだったの?
   大阪:テアトル梅田 3/31(土)より1週間限定イブニングorレイトショー



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『アフターライフ』(2009) -After.Life-

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「わたしは生きている」

AfterLife_09


■アフターライフ -After.Life-■ 2009年/アメリカ/104分
監督:アグニェシュカ・ヴォイトヴィッチ=ヴォスルー
脚本:アグニェシュカ・ヴォイトヴィッチ=ヴォスルー、ポール・ヴォスルー
音楽:ポール・ハスリンジャー
撮影:アナスタス・N・ミコス
製作:ビル・パーキンス他
出演:
クリスティーナ・リッチ(アンナ・タイラー)
リーアム・ニーソン(エリオット・ディーコン)
ジャスティン・ロング(ポール・コールマン)
チャンドラー・カンタベリー(ジャック)
アリス・ドラモンド(ハットン夫人)
       

最近ギクシャクしている恋人同士の教師アンナと弁護士ポール。
ポールはシカゴへの栄転を機にアンナにプロポーズしようとするが切り出し方が悪く、別れ話と勘違いしたアンナは嵐の中レストランを飛び出し、車で事故を起こしてしまう。
目を覚ましたアンナに話しかけてきたのは葬儀屋ディーコン。
「あなたは事故で死んだので今から葬儀の準備を始める」と伝えられる-





優しくて愛を充分に伝えてくれる恋人がいるのに、心にぽっかりと穴が開いたような目をしたアンナに起こった出来事のお話。

愛していることを上手く伝えられない母親に育てられたアンナ。
子供時代に深く傷つき、親密になればなるほど裏切られ傷つくことを恐れ、恋人に心を開ききることが出来ない。

そんなアンナにクリスティーナ・リッチ
AfterLife_04
無表情な顔で心情を表すことができる女優さん。
『アダムス・ファミリー』(1991)に出演時は11才。その2年後に両親が離婚し自傷行為に走ったこともあったそうだ。
バッファロー'66』(1998)、『スリーピー・ホロウ』(1999)、『モンスター』(2003)などに出演し、ただの子役あがりでは無いことを見せつけた。

葬儀屋ディーコン リーアム・ニーソン
AfterLife_07
数々の出演作があり総じて正義感の強い「いい人」役が多いので、今作では最後まで‘ディーコン’をどう自分で判断すればいいか迷いました。落ちが分かった今でも色々と理由をつけてまだ考えてます。

恋人ポール ジャスティン・ロング
AfterLife_05スペル』(2009)でも同じような不運な恋人役と言われているけど、あまりいじめないでやってください。ジェイク・ジレンホールにもシャイア・ラブーフにもジェシー・アイゼンバーグにもなれずに立ち位置が中途半端になってしまったんでしょう。
自分は大好きなホラー映画『ジーパーズ・クリーパーズ』(2001)の弟役を思い出すことにしています。


こんな人も出ています。
ハットン婦人 アリス・ドラモンド
AfterLife_01
この人が分かる人はかなりの映画通と太鼓判を押しましょう。
3人のエンジェル』(1995)に出ていたたくさんのレコードを所蔵しているちょっとおかしなおばあさんです。1929年生まれで『アフターライフ』出演時は80才。お元気そうでなによりです。






この作品の落ちはDVD特典で監督があっさりと暴露されているそうなので、製作側の見解ははっきりしているんだけど、それをすんなり鵜呑みにしないのがあまのじゃくの自分であります。
これは受取り側である観客の自由な権利とも言えるかと。

はたしてアンナは生きているのか、死んでいるのか、生きてるやんやっぱり、あぁ違うやっぱり死んでる、と観ている間のほとんどずっと右往左往。
じゃあ葬儀屋ディーコンとは何者?
天使か、悪魔か、死に神なのか、やっぱりただの「見える」葬儀屋か?
一つ言えるのは、ディーコンが死者に対して愛と敬意を持って接しているということ。




この後はネタバレ入ります。






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『エクスペリメント』(2010) -The Experiment-

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ドイツ映画『es[エス]』(2001/原題:Das Experiment)のアメリカリメイク。
1971年にアメリカのスタンフォード大学で実際に行われた心理学実験を元に製作。
「Experiment」とはそのまま「実験」の意。

The Experiment_10


■エクスペリメント -The Experiment-■ 2010年/アメリカ/97分
監督:ポール・T・シュアリング
脚本:ポール・T・シュアリング他
原作:マリオ・ジョルダーノ
音楽:グレーム・レヴェル
撮影:アメリア・ヴィンセント
製作:マーティ・アデルスタイン他
出演:
エイドリアン・ブロディ(トラヴィス)
フォレスト・ウィテカー(バリス)
キャム・ギガンデット(チェイス)
クリフトン・コリンズ・Jr(ニックス)
イーサン・コーン(ベンジー)
マギー・グレイス(ベイ)
       
老人ホームで介護人のパートをしていたトラヴィスは予算削減で一時解雇されてしまった。反戦デモに参加するようなスタイルのトラヴィスだが今後の生活の見通しが立たなくなる。そんな時、「日当1000ドル14日間の心理学実験参加者募集」の広告記事を新聞に見つけ応募してみることにする。“きわめて安全な環境で行なわれ、危険はない。ただし、人権を侵害する可能性がある”と説明されるが-





映画『es[エス]』でそんな事があったのか、と多くの人に知らしめた「スタンフォード監獄実験」。
その内容は
1971年8月14日から1971年8月20日まで、アメリカ・スタンフォード大学心理学部で、心理学者フィリップ・ジンバルドー (Philip Zimbardo) の指導の下に、刑務所を舞台にして、普通の人が特殊な肩書きや地位を与えられると、その役割に合わせて行動してしまう事を証明しようとした実験が行われた。模型の刑務所(実験監獄)はスタンフォード大学地下実験室を改造したもので、実験期間は2週間の予定だった。
新聞広告などで集めた普通の大学生などの70人から選ばれた被験者21人の内、11人を看守役に、10人を受刑者役にグループ分けし、それぞれの役割を実際の刑務所に近い設備を作って演じさせた。その結果、時間が経つに連れ、看守役の被験者はより看守らしく、受刑者役の被験者はより受刑者らしい行動をとるようになるという事が証明された。
 Wikiより


禁止されていた看守役から囚人役への暴力行為がひどくなり、あまりにも危険な状態になったため途中で強制的に中止されたこの実験。
es[エス]』ではその実験内容がだいたい忠実に再現されている。
対してこの『エクスペリメント』では実験については全体的にやんわりと表現するに止め、個々人の本来持っている特性と普段の生活、実験への参加動機、実験中の行動、そしてどう変わっていくかが詳細に語られている。
es[エス]』がこの非人道的実験を告発する形であったのに対し、本作は現代において人間の善悪に対する考えとその行動を問う作品となっている。


ポール・T・シュアリング 監督・脚本
大ヒット海外ドラマ「プリズン・ブレイク」企画者・製作総指揮として広く知られ、筆頭脚本家でもある。2006年、ゴールデングローブ賞の作品賞(ドラマ部門)にノミネート

エイドリアン・ブロディ(トラヴィス)
The Experiment_01実験参加者選考テストで「道徳的判断の基準は?」と問われて「自分だ」とはっきり答える事が出来るトラヴィス。
決して傲慢ではなく自信に満ち、誠実に仕事をしていたトラヴィスが、実験で屈辱を受けて人権を踏みにじられ、どう変わっていくのかを見事に演じたエイドリアン・ブロディ
29歳という史上最年少でアカデミー主演男優賞を受けた『戦場のピアニスト』(2002)‘シュピルマン’を彷彿とさせた。2010年は『プレデターズ』も公開されている。
本作中、囚人になってからそのうち鼻の骨を折るのではないかとヒヤヒヤして観ていたのは内緒です。


フォレスト・ウィテカー(バリス)
The Experiment_03トラヴィスとは対照的に「絶対的な善悪の判断基準は?」との問いに「神を信じていれば自ずと判断できる。でしょ・・?」と答えたバリス。その他にも参加テスト時にボーイスカウトやドリルチーム(スポーツなどで、自軍チームの応援のために厳しく、正確に訓練された行進や体操などの模範演技を見せるチーム)の経験を語ったり、敬虔な教会信徒であることをアピールする。
そこには真面目で堅物なようでいて、実は自分の考えで行動できない自己不在が見て取れる。そんな彼が看守役になってどう行動するのか見てみたいのはこの研究者だけではないだろう。
フォレスト・ウィテカーはこの複雑な役を彼らしく演じた。
自分は『ラストキング・オブ・スコットランド』(2006)‘アミン’より最近観た『狼たちの報酬』(2007)のおどおどした銀行員の方がいいと思える。『フォーン・ブース』(2002)‘レイミー警部’も良かったな。それだけ嫌なやつ役が上手いということだけども。


キャム・ギガンデット(チェイス)
The Experiment_05軽薄な男チェイス。
自身のモットーは「女を食ってハッパを吸って笑顔で暮らせ」。犯罪すれすれのアメリカ下層階級代表を体現。
どっかで最近見たこの人、と思って調べてみてびっくり。『バーレスク』(2010)の‘ジャック’(主人公アリの恋人になるウェイター)だった。人はこうも変わるものなのか?
主な出演作にドラマ『The O.C.』、『トワイライト〜初恋〜』(2008)、『アンボーン』(2009)、『ザ・ルームメイト』(2011)などがある。29才。これからです。

クリフトン・コリンズ・Jr(ニックス)
The Experiment_06迫力満点、強面ニックス。
真っ当なお金を稼ぎたくて犯罪歴を隠し実験参加。刑務所に慣れているのか看守のやり過ごし方に詳しい。
睨みをいかした役柄が多いクリフトン・コリンズ・Jr。とりわけ『カポーティ』(2005)での実在の犯罪者‘ペリー・スミス’役が印象的。1970年ロサンゼルス生まれ。

イーサン・コーン(ベンジー)
The Experiment_09コミックではなくグラフィック・ノベルの作家だと主張するベンジー。いつか売れて有名になることを夢に持っているようだが現実は厳しそうだ。
あくの強い実験被験者の中で「ごく普通の人」を受け持つ係のようだ。



この作品でもう一つ重要な登場人物に「監視カメラ」がある。
カメラの向こうには実験を企画した心理学者がいるんだけども、被験者によって捉え方は様々だ。
The Experiment_07


トラヴィス
あちこちで常に自分を監視しているカメラは、まるで政府などの体制側の象徴のようでいまいましく見上げることが多い。が、いざという時には通信手段として利用しようとするなど臨機応変に対処できるものである。

バリス
行く先々で存在が気になって仕方がない。それは自分の頭を上から押さえつけて、もがいてもふりほどくことが出来ないものの象徴だ。それに支配され、それの僕になり、それなくては生きていけないほどだ。彼にとっての「それ」とはいったい何でしょう?

チェイス
一切気にしない。
あ、それでも一つの事だけにおいては人目を憚るだけの恥じらいはあるらしい。




社会の縮図を描いたようなこの作品。監督からのメッセージは全てトラヴィスに語らせているのでとても分かりやすい。が、登場人物とそれぞれの取った行動を考えたとき、いったい自分ならどの人に似ていてどう行動するだろうか、などと思い始めると寝られなくなること確実です。
いやだなぁ、もうこういうの

ではまた






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『カウボーイ & エイリアン』(2011) -Cowboys & Aliens-

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王道西部劇。ただし今回の悪者はエイリアン

Cowboys & Aliens_03


■カウボーイ & エイリアン -Cowboys & Aliens-■
2011年/アメリカ/118分
監督:ジョン・ファヴロー
脚本:アレックス・カーツマン、デイモン・リンデロフ、ロベルト・オーチー
原案:ホーク・オストビー他
原作:スコット・ミッチェル・ローゼンバーグ
音楽:ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ
撮影:マシュー・リバティーク
製作:ブライアン・グレイザー、ロン・ハワード、スティーヴン・スピルバーグ他
出演:
ダニエル・クレイグ(ジェイク・ロネガン)
ハリソン・フォード(ダラーハイド大佐)
オリヴィア・ワイルド(エラ)
サム・ロックウェル(ドク)
アダム・ビーチ(ナット・コロラド)
ポール・ダノ(パーシー・ダラーハイド)
       
1873年アリゾナ。荒野で一人目を覚ました男。
記憶は失われ、武器も無く、腹部には大けが。腕には奇妙な腕輪が嵌められていた。
たどりついた小さな町で自分はアウトローとして指名手配されている事を知る。
男のことを知っているような女、「奪った金(きん)を返せ」と詰め寄る町の支配者ダラーハイド。
そしてその夜、突如空に現れた未知なる敵が攻撃を開始した-





実はすごく楽しみにしていたこの映画。
世間での評価はあまりよろしくないみたいだけど、今の時代、珍しいほど単純明快な勧善懲悪ウェスタンとしてみれば最高の出来。

男前で銃の腕前ばっちりの主人公
謎めいた美女
町の実効支配者である南北戦争元大佐
支配者に頭の上がらない保安官
大佐の一人息子は父親の傘を着た厄介者
酒場の主人でもある医者
発砲することも厭わない戦う牧師
大佐に拾われ育てられたネイティブ・アメリカン
徒党を組む無法者たち、列車強盗
ゴールドラッシュ

とくればわくわくしませんか


監督はジョン・ファヴロー
Cowboys & Aliens_10端役で役者として出発。自分の体験を下に脚本を書き、主演もした『スウィンガーズ』(1996)で成功した。テレビシリーズ(『となりのサインフェルド』、『フレンズ』、『シカゴホープ』、『名探偵モンク』など)、映画作品(『ディープ・インパクト』『リプレイスメント』『デアデビル』など)に出演後、監督した『アイアンマン』(2008)が大ヒット。続編『アイアンマン2』(210)の監督も務め、更に両作で主人公スタークの運転手ハッピー・ホーガン役で出演している。 製作総指揮を務めた『アベンジャーズ』の公開が今年2012年夏に控えている。
アイアンマン、ハルク、マイティ・ソー、キャプテン・アメリカ、ホークアイ、ブラックウィドウ-そうそうたるアメリカンヒーローが一堂に会すスーパーヒーロー映画『アベンジャーズ』の紹介はこちら

記憶を無くした男ジェイク ダニエル・クレイグ
Cowboys & Aliens_05イングランド・チェシャー出身、第6代ジェームズ・ボンドの彼は1992年に『パワー・オブ・ワン』で映画デビュー。『愛の悪魔/フランシス・ベイコンの歪んだ肖像』(1998)のジョージ・ダイアー役でエディンバラ国際映画祭最優秀演技賞を受賞。その後、アメリカに進出し『トゥームレイダー』(2001)、『ロード・トゥ・パーディション』(2002)に出演。『007』シリーズに出演後も数々の作品に出演し、キャリアを磨き続けている。
今年2012年12月に『007』シリーズ23作目、自身主演3作目『007 スカイフォール』(原題:Skyfall)が公開。
ハリウッド大作出演の合間に名無しの麻薬ディーラーXXXX役で主演したイギリス映画『レイヤー・ケーキ』(2004)。小気味の良いスタイリッシュな犯罪劇が面白い。お勧めです。



町の実力者ダラーハイド大佐 ハリソン・フォード
Cowboys & Aliens_06有名すぎて書くことが反対に難しい
出演作はほとんど観てるのに、あまり知らなかった経歴を確認するとたたき上げですね、この人は。
数々の出演作の中でも好きな作品の一つ『刑事ジョン・ブック 目撃者』(1985)。作中でアーミッシュのお手伝いをして家を建てるシーンがあるんです。経歴を見ると「無名時代は、ハリウッド界隈でも腕の良い大工として知られていた」とあり意外な一面を知った。
ハン・ソロ(スター・ウォーズ3作)、インディ・ジョーンズ(インディ・ジョーンズ4作)、ジャック・ライアン(パトリオット・ゲーム、今そこにある危機)と3つもの当たり役を持っている人も珍しいのではないかな。
ブレードランナー』(1982)も大好きで出たと同時にBlu-rayを買ったものだ。
そんな彼も今年70歳。月日のたつのは早い。



他にもこんな人が
Cowboys & Aliens_04 Cowboys & Aliens_07 Cowboys & Aliens_08 Cowboys & Aliens_09
左から
 ・オリヴィア・ワイルド(エラ)
 ・サム・ロックウェル(ドク)
 ・アダム・ビーチ(ナット)
 ・ポール・ダノ(パーシー)



出演者の紹介だけではなんなんで、今回はこれについて調査。

西部劇とは!?

Cowboys & Aliens_11 『大列車強盗』より

西部劇(せいぶげき)とは Western(ウェスタン)の訳語であり、主にアメリカの西部開拓時代(19世紀、特に後半の1860年代から1890年代にかけて)を舞台にした小説や映画のこと。日本で言えば、時代劇に相当する。
サイレント映画の登場とともに、アクションを売り物に盛んに製作された。その後、トーキーが普及するとジョン・フォード監督の『駅馬車』(1939)など、アクション映画としての「傑作」と呼ばれる作品が次々と発表された。基本的に主人公は白人で、馬による追跡劇が盛り込まれ、「勧善懲悪」をストーリーの骨子とし、騎兵隊を「善役」、インディアン民族を「悪役」としたものが多い。  Wikiより



15世紀にコロンブスによって新たな大陸として発見。ヨーロッパ諸国による入植が始まる。先住民であるネイティブ・アメリカンと協調・交易したこともあったが、同時に虐殺、追放して彼らの土地を奪うことも伴っていた。
1775年に独立戦争勃発。1783年に「アメリカ合衆国」として正式に独立。
北西インディアン戦争勝利により、1795年に北西部を手に入れる。未開の地であった西部の勢力拡大を目指し、入植時から続いていた先住民との戦争は終わらなかった。
1861年南北戦争勃発。1862年にエイブラハム・リンカーン大統領によって奴隷解放宣言が発表され、1865年に南北戦争は合衆国(北部)の勝利で終結(負けた南部連合国は奴隷制廃止に異を唱えた側)。だが、法の上でのアフリカ系アメリカ人や先住民など、その他の少数民族に対する人種差別はその後も続くことになる。
南北戦争後、鉄道網の発達と共に本格的な西部開拓時代に突入した。


以上が簡単なアメリカの歴史の一部であるが、南北戦争後の「先住民との争い」の時代を軸に描いたものが西部劇だ。本作『カウボーイ & エイリアン』のダラーハイド大佐も南北戦争の英雄として描かれている。
上記の概略を読むにつけ、先住民との争いは虐殺の歴史であるととれる。
しかしアメリカ人にとっては、歴史の浅い国で生きていくための道であり、西部劇で「先住民」を悪として描くことで大義名分を得、アイデンティティーの確立を助けたとも言える。

が、長くは続かない。

娯楽映画の定番だった「西部劇」だが、1960年代に入ると、人権意識の高揚とともにインディアンや黒人の描き方が糾弾されるようになって露骨な「勧善懲悪」な作劇は控えられるようになり、「異民族間の衝突」をテーマにしたものが増えていった。きっかけとなったのは1950年の『折れた矢』の公開からだったが、この動きは、黒人問題を扱ったエリア・カザン監督の『ピンキー』(1949年)がヒットしたことで「人種問題が金になる」と踏んだハリウッド資本の思惑によるものだった。当時、きな臭い黒人問題よりもインディアン問題のほうが映画のネタとしては扱いやすかったのである。
現在においても西部劇は制作されているが、アクション作品としては過去作品と肩を並べるような傑作を世に送り出していない。黒人やインディアンの描写は、腫れ物にでも触るような扱いとなっている。その一方で、時代考証や衣装設定、ガン・アクションは過去の作品とは比較できないほどの正確さで表現されており、『トゥームストーン』のような娯楽性に富んだアクション映画も作られている。  Wikiより



こうして徐々にすたれていったアメリカの「西部劇」を一時的に救ったのが「マカロニ・ウェスタン」だ。アメリカで客の入りがいいのを見てドイツ、イタリアなどでも製作。
1965年の『荒野の用心棒』が大ヒットすると、アメリカでの仕事が減少していた中堅の西部劇スターが大挙して出演し、盛んにマカロニ・ウェスタンが製作され、一時的に大ブームを引き起こした。しかし、ブームに便乗しただけの駄作も多く、客の支持を失い衰退に向かった。
ということだそうだ。

楽しいことが書ける予定だったのに、こんな事になってしまいました。
「ズキューン、ズキューン」「アワワワワ」の後ろにこんな歴史が隠されていたとは。

主な西部劇一覧
1903
大列車強盗 (The Great Train Robbery)
 
1923
幌馬車  (The Covered Wagon)
サイレント映画
1926
三悪人 (3 Bad Men)
ジョン・フォード監督
1939
駅馬車 (Stagecoach)
1946
荒野の決闘 (My Darling Clementine)
1948
赤い河 (Red River)
ハワード・ホークス
1949
黄色いリボン (The Wore a Yellow Ribbon)
ジョン・フォード
1953
シェーン(Shane)
ジョージ・スティーヴンス
1957
OK牧場の決闘 (Gunfight at the O.K. Corral)
ジョン・スタージェス
1960
荒野の七人 (The Magnificent Seven)
1964
荒野の用心棒 (A Fistful of Dollars)
セルジオ・レオーネ
1971
レッド・サン (Red Sun)
テレンス・ヤング
1990
ダンス・ウィズ・ウルブズ (Dance with Wolves)
ケビン・コスナー
1992
許されざる者 (Unforgiven)
クリント・イーストウッド
2004
アラモ (The Alamo)
ジョン・リー・ハンコック
2007
3時10分、決断のとき (3:10 to Yuma)
ジェームズ・マンゴールド


最初期の西部劇『スコウマン』(1913年)Cowboys & Aliens_12





以上のことを踏まえ、本作『カウボーイ & エイリアン』をもう一度振り返ってみると、敵はエイリアン、先住民は一緒に戦う仲間に描かれており、今の時代に沿った内容と言える。
(これならUSJのアトラクションに出来そうだしね。)
本作を観て「つまら~ん」と評価する人も多いようだが、本作のプロジェクトは1997年から動いていて、色々と大人の事情が見え隠れするあたり、思った以上に重い作品なのかもしれない。



ではまた



「エイリアン」についての考察はこちらの記事で少し書かせてもらっています。




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『3時10分、決断のとき』(2007) - 3:10 to Yuma -

Posted by momorex on   0  0

「生きる」とは何なのか

310 to Yuma_00


■3時10分、決断のとき -3:10 to Yuma-■
2007年/アメリカ/122分
監督:ジェームズ・マンゴールド
脚本:ハルステッド・ウェルズ、マイケル・ブラント、デレク・ハース
製作:キャシー・コンラッド
製作総指揮:スチュアート・ベサー、ライヤン・カヴァナー、リンウッド・スピンクス
音楽:マルコ・ベルトラミ
出演:
ラッセル・クロウ(ベン・ウェイド)
クリスチャン・ベール(ダン・エヴァンス)
ベン・フォスター(チャーリー・プリンス)
ピーター・フォンダ(賞金稼ぎバイロン・マッケルロイ)
グレッチェン・モル(アリス・エヴァンス)
ローガン・ラーマン(ウィリアム・エヴァンス)
ダラス・ロバーツ(グレイソン・バターフィールド)
アラン・テュディック(ドクター・ポッター)
ケヴィン・デュランド(タッカー)

南北戦争終結間もないアリゾナ。
狙撃手として従軍、負傷で片足が不自由になったダン・エヴァンスは妻と二人の息子と共に荒野で小さな牧場を営み生活していた。鉄道網を敷く予定の場所に彼の牧場があるため、日々嫌がらせを受けている上、干ばつのため借金がかさみ生活は苦しい。
そんな折、悪名高い無法者ベン・ウェイド一味が駅馬車を襲う場面に居合わせてしまう。手下は逃げたが保安官に逮捕されたウェイドは裁判所のあるユマへ連行されることが決まる。コンテンションの町にある駅からユマ行きの列車が出るのは三日後の午後3時10分。ダンは危険を承知で200ドルのために護送役に名乗り出る-


※当時の1ドル=当時の日本の1両に当たる。1両は時によるが江戸時代中~後期では3~5万円相当。町人1人が1年暮らせるほどの額らしい。幕末で1両3~4千円。仮に4千円として200ドルで80万円。江戸時代であれば単純に町人が20年前後遊んで暮らせる額となる。(あくまで各所から情報を寄せ集め計算しただけです。)



カウボーイ&エイリアン』を観た後、この『3時10分、決断のとき』を録画してあったことを思い出し視聴。
この正当派西部劇は1953年3月に発表されたエルモア・レナードの短編小説を映画化した『決断の3時10分』(1957)のリメイクである。
無法者一味のボスを単純な悪として表現せず、一人の人間として掘り下げた事は当時としては珍しいのではないだろうか。有名な西部劇『シェーン』も原作小説と同じ1953年製作。
※西部劇の簡単な歴史についてはこちらの記事をご参照ください。


監督はジェームズ・マンゴールド
310 to Yuma_09大好きなサスペンス映画『アイデンティティー』(2003)の監督さんだった。どうりで登場人物が多くても個々の人物像がよく分かる。
代表作に『君に逢いたくて』(1995)、『17歳のカルテ』(1999)、『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』(2005)、『ナイト&デイ』(2010)などがある。


クリスチャン・ベール(ダン・エヴァンス)
310 to Yuma_03スピルバーグ監督作『太陽の帝国』(1987)で映画デビュー。4000人のオーディション参加者から選ばれた。当時13才。
最近は『バットマン』シリーズで有名だが、『アメリカン・サイコ』(2000)、『マシニスト』(2004)などの映画に主演しているあたり、ただのアクション俳優では無いとみた。多彩なジャンル、役どころで出演するから、どういう俳優さんなのか自分の中で掴みきれない難しい人だ。
2010年公開の『ザ・ファイター』でゴールデングローブ賞 助演男優賞、アカデミー助演男優賞を受賞している。もうすぐWOWOWでやるので楽しみだ。

ラッセル・クロウ(ベン・ウェイド)
310 to Yuma_02マキシマスですね。
私生活では短気、粗暴で扱いにくい人のようだが、この怒りを抑えた演技はどうだ怒りをため込み、目で笑う。この人の笑っている目ほど複雑で怖いものは無い。
枝にとまっている鳥が飛び立ち、それを目で追うシーンが今作にも『グラディエーター』にもあり、どちらも作品内で最初のラッセル・クロウ登場シーンとなる。役柄は違えど純粋で子供のような目をしているのはその時だけで、後は背負っているものを複雑に表現する。
そういった意味では『グラディエーター』(2000/ アカデミー主演男優賞)と今作『3時10分、決断のとき』が彼の代表作と言える。こんなラッセル・クロウをまた観たい。
1964年生まれ、ニュージーランド出身。


ベン・フォスター(一の子分チャーリー・プリンス)
310 to Yuma_05今作で特別賞をあげたい人チャーリー。ベン・ウェイドの下で一味をまとめる。
←この画像では分かりにくいが、非道、冷徹、利口で単純。ボスを守るためなら得意の二丁拳銃でなんでもする。まるで従順なロボットのようだ。他の子分達が機会さえあれば下克上を狙う輩である中で際だっており、ボスの信頼も厚い。ある意味とても魅力的な蛇のような目をした男だ。薄いベージュ色の衣装もよく役柄に合っていた。
演じたのはベン・フォスター。今までノーチェックだったのが口惜しいぞ。1996年から俳優活動をしており、映画にドラマに出演作は結構ある。
 ・フラッシュ・フォワード Flash Forward (1996-1997)
 ・フォーン・ブース Phone Booth (2002)
 ・11:14(2003)
 ・パニッシャー The Punisher (2004)
 ・ホステージ Hostage (2005)
 ・X-MEN: ファイナル ディシジョン X-Men: The Last Stand (2006)
 ・アルファ・ドッグ 破滅へのカウントダウン Alpha Dog (2007)
 ・30デイズ・ナイト 30 Days of Night (2007)
 ・パンドラム Pandorum (2009)
 ・メカニック The Mechanic (2011)




二人の男の生き様を軸にしたこの西部劇『3時10分、決断のとき』。
家族のため、生活のため、200ドルのため、そして自身の自尊心を取り戻すため旅に出た男ダン。
幼い時に親に捨てられ荒野に放り出された男ベン・ウェイド。そのしなやかな生き様は動物的であるとも言える。
彼らが生きた西部開拓時代とはどのような時代だったのか。

西部開拓時代とは!?

西部開拓時代(American Old West)とは、19世紀(特に1860年代に始まり1890年のフロンティア消滅まで)における、北アメリカの時代区分の一つ。オールド・ウェスト (Old West) 、ワイルド・ウェスト (Wild West) とも呼ばれる。
植民地時代から発展していた大西洋岸から太平洋岸まで漸進的に未開拓地域が開拓されていった。1848年にカリフォルニア州で金鉱が発見されるとゴールド・ラッシュの到来が開拓を後押しした。また、1869年にはアメリカ合衆国で最初の大陸横断鉄道が開通した。いっぽう先住民であるインディアンにとっては、突然やって来た侵略者に自分達の土地を強奪されたうえに殺戮された時代でもある。
アメリカ合衆国東部で1871年ごろに第二次産業革命が始まった頃、フロンティアには人が集まり始めた。ワイルド・ウェストの初期は土地の大部分が公有地で、広い土地での畜産も農業も自由であった。地方の法執行機関もほとんどなく、軍は特定の場所に集中していた。バッファローの狩猟者、鉄道労働者、放浪者、兵士らの小競り合いが銃撃戦に発展した。
当時、牛追いを襲う牛泥棒は深刻な犯罪であった。牛泥棒は自警団によって私刑に処される結果となった(ただし、この手の物語はたいていがフィクションである)。メキシコ人の牛泥棒と、コマンチェロ(コマンチ族と交易をしていたヒスパニック系商人)と手を組んだ無法者たちは、メキシコ政府がこの慣習を支持していたことで非難され、南北戦争以前から19世紀の終わりまでの主要な問題となった。  Wikiより



ロン・ハワード監督『遥かなる大地へ』(1992)でトム・クルーズとニコール・キッドマンが土地を得るため、馬や馬車で駆けていた場面が思い出される。よーいドンで参加者が一斉に欲しい土地へ走り出し、早い者がその土地の所有者となったシーン。
またアウトロー軍団の腕のいいメキシコ人狙撃手が出てきたのは『カウボーイ&エイリアン』(2011)だったか。

発展していく所には人が集まり金が集まる。
法執行機関は設置されはしたが、
西部開拓時代の辺境地域の保安官には様々な種類の人物が就任した。荒くれ者を取り締まるために凶悪犯の前科を持つ者や得体の知れない流れ者のガンマンがその職に就任することがあった。税の取り立ても任されたので地域の有力者と癒着することが多く、自ら地域のアウトローたちのボスになって悪徳の限りを尽くす者もいた。多くは公募に対して射撃の腕に自信がある者が名乗り出、地元住民の選挙によって選ばれた。
こんな時代だ。

そもそもアウトロー(無法者)とは

語源的には犯罪等により法の保護を受けられなくなった人物をさす。しかし、現代ではもっぱら西部劇での無法者及びそのような生活スタイル(自ら好んで法の埒外に身を置く)を示す語として用いられることが多い。本来は法律用語で対象となる人物に付される厳しい宣告の一つである。
アウトロー宣告を受けると「市民としての死」(civil death, 市民権剥奪)が科せられた。この宣告は社会的な死であり、あらゆる市民社会から排除され、如何なる者も彼に食事や隠れ処その他の援助を与えることが禁じられた。もし援助すれば couthutlaugh (=A person who harbored an outlaw)の罪に問われ援助者自身が宣告を受ける虞れがあった。支援した者が許されるにはアウトローを殺さなければならなかった。実際にアウトロー殺しは推奨され、「アウトローは市民社会を無視したので、社会もアウトローにいかなる義務を負わない」という論理で、殺しても殺人罪に問われることはなかった。彼らに市民権はなかったので訴えたり保護を求めることはできず、自らが法的責任を負った。日本では「無宿人」が相当する。

Wikiより



310 to Yuma_10有名なアウトローにジェシー・ジェイムズコール・ヤンガービリー・ザ・キッドなどがいる。
極悪非道な輩達ではあるが、同じく極悪な町の支配者や保安官がいる中で、痛快なまでの強盗やその悲劇的最後は人々の同情を集め、強者に立ち向かうロビン・フッドのイメージに重ね合わせる者がいたのも事実であり、一部のアウトロー達は伝説となる。


画像はビリー・ザ・キッド





310 to Yuma_07そして今作の無法者のボス‘ベン・ウェイド’
ダンの上の息子ウィリアムは、一味による駅馬車強盗目撃からウェイド護送と父親と行動を共にする。
護送初期のウェイドを見るキラキラした目が、実に子供らしい。
彼もこの旅で大きく成長する。





人は元来、善と悪を併せ持つ。
個々人で善悪の価値観があり、バランスを持っている。
小さな嘘をついたとき、そのバランスが崩れて罪悪感を持ち、善で補うことで自分を許すことが出来る。(奥さんについた嘘が気になって、ついつい花やケーキなど買って帰り結局嘘がばれるというアレですね。)

ダンとウェイドは「お金を得ること」をそれぞれ共通目的とはしているが、このバランス感覚が絶対的に違っている。それを一緒に行動してつぶさに目撃していく息子ウィリアムは観客の目でもある。
ダンとウェイド、ダンと息子ウィリアム、ウェイドとウィリアム、ウェイドと賞金稼ぎバイロン。そして忘れてはならないのがウェイドとチャーリー。
彼らのバランスの計り方と自尊心に対する考え方が見どころです。
そして最後に蛇の目チャーリーのために祈ってやってください。
悪いヤツですが可愛そうなヤツでもありました。


余談--
いくらでも贅沢できる今の時代に1億あっても2億あっても足らないけれど、この19世紀に次々と強盗を繰り返していたギャング達は何に使っていたんだろう?
ちなみにジェシー・ジェイムズ強盗団は4人ほどで1866年2000ドル、1867年4000ドル、1868年14000ドル、1871年40000ドル奪っている。
大きな牧場を経営するなどの目的があるならいざしらず、アウトローだからそれも無理だろうし。。


謎を残し、ではまた

310 to Yuma_01

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