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momoな毎日

古いカルト映画から最新アクション、海外ドラマまでいろいろレビューしています。好物はオカルト、サイコ、殺人鬼、吸血鬼、廃病院、エイリアン、人魚、ローマ時代などなど。結果的にホラーものが増殖中。

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『サベイランス』(2008) - Surveillance -

Posted by momorex on   0  0

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あーー、、これは、ヤラレタなー ボヤボヤしてたら、すっかり騙されたー。冒頭のいかにも父親リンチ的な不気味な殺害現場、下着のまま逃げる被害者、一癖も二癖もありそうな登場人物達、FBI対地元警察。リンチ一家の映画ならFBIを応援するに決まってる。頑張れー、捜査かーん!― 冒頭10分で罠にはまっているとも知らずに...

Surveillance_02■サベイランス - Surveillance -■
 2008年/カナダ/98分
 監督:ジェニファー・リンチ
 脚本:ジェニファー・リンチ
    ケント・ハーパー
 製作:ケント・ハーパー 他
 製作総指揮:デヴィッド・リンチ
 撮影:ピーター・ウンストーフ
 音楽:トッド・ブライアントン
 出演:ジュリア・オーモンド(ベス・アンダーソン)
    ビル・プルマン(サム・ハラウェイ)
    ペル・ジェームズ(ボビー)
    ライアン・シンプキンス(ステファニー)
    ケント・ハーパー(ベネット巡査)
    マイケル・アイアンサイド(ビリングス署長)
    フレンチ・スチュワート(ジム・コンラッド)
    ギル・ゲイル

解説:
奇才デヴィッド・リンチの娘で「ボクシング・ヘレナ」以来の長編メガホンとなるジェニファー・リンチ監督が父の製作総指揮のもと手掛けたサスペンス・スリラー。不可解な連続殺人事件を追う2人のFBI捜査官が、3人の生存者たちの三者三様の証言によって真実と虚構の狭間を迷走しながら事件解明に挑むさまを描く。主演は「レジェンド・オブ・フォール/果てしなき想い」のジュリア・オーモンドと「インデペンデンス・デイ」のビル・プルマン。
(allcinema)

あらすじ:
サンタ・フェの田舎町で起きている凶悪な無差別連続殺人事件。捜査に乗り出したFBI捜査官アンダーソンとハラウェイは3人の目撃者を保護している地元の警察署に赴く。早速、事情聴取を始めた2人だったが、三者三様のバラバラな証言に捜査は難航し ―


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『マルホランド・ドライブ』(2001) - Mulholland Drive -

Posted by momorex on   0  1

リンチ監督作6本目のレビューは『マルホランド・ドライブ』。
謎解きはブログ界でもさんざんされているでしょうから、今回のレビューは【ネタバレ】ありきで進めます。よって未見の方は鑑賞後にまた戻ってきてくださいねー。
Mulholland Drive_03

Mulholland Drive_04■マルホランド・ドライブ - Mulholland Drive -■
 2001年/アメリカ・フランス/145分
 監督 :デヴィッド・リンチ
 脚本 :デヴィッド・リンチ
 製作 :ニール・エデルスタイン 他
 製作総指揮:ピエール・エデルマン、デヴィッド・リンチ
 撮影 :ピーター・デミング
 音楽 :アンジェロ・バダラメンティ
 出演 :ナオミ・ワッツ(ベティ/ダイアン)
     ミローラ・エレナ・ハリング(リタ/カミーラ)
     アン・ミラー(ココ)
     ジャスティン・セロー(アダム・ケシャー)
     ダン・ヘダヤ(ヴィンチェンゾ・カスティリアーニ)
     メリッサ・クライダー(ウィンキーズのウェイトレス)
     レベッカ・デル・リオ(レベッカ・デル・リオ)
     リー・グラント(ルイーズ)

解説:
ロサンゼルス北部の山を横断する実在の道“マルホランド・ドライブ”。眼下にはハリウッドを一望できるこの曲がりくねった道路をモチーフに、「ツイン・ピークス」のデヴィッド・リンチ監督が描く妖しく危険なミステリー。当初、「ツイン・ピークス」同様TVシリーズとして企画されたが、その過激さから局側が尻込みし、新しく劇場版として甦った。
 (allconema)

あらすじ:
真夜中のマルホランド・ドライブで起きた車の衝突事故でただ一人助かった黒神の女。彼女は負傷しながらもなんとかハリウッドの街まで降りていき、有名女優の留守宅に潜り込む。直後、訪れた女優の姪ベティと鉢合わせて名前を聞かれ、自分が記憶喪失になっていることに気付くが-


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『ロスト・ハイウェイ』(1997) - Lost Highway -

Posted by momorex on   9  0

究極のストレスにさらされた男がハイウェイをひた走る。
延々と続くライトに照らされた地獄への道。そこで男が見たものとは、現実なのか、妄想なのか。

Lost Highway_00
■ロスト・ハイウェイ - Lost Highway -■
1997年/アメリカ・フランス/135分
 監督   :デヴィッド・リンチ
 脚本   :デヴィッド・リンチ、バリー・ギフォード
 製作   :ディーパック・ネイヤー他
 撮影   :ピーター・デミング
 音楽   :アンジェロ・バダラメンティ他
 主題歌  :デイヴィッド・ボウイ “I'm Derranged”
 出演   :ビル・プルマン    (フレッド・マディソン)
       パトリシア・アークエット(レネエ/アリス)
       バルサザール・ゲティ (ピート)
       ロバート・ロッジア  (Mr.エディ/ディック・ロラント)
       ロバート・ブレイク  (白塗りの男)
       リチャード・プライヤー(アーニー)
       ゲイリー・ビジー   (ピートの父親)
       ジャック・ナンス

解説:
自身が製作総指揮したTVドラマを映画化した「ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の7日間」から4年の沈黙を破ってリンチ監督が放った、同監督らしい悪夢ムードにあふれる不条理スリラー。先が読めない物語、刺激的な映像とサウンド(知る人ぞ知る豪華メンバーが担当)の演出など、観客の感性に挑戦し続けるリンチ・ワールド。本作は集大成という声も高い、ファンならずとも必見の1本だ。出演は「インデペンデンス・デイ」のB・プルマン、TV「ミディアム 霊能者アリソン・デュボア」のP・アークエット。
 (WOWOW)

あらすじ:
サックス奏者フレッドはある朝、インターホン越しに“ディック・ロラントは死んだ”という奇妙な男の声を聞く。その翌日からフレッドとレネエ夫婦宅の玄関先に、送り主不明のビデオテープが毎日1本届くようになる。1本目は夫妻の自宅の外観が、2本目には家の中までカメラが入り夫婦の寝姿が撮られており、あわてて警察に連絡する2人。しかしその翌日届けられた3本目には、妻を殺害し、その血で真っ赤になっている夫フレッドの姿が映っているのだった-





ブルーベルベット(1986年)、ワイルド・アット・ハート(1990年)、ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間(1992年)と、比較的わかりやすい作品が続いた後に、きました..ドーンとっ、デヴィッド・リンチ監督作の神髄がっ
この作品は、ある男の狂気の行方を追っていきます。行き先は不明です。

序章
サックス奏者フレッド。音楽の仕事は波に乗り、美しい妻もいる彼は順調な人生を歩んでいるかのように見えた。そんなある朝、苦悩に落ち込み、疲れ切った様子のフレッドが自宅にいるとチャイムが鳴る。インターホンに出た彼の耳に飛び込んできた男の声。
 “ディック・ロラントは死んだ”

フレッドとレネエ
Lost Highway_09この翌日から彼の自宅にビデオテープが届くようになる。それは玄関前の階段に投げ捨てられるように封筒に入れて置かれていた。美しい妻のレネエは気味悪がったが2人で見てみることにしたフレッド。内容は彼らの自宅を外からほんの数秒映されているというものだった。
不動産屋が置いていったのかと気にもしなかった2人だが、翌日届けられたものは、家の中を廊下、リビングから寝室までカメラが入り、2人がぐっすり寝ているところが映されていた。
あわてて警察に連絡した2人。進入経路は分からなかったが捜査を約束してもらい一安心する2人。
しかしその後もビデオテープは届き、3本目を1人で確認したフレッド。
その内容は、妻を殺害、ばらばらにして血の海に座り込んでいる自分の姿だった。
そして逮捕、裁判が行われ、フレッドは死刑が宣告された。独房で頭痛を訴えるフレッドだったが、ある日、看守が独房を確認すると、なんとそこにいたのはフレッドではない見知らぬ若者だった-


本作前編はフレッドとレネエ夫婦の物語。基本は2人のやりとりが続くが、時折はさまるフレッド1人の行動。作品冒頭がまずフレッド1人。疲れ切って放心したようにタバコを吸っているフレッドのアップで始まる。そこにインターホンの奇妙な台詞“ディック・ロラントは死んだ”。これを聞いて驚きもしないフレッドにこちらが驚き、映画が始まってほんの数分で「出たー、リンチだー」と思ったのは言うまでも無い..。
Lost Highway_02そして美しい妻レネエ登場。彼女をおいて仕事に出たフレッドは自宅に仕事先から電話をかけるが、家にいるはずの妻が出ない。なぜ、こんなことを?まるで何かを疑っているかのような行動をとる夫。
2人でパーティに出席しても、妻と他の男の様子が気になって仕方が無い夫フレッド。どうやら妻の浮気を疑っているらしい。そんなストレスもあってか、妻を満足させられないと思い込んでいる夫は、ますます疑心暗鬼の世界に追い込まれていく。
そんな時に届き始めたビデオテープ。1本目、2本目と2人で見た後警察に連絡。刑事に何か心当たりは?と質問されるが、フレッドの返した言葉は奇妙なものだった。
 “起こったとおり記憶したくない(ので、何も覚えていない)”

おっと-!フレッド視点で進んでいくこの物語の主人公フレッドが“起こったとおり記憶したくない”だと?ということは、、今までもこれからも起こる(起きた)ことは事実ではないかもしれないということなのか..

Lost Highway_05パーティでは奇妙な白塗りの男が話しかけてくる。自分はここ(パーティ会場)にいるが、今、フレッドの家にもいると言う。自宅に電話をかけると確かにその男が電話口に。しかしこの奇妙な出来事はフレッドの少し驚く顔だけにとどまり終わる。。
そして妻ばらばらビデオを1人で見たフレッド(当たり前か)。いったん手に入れたものの、一番残酷な方法で手からずるりと落ちていった美しく大事なもの。
逮捕、死刑が宣告され独房にいた彼は、ある日他の若者に入れ替わる。
フレッド、どこ行ったん..


ピートとアリス
Lost Highway_06車の整備士ピート。腕は確かな若者だが、しばらくどこかに行っていたらしい。そんな彼を待ちわびていたのは雇い主のアーニーだけではなかった。
このまじめな若者が(どこかから)帰るのを待って車を持ってきたミスター・エディ。彼はピートを可愛がっており整備費もはずんでくれるが、彼の仕事はギャングのボスでいったん怒らせると手が付けられなくなるという面も持っていた。
翌日、もう1台車を整備に持ってきたミスター・エディ。対応したピートの目があるものに釘付けに。それは助手席に座る金髪美女アリスだった。2人は一目見るなり恋に落ち、ミスター・エディの目を盗み密会を続けるようになる。しかし2人の関係にミスター・エディが気付いているようだとわかるや、アリスはピートにこう提案する。
「金持ちの知り合いの家に盗みに入って、そのお金で2人で逃げよう」と。


ここからはピートが主人公。
Lost Highway_04フレッドの代わりに独房にいた彼だったが結局は警察に解放され自宅に戻る。自宅には優しい両親、近所には可愛い恋人、気のいい仲間達、腕前をいかした整備の仕事、とピートは充実した毎日を送っていたはずだ。しかしある夜、彼に何かが起き、ピートは連れ去られた。その何かの詳細について両親は決してピートに話さないので、見ているこっちに分かるはずがない..。
ピートとアリスは愛し合い、ミスター・エディから逃げ出すことを決めるが、好青年のピートは終始アリスの言いなりに。盗みに入ったはいいが家主に見つかり乱闘後、死亡事故が起こると、だんだんと見えてくるアリスの正体。
人が死んだことに恐れおののくピートを横目に、次々と金目のものをバッグに入れていくアリス。ピートがふと目をやった先には大写しにされたアリスのポルノ映画やミスター・エディとこの家の家主、アリスに似た女と4人で微笑んでいる写真。ようやく見つけ手に入れたと思った美しく大事なものが、するりと手から落ちていくように感じるピート。アリスは言った。「さぁ、行こう、砂漠にある故買屋の小屋へ」

Lost Highway_11何度も爆発して燃えては、フィルム逆回しで元に戻る故買商の小屋。
ここで盗んだものを金に換え逃げるはずだったが、アリスの姿は消え、小屋に入るとあの白塗りの男が。いやいや、その前に小屋に入ったのはフレッドだ..。ここでピートはフレッドに戻る。あーー、、やっぱりピートはフレッド。「独房にいたピート」はフレッドの妄想でしかなく、そもそも警察に逮捕もされていないのでは。
小屋で消えたアリス。アリスもフレッドの妄想の一部だろう。殺してしまった最愛の妻レネエをアリスの姿で蘇らせ、もう一人の自分ピートと深く愛し合わせた、ということか?そしてレネエの浮気相手をことごとく殺して回った、と。

Lost Highway_01何度も焼かれる小屋にいた白塗りの男は、全てを把握し理性的に行動する。必要なときに必要なものをフレッドに与え助言する。フレッドにとって不気味で疎ましく邪魔な存在でありながら、必要な人物。何度も焼かれ、また元に戻る小屋がそれを表している。
フレッド、ピート、白塗りの男。3人は全てフレッドの中にある。
あー、これも違うかも
ライトに照らし出されるハイウェイ。運転しているのはホントにフレッドか?だってフレッドは言っていた。
 “起こったとおり記憶したくない”

ふむ。もうこれは、ある男が運転中に魅力的な女性を見かけた。
「あんな女性が奥さんだったらなー」っと色々想像しているうちに、殺すことでしか自分のものにならないことに気がつき、想像することを一からやり直す。今度の自分は好青年。すぐに相思相愛になるも邪魔が入り、またもやうまくいかない。えーい、邪魔するヤツは皆殺し・・・
こんな妄想を退屈な運転中やっていただけの話ではないのか、と思い始めた自分。


しかし最後にデヴィッド・リンチ監督の追い討ちが待っていた。
フレッドが自宅のインターホンを鳴らし囁くのだ。
 “ディック・ロラントは死んだ”


・・もう私には、パトリシア・アークエットが綺麗だ、ということ以外何もわからない
   『マルホランド・ドライブ』の方がまし・・・

ではまた





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『ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の7日間』(1992) - Twin Peaks: Fire Walk with Me -

Posted by momorex on   2  2

カルトTVドラマ「ツイン・ピークス」の前日譚である本作。ドラマでは初っぱなにローラが殺されていることから、一体何があったのかは正確には分からなかった。そのローラを主役に、自らが「ツイン・ピークス」に捕らわれてしまったかのようなデヴィッド・リンチ監督が、ローラの衝撃的な毎日と最期の1週間を描く。
ローラの最期の1週間。知らなかった方がよかったかもしれない..。

Twin Peaks, Fire Walk with Me_00
■ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の7日間
 - Twin Peaks: Fire Walk with Me -■
 1992年/アメリカ/136分

 監督   :デヴィッド・リンチ
 脚本   :デヴィッド・リンチ、ロバート・エンゲルス
 製作   :グレッグ・ファインバーグ
 製作総指揮:マーク・フロスト、デヴィッド・リンチ
 撮影   :ロン・ガルシア
 音楽   :アンジェロ・バダラメンティ
 出演   :カイル・マクラクラン    (デイル・クーパー)
       シェリル・リー       (ローラ・パーマー)
       デイヴィッド・リンチ    (ゴードン・コール)
       クリス・アイザック     (チェット・デズモンド)
       キーファー・サザーランド  (サム・スタンリー)
       デイヴィッド・ボウイ    (フィリップ・ジェフリーズ)
       パメラ・ギドリー      (テレサ・バンクス)
       ハリー・ディーン・スタントン(カール・ロッド/管理人)
       レイ・ワイズ        (リーランド・パーマー)
       グレイス・ザブリスキー   (セーラ・パーマー)
       モイラ・ケリー       (ドナ・ヘイワード)
       ジェームズ・マーシャル   (ジェームズ・ハーリー)
       デーナ・アッシュブルック  (ボビー・ブリッグス)
       メッチェン・エイミック   (シェリー・ジョンソン)
       エリック・ダ・レー     (レオ・ジョンソン)
       ウォルター・オルケウィッツ (ジャック・ルノー)
       フィービー・オーガスティン (ロネット・ポラスキー)
       キャサリン・E・コールソン (丸太おばさん)
       フランシス・ベイ      (シャルフォン夫人)
       マイケル・J・アンダーソン (小さな男)
       フランク・シルヴァ     (キラー・ボブ)
       アル・ストロベル      (片腕の男)

解説:
番組の起点になった“ローラ・パーマー殺人事件”に至る1週間を描くことを通じ、ピーカー(TV版のファン)にとって最大の謎がついに解き明かされるのか……という“特別編”が本作。映画単体として見ても、リンチはこれまで以上に一層ミステリアスでセクシーな、超カルトというべき独自の世界を展開。後にTV「SEX AND THE CITY」に出演するK・マクラクランなど番組おなじみのメンバーに加え、歌手D・ボウイ、TV「24」のK・サザーランド、そしてリンチまでが続々と登場したのも見ものだ。
 (WOWOW)

あらすじ:
アメリカ北西部に位置するワシントン州の川で一人の若い女性の死体が発見される。FBIゴードン捜査主任の下でデズモンド捜査官らが捜査にあたるが、犯人はわからないままデズモンドが失踪してしまう。
それから1年。州郊外の小さな田舎町ツイン・ピークスに住む高校生ローラ・パーマー。勉強も出来、奉仕活動にも参加する学園のクィーンである彼女だが、それは表向きの顔で、その裏ではドラッグやセックスに溺れる不健康な毎日を過ごしていた-




Twin Peaks Fire Walk with Me_01ビニールにくるまれ、冷たい川で見つかった女性の死体。
現地の様子を身体全体で表現する赤いドレスの女。
地元警察のFBIへのアレルギー。
捜査に向かった有能FBI捜査官の失踪。

今回も最初から飛ばします。
案外普通っぽく始まった冒頭に、いきなり登場する赤いドレスの女性。
なぜ、なぜ、これが必要なんだと、頭を抱えることになる。
が、ここで立ち止まっていては、どんどんストーリーが進んでいくのでデズモンド捜査官のようにさらりと流すのがいい。ほんの数秒で事件を扱う地元警察の様子を説明してくれた彼女に感謝しながら。

Twin Peaks Fire Walk with Me_05頭を後ろから何度も殴られたことで命を失った女性テレサ・バンクス。事件前の行動を捜査するデズモンド捜査官と鑑識のスタンリーだったが、単身テレサの住んでいたトレーラー・パークを調べに出たまま、失踪してしまうデズモンド。
これらのことを調べにトレーラー・パークまでやって来たクーパーは、この殺人事件は始まりに過ぎないと直感する。相棒のアルバートに「次の標的は高校生の女の子。毎日ドラッグやセックスに溺れている」と予言のようなものを話し、皮肉屋アルバートは「おぉ!全米高校生の半分まで絞れたな!」と返す。
全米高校生の半分て..。1990年代にすでにアメリカの高校生は、これほど乱れているのか?と驚いた。

Twin Peaks Fire Walk with Me_12では、その乱れ具合とは。
それはこの後、登場する学園クィーンローラ・パーマーによって説明される。
昼は真面目な高校生。放課後は必要な人に食事を配るボランティアをし、社会の役にたつ。しかし、その陰では学校のトイレでドラッグ、家族との夕食後はセクシーな服に着替えて家を抜け出し、怪しげな場所に出入りする。
家庭にも友人にも恵まれた彼女の何がいったい、ここまでさせるのか?
母親から引き継いだ幻影をみてしまう能力のせいか?
特にローラを苦しめているのは、その幻影の一つ「ボブ」。ボブはローラが幼い頃から繰り返しローラの部屋に出入りしては彼女に暴行をはたらいた。
これが事実だろうが妄想だろうが、ローラは忘れたい。それ故の毎日の乱れた生活か。

Twin Peaks Fire Walk with Me_11そして、もう一人。こういった幻影をみる者がいる。FBIのデイル・クーパー
彼は扱う事件に関しての夢や幻影をみることがあり、それをヒントに事件を解決していく能力がある。
しかしクーパーの夢がで、ローラの夢がなのではない。それらは分かれていることもあるが、時に混じり、用心しなくては黒く渦巻く闇の世界に連れて行かれてしまう。
この闇の世界に連れて行かれそうになっているのはローラだけではない。連れて行かれ、すでに取り込まれてしまった人物こそが、テレサ殺人の犯人であり、ローラを殺すことになる犯人だ。

Twin Peaks Fire Walk with Me_08その闇の世界の一歩前にあるのが「赤い部屋」。
白と黒のタイルが床に敷かれ、リンチ監督の好きなドレープカーテンで区切られた奇妙な空間だ。ここに来ることが出来るのは、この世界の住人と特殊能力を持つ限られた人間のみ。
ここでの会話は、普通の人間にはとても理解できるものではないが、小さな男の言う「ガルモンボジーア」とは“痛みと悲しみ”と定義される何かで、クリーム・コーンの形態を取っているらしい。それを盗んだのがキラー・ボブ。ボブはそれを盗み、これと目を付けた人間にふるまっているようだ。そしてターゲットとして目を付けるキーになるのがどうやら「指輪」のようだ。
「指輪」は本作にもドラマシリーズにも繰り返し出てくる。それは限定された一つの指輪ではなく、各個人が意味を持って大事にしているものだ。そこに取り付くキラー・ボブ。取り付かれるのは指輪を持ち、心に何か弱いものが巣くっている人間だ。誰にでもボブのターゲットになる可能性はある。

    


と、核心に触れる部分をつらつら書いてみましたが、「ツイン・ピークス」未見の方には何が何やらわかりませんよね
自分がドラマ「ツイン・ピークス」を初めて観たのは随分前だけど、どっぷりはまりました。おそらく初見のその日は、あのオープニングの曲が1時間ごとくらいに何十回も流れていたはず。
魅力ある奇妙なキャラクター達とストーリーにローラ殺しの犯人が分かるまではぐいぐい引きつけられ、テレビを消すことが出来なかった。けれども後半は何が何やらで記憶があまり定かでは無い..。1年ほど前にも観たはずだけど、やっぱり後半の記憶は

もしこれから観てみようかと思われる場合は、一つの区切りは犯人が分かるところまで(確か10数話くらいだったと思う)。その後、ついていけなくなったら、そのまま本作「最期の7日間」をご覧下さい。これでOK。
「最期の7日間」では、どんどん綺麗になっていくローラも見所の一つ。

Twin Peaks Fire Walk with Me_18




「指輪」=「結婚」と「子殺し」というお話で、あっ、と思い出すのがリンチ監督デビュー作『イレイザーヘッド』。全然違うストーリーでありながら、何か底辺に流れているのは同じように感じる。
リンチ監督はよっぽど結婚生活と子育てに悩み苦しまれたのだろうか..

ではまた





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『ブルーベルベット』(1986) - Blue Velvet -

Posted by momorex on   0  0

デヴィッド・リンチ監督の作品の中では珍しく、その存在の意義を考え込んでしまうような奇妙な人は出てこない。リンチ作としてはちょっと寂しく感じてしまうこの映画は、分かりやすいミステリーサスペンスになっている。しかし油断は禁物だ。根っからのサイコとサイコ一歩手前の崖っぷちに立っている人はちゃんと登場する。

BlueVelvet_00
■ブルーベルベット - Blue Velvet -■1986年/アメリカ/121分
 監督   :デヴィッド・リンチ
 脚本   :デヴィッド・リンチ
 製作   :フレッド・カルーソ
 製作総指揮:リチャード・ロス
 撮影   :フレデリック・エルムス
 音楽   :アンジェロ・バダラメンティ
 出演   :カイル・マクラクラン  (ジェフリー・ボーモント)
       イザベラ・ロッセリーニ (ドロシー・ヴァレンズ)
       デニス・ホッパー    (フランク・ブース)
       ローラ・ダーン     (サンディ・ウィリアムズ)
       ジョージ・ディッカーソン(ジョン・ウィリアムズ)
       ディーン・ストックウェル(ベン)

解説:
カルト映画「イレイザーヘッド」で注目されたリンチが、その型破りな個性をフルに発揮させた代表作のひとつ。ボビー・ヴィントンによる1963年のヒット曲「ブルー・ヴェルヴェット」が流れる中、米国の平和な田舎町とミスマッチなセックスと暴力が、時ににじみ出て、時に噴出する。虫の群れをクローズアップした映像の数々などもリンチ・ワールド的な不協和音を連想させて圧倒的。俳優陣もそれぞれはまり役だが、中でもグロテスクすれすれの美を体現したI・ロッセリーニ、テンションが高いD・ホッパーが出色だ。
 (WOWOW)

あらすじ:
ノースカロライナ州の田舎町、ランバートン。急病で倒れた父親のために休学して帰郷した大学生ジェフリー。彼は自宅近所の野原で切り取られ捨てられていた人間の「耳」を発見する。知り合いの刑事に耳を届けたものの興味がわいたジェフリーは、刑事の高校生の娘であるサンディから情報を得て、事件に関係しているのではないかと思われるクラブ歌手ドロシーのアパートに忍び込む計画をたてるが-




まず感じたこと
頭が○と△と□で一杯になってしまった前回の『イレイザーヘッド』に比べて、なんと分かりやすく明快なストーリーであることか!しかし、観た後に何かいや~な小さなしこりのようなモノが残るところがデヴィッド・リンチ作品らしい。
本作の製作年は1986年だが、その後1989年にパイロット版が作られる「ツイン・ピークス」へと続く前日譚であると本作を捉えれば、非常に入りやすい。何せ主人公のジェフリーは、若き日のクーパー捜査官ともいえる存在だからだ。

    


BlueVelvet_04大学生のジェフリーは急病で倒れた父親の店を手伝うために休学し、久しぶりに故郷ランバートンに帰ってくる。1950年代で時が止まったかのようなのどかな田舎町ランバートン。大したことはないと分かった父親の病状に安心し、子供の時からの知り合いなどに懐かしんでいたジェフリーだったが、ある日、近所の野原で人間の「耳」を発見する。慌てて知り合いのウィリアムズ刑事に手渡すが、こののどかな町で発見した「耳」に興味が沸いてくることを抑えられない。
そこで刑事の娘サンディの手を借りて、この事件に関係しているのではないかと思われるクラブ歌手ドロシーのアパートに忍び込む計画を立てる。

BlueVelvet_08うまくアパートに忍び込み物色してすぐに出てくるはずだったが、帰ってきたドロシーに見つかってしまったジェフリー。うまく言い逃れて帰ろうとする彼に、意外にもドロシーはナイフを突きつけながら誘惑してくる。そこへやって来たヤクザものフランク。間一髪でクローゼットに隠れたジェフリーは、ドロシーの秘密と2人の倒錯した快楽の世界を見せつけられることになる。
そしてこのドロシーの秘密こそがあの「耳」に関係し、その鍵を握るのがこのフランクであることを知ったジェフリーは、ますますこの秘密の世界から目が離せなくなっていく-

BlueVelvet_03泥沼に足を突っ込んで気づきもしないでいるジェフリーに忠告し、陰で支え、沼から引き上げる役目をはたすのが高校生サンディ。
演じるのはローラ・ダーン。この時は役であるサンディと同じく10代(の終わり)で、非常に初々しく可愛らしい。1990年の『ワイルド・アット・ハート』ルーラの印象とは真逆である(ルーラも可愛らしい女性であったが)。

この穢れを知らない宝物のようなサンディと、犯罪者フランクとの倒錯の世界に浸り、その一挙手一投足がエロチックに満ちているドロシーとの対比、その間で純粋さを失う一歩寸前のジェフリー。善良さ、ましてや純粋さなどとっくの昔にどぶに捨てた犯罪者フランク。本作はこの4人が一時交わり、そして戻るべき所に戻っていく物語だ。

リンチ監督にしては分かりやすい物語ではあるが、いつもの小道具も忘れてはいない監督。
あの『イレイザーヘッド』でも舞台になった陰気で暗くてまるで舞台の装置のようなアパート、豊かな黒髪、暗闇から出てくる美女、歌う女性。今回は男性も(アテレコだが)歌う。
そして監督の好きな「穴」にカメラがどんどん近寄っていく描写。家族の食事風景。
これら小道具達は「ツイン・ピークス」にも受け継がれていく。
で、今日(1/9)の放送は『ツイン・ピークス-ローラ・パーマー最期の7日間』。さあそろそろ観ないと。



何気ない日常の、そのすぐ横にぽっかりと空く黒い穴。
この穴はどうやら一つではないらしい。落ちないように気ををつけなければ。
ではまた





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謎は解けるか?『イレイザーヘッド』(1977) - Eraserhead -

Posted by momorex on   6  0

この映画はずいぶん前に一度観て、もう観ることはないだろう、、と思っていた作品だ。一度で充分と思った理由はもちろん、あまりの意味不明さ加減、難解さに根を上げたからだが..。しかし昨日(1/7)から始まったWOWOWのリンチ特集で初っぱなに放送され、もう一度チャレンジすることに。さて-

Eraserhead_29
■イレイザーヘッド - Eraserhead -■1977年/アメリカ/89分
 監督:デヴィッド・リンチ
 脚本:デヴィッド・リンチ
 製作:デヴィッド・リンチ
 撮影:フレデリック・エルムス、ハーバート・カードウェル
 音楽:ピーター・アイヴス
 出演:ジャック・ナンス(ヘンリー・スペンサー)
    シャーロット・スチュアート(メアリー・エックス)
    アレン・ジョゼフ(ミスター・エックス)
    ジーン・ベイツ(ミセス・エックス)
    ジュディス・アンナ・ロバーツ(27号室の女)
    ローレル・ニア(ラジエーターの中の少女)

解説:
「エレファント・マン」の大ヒットによって、ようやく日本でも劇場公開されたリンチの長編デビュー作。全編、悪夢にも似た奇妙なイメージで埋め尽くされ、白黒というよりは銀黒で作られた映像は人工的な寒々とした印象を与えている。まさに“奇形の美しさ”とでも呼ぶべき、大いなる実験作。悪夢に論理が無いように、意味を求めることの無意味さを説くイメージ・シーンの積み重ねは、初公開時よりも、同様の手段をあろうことかTVで行った「ツイン・ピークス」を観た後の方が納得しやすい。その意味でも'93年にリンチ自らサウンドトラックを再編集したドルビーステレオの「完全版」の公開こそ、本作の真の評価を問える時機であったと言えるだろう。
 (allcinema)

あらすじ:
フィラデルフィアの工業地帯に住む印刷工ヘンリー。付き合っていたガールフレンドのメアリーに「妊娠、出産したので結婚して欲しい」と言われ承諾する。しかしその赤ん坊は奇妙な顔つきで小さく、とても普通とは思えない生き物だった。それでも家族としての生活を楽しんでいたヘンリーだったが、絶えずピーピーと泣く赤ん坊に我慢ならなくなったメアリーは、赤ん坊をヘンリーに押しつけ実家に帰ってしまう-





Eraserhead_08太陽の光とはおよそ縁のないような、工場の町に住むヘンリー。工場街の一角に建つアパートが自宅だが、一角に建つアパートというよりは、町は工場に覆い尽くされ、至る所に配管がのたうち蒸気が上がり、その中の隙間に人間の住む場所があるといった趣だ。
ヘンリーは青年の設定のようだが年齢不詳、着古した(おそらく1着しかない)スーツを着てとぼとぼ歩く。ぼさぼさの髪の毛が上に逆立ち、イレイザーヘッド(消しゴム付鉛筆)のように見える、そんな男。

Eraserhead_111部屋しかないヘンリーのアパートは、常に地鳴りのような音が響き渡り、隣のビルの壁が間近に迫るため、たった一つの窓さえ意味がなく、照明を点けなければ真っ暗。
照明を点けて明るくしたところで照らし出されるのは、古い箪笥やベッド、ベッド脇には盛り上げた土に直にさされた枯れ枝のような木。箪笥の上やラジエーターの前には太い配線のような髪の毛のようなものがとぐろを巻いている(何だ、これはいったい

本作の舞台は、このヘンリーの部屋が大半を占める。
ここに赤ん坊を連れたメアリーが同居し、その後メアリーが出て行き、ヘンリーと赤ん坊の二人暮らしになる。ストーリーは基本それだけ。そのストーリーとも言えない物語に、意味があるのか無いのかよく分からない登場人物が次々と出てくる。
 ・かさぶたの男(割れた窓のそばに座っている)
 ・メアリーの家族(妙な料理を作る両親と座ったままの祖母)
 ・27号室の女(黒髪の美女がヘンリーを誘惑する。なぜ
 ・ラジエーターに宿る少女(頬に大きなできもの?天国の歌を歌う)
 ・イレイザーヘッド工場の男達(ヘンリーの脳みそで消しゴムを作る)
Eraserhead_04 Eraserhead_13 Eraserhead_10 Eraserhead_23 Eraserhead_30

そして本作のもう一人の主人公ともいえる赤ん坊枯れ枝、グロテスクな人工鶏料理
Eraserhead_16 Eraserhead_21 Eraserhead_15

それと、あともう一つ。度々出てくるコレ↓。
Eraserhead_05
今回のレビューではコレをキーにしてちょっとだけ謎を解いてみようと思う。

ちょっとだけ『イレイザーヘッド』の謎を解く!

↑は冒頭、ヘンリーの口から出てきたところ。この後、仕事から自宅に戻りメアリーの家に行って出産を告げられる。結婚し同居してからポストに届いたコレを小さくしたミミズのようなものが届く。そしてその後、メアリーと一緒に寝ているベッドに突如現れる複数のコレ
次に登場するのがラジエーターの少女に降ってくる、またしても複数のコレ。少女はコレを踏みつぶす。
次なる登場は、ヘンリーの頭がもげて代わりに生えてくるコレ
そして最後はハサミで殺された赤ん坊が変身した大きくなったコレ

さぁ、どうです?
コレは何に例えるのが手っ取り早いか?もうおわかりですね。
ズバリ、男性の精子です。(←乙女ですので)
=ヘンリーの性欲とも言えるでしょう。
解説してみましょう(ウエカラ

Eraserhead_25 1.冒頭、口から出て向かった先はメアリー。そして妊娠、出産
 2.生まれた赤子はそっくりそのまま
 3.生活に疲れたヘンリーの元に届けられるコレの元
 4.メアリーと寝ているベッドにのたうつ複数のコレ
 5.ラジエーター少女はコレを踏みつぶすがゆえ、少女である
 6.とうとう正体を現したヘンリーの頭
 7.殺された赤ん坊は元のコレに
※27号室の女との情事で出てこなかったのは、所詮ヘンリーには手の届かない女だったから

メアリーの実家で出された鶏料理から液体が出てくるシーンは、もはや出産シーンにしか見えず、部屋の枯れ枝はヘンリーの疲れた様子を表しているかのよう。

どうだっ



ということで、作品の一部の謎を解いてみましたが、いかがでしたでしょうか。
ようするに男性も女性も衝動的な行動には気をつけましょう、というリンチ風道徳映画ということになりましょう。
その他の妙な登場人物達は、これがデヴィッド・リンチということで説明がつくかと思われます。彼らはその後のリンチ作品にも多数散見され、「あまり意味はない場合もある」と監督自ら説明されています。

それでは、この後もWOWOWのリンチ特集は続きますので、今回はこのへんで
ではまた

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『スピーシー・オブ・コブラ』(2010) - Hisss -

Posted by momorex on   2  0

巨大コブラがエロティックな美女に変体し、人間を丸呑みに!!
4000年の昔より伝わる大蛇伝説が現代に甦る。
「サベイランス」のジェニファー・リンチが贈る、危険(ヤバい)度100%クリーチャーホラー! (amazon)

Hisss_00


■スピーシー・オブ・コブラ - Hisss -■
2010年/アメリカ・インド/93分
監督:ジェニファー・リンチ
脚本:ジェニファー・リンチ
音楽:アヌ・マリク
撮影:マドゥ・アンバット
出演:
マリカ・シェラワット(ナギン)
ジェフ・ドーセット(ステイツ)
イルファン・カーン
ディヴィヤ・ダッタ
ラマン・トリッカ

あらすじ:
Hisss_03末期の脳腫瘍と診断され、余命半年と宣告された科学者ステイツは、4000年の昔からインドに伝わる、コブラの女王のみが持つ不老不死の力のある石を手に入れるため、インドのジャングルに分け入る。
女王をおびき寄せるため、巨大コブラの雄の捕獲に成功したステイツは、完璧な準備を整え女王の登場を待つ-





6月6日の記事『ゴシック』つながりで、どうしてもジェニファー・リンチ監督作『ボクシング・ヘレナ(1993)』が観たくなり、あちこち探したけれど、探しきれず。。今の時代、この問題作を観るのはもはや無理なのか、、とあきらめ、ではと借りたのが本作『スピーシー・オブ・コブラ』。監督の3作目となるようだ。
10年以上も前に観た『ボクシング・ヘレナ』は、その表現がかなりの問題作と言われただけあって、衝撃的で好みの作品として記憶に残ったが、本作『スピーシー・オブ・コブラ』は良くも悪くも普通の印象。

インドに古代の昔から伝わる大蛇ナギン伝説
体内に不老不死の石‘ナグマニ’を抱え、ジャングルの女王として君臨する。従えるのはジャングルの動物だけではなく、そばによる人間女性の妊娠などにも深く影響を及ぼす力があるらしい。女王の怒りを買うと、付近の女性が一斉に出血、妊娠中の胎児さえ殺してしまう力を持つ。
反対に子宝を授かるために祈りの対象「子宝の神」のような力もあるらしい。
血みどろのなんとも生々しい感じが、本作の最初から登場する。が、出血した血は鮮やかな「赤」で、さらりと表現されている。

Hisss_12さらりとしたこの「赤」は、少し先のお祭りの場面にも出てくる。
この3日続く水かけ祭でインド映画らしく皆踊っているが、染料の赤が染み出して皆の顔が真っ赤っか。
いきなりダンスシーンが挿入されるのはインド映画ならでは。

この祭と平行して、余命いくばくもない科学者ステイツが、ジャングルで女王ナギンの伴侶である雄をわざと女王の前で捕獲。女王は怒り狂い、時間をかけて人の姿に変身。祭で賑わう人間の町にやって来る。



Hisss_07この変身シーンは割と見応えがある。狼男系の作品でも変身シーンは度々出てくるが、よく考えるとあれは人からモンスターへ。本作で出てくるのはまず蛇から人へ。蛇の鱗がはがれ、脱皮をするかのように出てくる美しいナギン。
狼男の変身シーンは、最近の作品よりも『狼男アメリカン(1981)』(An American Werewolf in London)のような古い作品の方が好みの自分としては、割と楽しめたナギンの変身。
にょーっと伸びた蛇の皮膚をぷちっとはがすようにして、身体が出てくるところは一見の価値有り。



Hisss_13祭で賑わっている町に、案外そっとやって来た女王。聞こえてきた笛の音色に操られるように片隅にいくと、そこには蛇遣いが。大蛇コブラの女王も蛇遣いの笛の音には無力となり、踊るしかなくなる。
強いのか弱いのかよくわからない女王だったが、この後、2人の男に暴行を受けそうになった時、その正体が現る。1人の男は毒で殺害、もう1人の男は丸呑みに。
Hisss_16残念なのがこの丸呑みシーン。肝心の丸呑みの様子が描かれていないっ。正直落胆しました。がっかりです。その声が監督に聞こえたのか、丸呑みシーンの代わりに呑んだ後のお腹が一杯シーンは作ってくれました。
どうなっているのかは、ちょっと分かりづらいです。説明しようと思って1分くらい熟視してみましたが、よく分かりませんでした

この後、女性に暴行を働く男を血祭りにあげながら、伴侶の雄を探し求めるナギン。かすかに受け取れる雄のテレパシーはどんどん弱くなる。
惨殺された死体が次々発見され、てんやわんやになる警察とも絡み合いながら、ナギンは町をさまよう。
女王は無事に伴侶を取り戻すことが出来るのか。




全体として、ちょっと風変わりなクリーチャー系ホラー・インド映画となった本作。
世間の評判はあまり芳しくないようだが、父親のデヴィッド・リンチの系統を継ぐ登場人物は、本作にも健在だ。ただインド映画独特のやかましさが、じっくりじわじわとくる恐ろしさを消し去っているのが残念。
でもインド風味を否定すると本作は成り立たないので、これは新しい試みなのかもしれない。

ではまた






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『狂気の行方』(2009) - My Son, My Son, What Have Ye Done -

Posted by momorex on   1  0

男は何を排除したのか

My Son_01


■狂気の行方 - My Son, My Son, What Have Ye Done -■
2009年/アメリカ、ドイツ/91分
監督:ヴェルナー・ヘルツォーク
脚本:ハーバート・ゴールダー、ヴェルナー・ヘルツォーク
製作:エリック・バセット
製作総指揮:デヴィッド・リンチ他
音楽:エルンスト・ライジハー
撮影:ペーター・ツァイトリンガー
出演:
マイケル・シャノン(ブラッド)
ウィレム・デフォー(ハヴェンハースト刑事)
クロエ・セヴィニー(婚約者イングリッド)
ウド・キア(友人)
グレイス・ザブリスキー(母親)
ブラッド・ドゥーリフ(叔父)
マイケル・ペーニャ(刑事)

解説:
ドイツの鬼才ヘルツォーク監督×カルトの天才デヴィッド・リンチ製作総指揮。狂気に満ちた犯罪サスペンス最新作!
 (Amazon)

あらすじ:
アメリカ、サンディエゴ。
殺人事件の知らせを受けて現場に駆け付けた刑事ハヴェンハーストとその相棒。
犯人と目される男は人質を2人とって自宅に立てこもり、早朝の閑静な住宅街は一時騒然となる。
ほどなく、男から呼ばれたとして婚約者と友人も現場に到着。刑事と共に投降するよう男に向かって説得を試みるが-





朝一番に殺人の一報を受け、慌てて現場に駆け付ける刑事2人。
全てを目撃していた怯える親子。隣の部屋には血だまりに死体が-。
『狂気の行方』。てっきり重々しい社会派サスペンス作品と思いきや、物語は一種独特の軽快なテンポで進んでいく。

目撃者が2人もいるから死体の身元と容疑者は、すぐに分かった。
犯行現場は容疑者の自宅お向かいの家。容疑者は道をはさんだ自宅に戻り、2人の人質をとって銃を持ち立てこもった。囲む警官達。SWATも到着する。
そこに容疑者ブラッドから「助けて」と連絡があったと駆け付けてきた婚約者と友人。
刑事は事件解決のため、2人からブラッドの最近の様子や人となりを聞き出す。
2才の時に父親を亡くしたブラッドが、どうして殺人を犯すことになったのか-。

My Son_05ここからは、ブラッドの「狂気の行方」というより、「狂気の成長」が物語られる。
「狂気」といっても決して暴力的なものではなく、強いて言えば「人騒がせ」くらいなものだ。婚約者も友人も、徐々におかしな言動が増えていくブラッドを見捨てるのではなく、理解し助けようとする。が、ただ一人、理解しようともせず今までと変わらない態度で甘やかし束縛する人。 ---母親
「狂気」と言うなら、この母親の方がよっぽどそうであり、愛という名の下にいい年の息子を溺愛し、婚約者の存在を実は疎ましく思っている。


本作には1対1である「2人」の関係が頻繁に出てくる。
 母と息子
 ブラッドと婚約者
 ブラッドと友人
 ブラッドと叔父
 刑事と相棒
 目撃者親子
 2匹のフラミンゴ
どの2人もそつなく付き合っているようでいて、どこかギクシャクしている。
会話がうまくかみ合わず、意思の疎通が思うようにいかない。?となりながらも波風たてないように努力している印象。唯一、うまくいっているのはフラミンゴだけとも思える。

My Son_10そんな関係に殺人を絡め、古いヨーロッパ映画のような大げさとも言える音楽で不安感をあおり、シーンの間にポップな色合いの画をはさむ。ブラッドの自宅からしてまるでキャンディーのようなフラミンゴの家で、部屋は女の子の部屋のよう。
お菓子のような背景に、ギクシャクした関係、狂気の母親、友人の死、ギリシャ神話劇、フラミンゴ2匹を散りばめられて、ブラッドはどんどん自分を失っていく。




ブラッドに呼ばれて現場に駆け付けた婚約者と友人。
2人は最近の出来事を刑事に話すが、その中にブラッドの狂気への道筋が見て取れる。

ブラッドはカヌー川下り仲間の友人を亡くしている。
しばらく落ち込んだ後、彼は今後自分の事を“ファルーク”と呼んでくれ、と皆に言うようになった。実際、立てこもった彼に刑事が名前を教えてくれ、と言った際、「ブラッドでもファルークとても好きに呼べ」と答えている。
ファルーク”とは、主にアラブ圏の国における男子名。自分はイスラム教徒だと言っているようなもので、イスラム教に救いを求めた結果であるのだろうが、これは現実逃避ということも出来るだろう。
自分も一度、アメリカ先住民インディアンの生活に憧れたことがあった(1週間ほどで終わったが)。
     ちょっと違うかなー

The_Remorse_of_Orestes_(1862)ブラッドの友人は舞台演劇プロデューサー。今回の演目はホメロスの叙事詩『イーリアス』に登場する「オレステース」。
オレステースはギリシア軍の総大将アガメムノンの息子でミュケナイの王子。父の敵として実の母親と情夫を殺すことから始まり、次々と復讐の名の下に殺人を犯していく復讐譚『オレステイア』の主人公で、因果応報を精算する人物として描かれている。あの世界の美女ヘレネやアキレウスの息子ネオプトレモスまでも決闘という形で殺した。
ブラッドと婚約者はこの舞台劇の役者で、ブラッドの役はオレステースだった。


そして友人プロデューサーは、役者達を前に「タンタロス」について言及する。
タンタロスはギリシア神話に登場するリュディア王で、人間でありながら、全能の存在ゼウスの親しい友だった。しかし、神々との会食の場に、殺した自分の息子を入れて煮込んだシチューを出したことから、罰を与えられる。

神々の激怒を買ったタンタロスは、タルタロスに送られ、沼の上に枝を広げた果樹に吊された。沼の水は満ちてきてあごまで届くが、タンタロスがそれを飲もうとして身をかがめるとあっという間に引いてしまう。果樹の枝にはさまざまな果実が実っているが、タンタロスがこれに手を触れようとすると、たちまち一陣の風が吹き起こって枝を舞い上げてしまう。こうして、タンタロスは不死の体が仇となって永遠に止むことのない飢えと渇きに苛まれつづけている。
このことからヨーロッパ系の言語ではタンタロスは欲しい物が目の前にあるのに手が届かないじれったい苦しみの代名詞、慣用句である。例えば英語の動詞「tantalize」は「欲しいものを見せてじらす」という意味であるし、フランス語の「supplice de Tantale」(直訳すると「タンタロスの責め」)は「欲しい物が目の前にあるのに手が届かない苦しみ」という意味である。
(Wiki)



これら様々な出来事がおとなしい彼に作用し、そのはけ口は一点に向かって撃ち放たれる。
それは結局、因果応報であったのかもしれない。





My Son_06

マイケル・シャノン(ブラッド)
ロシアン・ルーレット』で観たとこだ。あくの強い役を情熱を持って演じていたのが印象的。
本作のヴェルナー・ヘルツォーク監督作『バッド・ルーテナント(2009)』にも出演している。
ケンタッキー州で育ち、シカゴで舞台に立つようになる。1993年より映画にも出演。1974年生まれ。思っていたより若かった。



My Son_03

ウィレム・デフォー(ハヴェンハースト刑事)
普通の善良な刑事役。こんな時は顔つきも普通だが、いつ何が飛び出すかとわくわくする。が、本作では善良なまま終了した。
代表作『プラトーン(1986)』および『シャドウ・オブ・バンパイア(2000)』でアカデミー賞最優秀助演男優賞のノミネートを受けた。ウィスコンシン州出身、1955年生まれ。
 1990年『ワイルド・アット・ハート』レビュー記事
 その他ウィレム・デフォー出演作の記事



My Son_08 グレイス・ザブリスキー母親
My Son_04 クロエ・セヴィニー婚約者
My Son_11 ウド・キア友人
My Son_12 ブラッド・ドゥーリフ叔父
My Son_15 マイケル・ペーニャ刑事

刑事に『ワイルド・アット・ハート』のウィレム・デフォー。
母親に「ツインピークス」のグレイス・ザブリスキー。
おまけに小さい人も出てくるし、なんかデヴィッド・リンチ監督の匂いがするけど、なんか軽いしなぁ、と思ってたら制作総指揮に名前があるじゃないですか。
だから、あそことか、こことかに、あんなのとか、こんなのが出てきたのか




実話に基づいた本作。
原題の“My Son, My Son, What Have Ye Done”は「あぁ息子よ、お前はいったい何を?」というような意味。
息子のことを一番分かっていなかったのは母親だった、とでも言うのであろうか。

ではまた



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『ワイルド・アット・ハート』(1990) - Wild at Heart -

Posted by momorex on   2  1

頭を投げ捨てハートで感じろ

Wild at Heart 000


■ワイルド・アット・ハート -Wild at Heart-■
1990年/アメリカ/124分
監督:デヴィッド・リンチ
脚本:デヴィッド・リンチ
原作:バリー・ギフォード
製作:モンティ・モンゴメリー他
製作総指揮:マイケル・カーン
音楽:アンジェロ・バダラメンティ
撮影:フレデリック・エルムズ
出演
ニコラス・ケイジ(セイラー)
ローラ・ダーン(ルーラ)
ダイアン・ラッド(マリエッタ)
ハリー・ディーン・スタントン(ジョニー)
ウィレム・デフォー(ボビー)
J・E・フリーマン(サントス)
クリスピン・グローヴァー(デル)
イザベラ・ロッセリーニ(ペルディータ)
シェリリン・フェン(交通事故の女性)
シェリル・リー(良い魔女)
ジャック・ナンス(ポージス・スプール)

解説:
デヴィッド・リンチ独特の、暴力・死・セックスといったモチーフはそのままにして描いたバイオレンス・コメディ。強烈な色彩、タバコや炎の凄まじい程のクローズ・アップ、強調されたノイズと音楽の融合など、様々な映画的手法を駆使して“リンチ・ワールド”を展開している。
 (allcinema)

あらすじ:
Wild at Heart 002アメリカ南部。セイラーは恋人ルーラの母親マリエッタに理由も分からず忌み嫌われていた。「殺してやる」とまで宣言されていたセイラーは、ある日差し向けられた殺し屋を反対に殴り殺してしまう。どこまでも2人の仲を引き裂こうとする母親から逃げるため、セイラーの出所を待ってカリフォルニアへ逃避行する2人。しかしマリエッタはあきらめず、娘を取り返すため愛人の探偵に2人を追わせる。が、なかなか埒があかないことに業を煮やしたマリエッタは、昔の愛人を使って暗黒街の顔役にセイラー殺しを依頼するが-





セイラーとルーラ ふたりの熱いハートは 荒野を焼きつくす。

デヴィッド・リンチ1990年の監督作。
有名な代表作の一つ『ツイン・ピークス』パイロット版が1989年、シリーズが1990~1991年なので、ほぼ同じ頃に撮られた作品。他監督作に比べて比較的分かりやすい内容だ。

テーマは「愛と呪縛」。
恋人同士、母と娘、母と娘の恋人、母と母の愛人-。あらゆる人間関係における愛とその束縛についてを描いている。
娘への異常な執着を示す母親は「悪い魔女」に例えられ、どこまでも2人を追っていく。が、しかしそれは娘への純粋な愛情からの行動ではない。娘がどうして「悪い魔女」の高笑いが耳から離れないのか。それには理由がある。


セイラー ニコラス・ケイジ
Wild at Heart 007蛇皮のジャケットをこよなく愛するセイラー。
このジャケットは彼にとって「魂の自由を信じる俺って人間のシンボルだ」。
ワイルドなハート」を持つと言うのと反対にジャケットに自分の個性を封じ込め、大事にしているところが面白い。
恋人ルーラのことも深く愛しているが、‘愛している’という割に、何度ルーラに‘セイラー’と叫ばせ、心配をかけていることか_。
親はいないも同然で育ち、ヤクザものの運転手をしていた。その頃起きたある出来事が原因でルーラの母親にとって邪魔な存在となっている。過去の呪縛がなかなか解けないセイラー。ルーラの愛で自由になることはできるのか。

演じたのはニコラス・ケイジ。本作内のプレスリーの歌も彼が歌っている。
ナショナル・トレジャー(2004)』などで晴れて子供も観る映画に出演したが、それ以前は本作『ワイルド・アット・ハート』も含め、少し変わった映画に出ることが多かった。
自分が始めて知ったのは『バンパイア・キッス(1988)』。バンパイアになったと思い込んでしまったエリートサラリーマンの狂気を描いた作品。かなりキレている役で、自分にとってニコラス・ケイジといえば、このイメージが強い。残念ながら、DVDにはなっていないようだ。
他にも『リービング・ラスベガス(1996)』『8mm(1999)』『ロード・オブ・ウォー(2005)』なんかがオススメです。

ルーラ ローラ・ダーン
Wild at Heart 003束縛する母親を嫌い、全てを捨ててセイラーと逃避行の途へ。
セイラーへの愛を惜しみなく表現するルーラ。だが彼女も決して幸せな子供時代では無かった。セイラーと出会うまでの様々な記憶が彼女を苦しめ、様々なイメージとなって目の前に現れる。その一つが「悪い魔女」だ。高笑いしながら、ほうきにまたがり追ってくる。それらを忘れさせてくれるのはセイラーだけだった。
『ジュラシック・パーク(1993)』のローラ・ダーンは本作以外にもデヴィッド・リンチ監督作『ブルーベルベット(1986)』、『インランド・エンパイア(2006)』に出演している。独特の魅力を持った女優さんだ。本作ルーラの母親マリエッタ役のダイアン・ラッドが実の母親だと知って驚いた。



この作品で面白いのが、この恋人達の会話のシーンだ。
Wild at Heart 014他の登場人物と違って、とても礼儀正しく、なんだかシェイクスピアの舞台的な感じを受ける。2人の会話だけ聞いていると内容はともかく、話し方がとてもバイオレンスな映画だとは思えない穏やかさがある。これは何を狙った演出なのか。悪魔のごとき形相の殺し屋と対比させるととても面白い。
 この悪魔の人は『ツイン・ピークス』ローラの母親役グレイス・ザブリスキー



この2人を取り巻く登場人物は一癖も二癖もある人ばかり。
あわせて逃避行している道中で出会う人々も只者ではない、リンチ監督らしい人々だ。

Wild at Heart 001Wild at Heart 017Wild at Heart 009Wild at Heart 010Wild at Heart 016
マリエッタ
ルーラの母親
探偵ジョニー
マリエッタの愛人
 
サントス
ヤクザ者
デル
ルーラの従兄弟
殺し屋
Wild at Heart 013Wild at Heart 018Wild at Heart 019Wild at Heart 020Wild at Heart 022
交通事故の娘殺し屋の娘モーテルの客モーテルにいた
ヤクザ者
いい魔女


他にも、たとえ数秒しか映らなくても、決して手を抜かれていないおかしな人が出てくるので、是非リンチワールドを楽しんで欲しい。その人達の存在に意味があるのか、ないのかは、、、、分かりません




「愛と呪縛」からの逃避行で始まるこの作品は、「愛」を受け入れ、「呪縛」から解放され、束縛される事さえも受け入れ背を向けず、真正面から人を愛せるようになったところで終わる。道中で出会う様々な人々や、ルーラの話に出てくる人や事件は、セイラーとルーラが自ら囚われている人や物だ。それら不幸な過去を断ち切り、前を向いて目の前の人をしっかり見つめることが出来たとき、2人に本当のハッピーエンドが訪れた。それは、悪い魔女=母親が写真立てから消えたことからも分かる。
人を呪い、自分の罪を無かったことにしようと企んだ母親は、娘を失い髪を振り乱したまま泣き続け、自分を哀れんだ姿で一生を終えることになる。

ではまた

Wild at Heart 023

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